このところアメリカの議会で次々と選挙を意識した保護主義化の動きが進展している。日本製鉄のUSスチール買収にバイデン大統領が懸念を表明した。日本のメディアはこれに神経を尖らせている。一方若者は「あのTikTok」がアメリカで使えなくなるかもしれないいうニュースにショックを受けているかもしれない。TikTokに関してはトランプ氏が反対しているにもかかわらず議会主導で禁止法案が審議されている。議員たちが選挙を控えて排外主義的な動きを加速させていることがわかる。議員たちは必ずしもトランプ氏を個人的に信奉しているというわけではない。選挙に有利だからトランプ氏を支援しているのだ。
“アメリカ下院でTikTok禁止法案が可決 アメリカの議会で進む保護主義化の動き” の続きを読む精神的に他人から搾取されシステム隷属している人ほど成田悠輔氏を叩きたくなる
成田悠輔氏がSNSのXで叩かれている。人に「なぜ彼が叩かれているのか」と問えば、おそらくは「過去に老人は集団自決すればいい」と言い放ったからだと得意げに説明してくれるだろう。精神的にシステムに隷属する人ほどこの傾向は強いものと考えられる。スマホのみで断片的に情報を取りそれが全てだと誤認してしまうからだ。当時の発言の前後を見ても成田氏の発言を正当化できる要素は見つからない。人々はそこで「私は切り取っているわけではない」と満足してしまう。
“精神的に他人から搾取されシステム隷属している人ほど成田悠輔氏を叩きたくなる” の続きを読む民主主義とジャーナリズムの危うい関係 松本人志氏に対する週刊文春記事は「書いたもん勝ち」なのか?
松本人志氏が文藝春秋社を訴えて裁判を起こした。名誉毀損の賠償金の相場は200万円から300万円程度とされているそうだが、松本さん側の請求額は5億5500万円だ。「書いたもの勝ち」の抑止が念頭にあるものと思われる。東国原英夫氏も主張するように売上に見合う懲罰的な金額がなければ「書いたもの勝ち」が防げない。
実際に週刊誌は完売となり文春はかなりの経済的利益得たと言われている。45万部が完売し有料会員数も伸びているという。確かに他人のプライバシーを暴いてお金儲けをすることには理不尽さを感じる。
だが、今回の問題はジャーナリズムと民主主義の危うい関係を理解する良い助けになる。お笑いタレントの裁判と「民主主義」に何の関係があるのか、ちょっとそれは大袈裟ではないかという批判を予想しつつ論を展開したい。
“民主主義とジャーナリズムの危うい関係 松本人志氏に対する週刊文春記事は「書いたもん勝ち」なのか?” の続きを読むイギリスで富士通のITシステムに高まる批判 きっかけはテレビドラマ
今、イギリスで富士通のシステムに対する批判が高まっている。原因は1999年から2015年まで行われた裁判だ。富士通が作った「ホライズン」と呼ばれるITシステムによって冤罪が作り出された。
郵便局の副局長が700名以上も横領容疑で郵便局から訴えられた。最終的には900名以上が裁判にかけられたという。だが後の調査でこれがシステムのバグによる冤罪だったことがわかっている。素直にバグを認めて修正していれば良かったのだがその後も隠蔽がおこなわれたことで被害が拡大している。
このニュースには日本と共通するある特徴がある。日本の場合は文春砲をきっかけに大騒ぎが起きるが、この件はテレビドラマがきっかけになっている。昔の問題が今になって掘り起こされているのだ。
“イギリスで富士通のITシステムに高まる批判 きっかけはテレビドラマ” の続きを読むワイドナショー出演取りやめ 改めて松本人志さんの人権について考える
松本人志さんがワイドナショーに出演しないことが決まった。この件に関してはもちろん被害を訴えている側の女性の人権の問題についても考えなければならないが松本さんの人権についても考慮する必要がある。
関係者が選んだ道は「面倒な問題には関わらない」ことだった。吉本興業は徐々にラインをずらし「松本さん個人の問題」に落としこもうとしている。極めて日本的な解決方法だ。
徐々にスタンダードが作られてゆき「何が良くて何がいけないのか」が空気によって決まるのが日本式だ。今回の件は日本でどのように改革が進むのかを示す好例となった。
“ワイドナショー出演取りやめ 改めて松本人志さんの人権について考える” の続きを読む松本人志氏が芸能活動を休止し法廷闘争に専念 時代の転換を感じる幕引き
吉本興業の松本人志氏が芸能活動の休止を発表した。お笑い界と吉本興業に強い影響力を持つうえ、奔放な私生活もウリの一つになっている。この強気なイメージを維持しつつ吉本興業とテレビ局が抱えるリスクを問題から切り離すためにはこれしかなかったのだろう。週刊文春側は報道に自信を持っているとされるが、気になるのはやはり間に挟まれることになる告発者の人権問題である。
本来ならばテレビのワイドショーで総括すべき問題だが、おそらくこの件に関してテレビやテレビとつながりをもつ新聞社が分析を加えることはないだろう。報道機関としては「終わった」といっていいのかもしれない。あまりにも複雑な利害関係が生まれておりおそらくテレビ局は自分達で自分達を総括できなくなっている。
2011年に島田紳助さんが引退した時、原因とされたのは「反社会勢力」だった。吉本興業が地場のお笑い産業からテレビコンテンツプロバイダーに成長したことで島田さんのような存在を包含できなくなった。同じように松本さんの件も新しい時代の転換を意味しているのかもしれない。ある意味では「放埒さ」とみなされていたのだろうが国際的なエンターティンメント産業はこうした放埒さから切り離されなければならない。
松本さんがどう戦いどう戻ってくるのかにも注目したい。
“松本人志氏が芸能活動を休止し法廷闘争に専念 時代の転換を感じる幕引き” の続きを読む田崎史郎さんの予測外れる 池田佳隆衆議院議員に逮捕報道
政治ジャーナリストの田崎史郎氏が田原総一郎氏にたいして「議員の逮捕はないだろう」と語り反発を受けていた。とりあえずその予想は外れ池田佳隆さんが最初の逮捕者になりそうだ。日本テレビが独自報道として伝えておりフジテレビも追随した。TBSも立件までは確認しているが逮捕という表現にはなっていない。田崎史郎氏は政権に近いとされており過度な楽観視があったのかもしれない。国民の知る権利を守るためにもジャーナリストとしての説明責任を果たすべきなのだろうし、これまでは主に芸能報道の分野で取材対象との近さが度々問題視されてきたがメディアも田崎氏の使用責任やコメンテーターの扱いについて説明しなければならない段階に入っている。
“田崎史郎さんの予測外れる 池田佳隆衆議院議員に逮捕報道” の続きを読むスキャンダルで却ってやる気になった松本人志氏 放送局が作るモラルハザード
文春のスキャンダルが出たことで松本人志氏が却ってやる気になったようだ。「いつ辞めても良いとおもっていたんやけど…… やる気が出てきたなあ」とXでコメントした。
吉本興業は放送局と資本関係にある。このため「守ってもらっている」という意識があるのだろう。さらにファンも彼の気持ちを高揚させる。Xの投稿には応援コメントが多数寄せられている。
これを見た若手たちが「これくらいのことはやっても良いんだ」と考えても不思議ではない。テレビ局は両論併記で乗り切ることでモラルハザードを引き起こしたことになる。
「松本人志事案報道」を全否定 ジャニーズ問題から何も学ばなかった吉本興業とマスコミ
松本人志さんに性加害スキャンダルが出ている。文春は報道に自信を持っているようだが吉本興業は全否定した。吉本興業はジャニーズ問題から何も学ばなかったのだなと感じた。中でも気になったのが「客観的事実」という用語の違和感だ。そんな日本語はない。メディアも両論併記にとどまっておりジャニーズ事件から全く学んでいないことがわかる。
“「松本人志事案報道」を全否定 ジャニーズ問題から何も学ばなかった吉本興業とマスコミ” の続きを読む全銀ネットの障害に総括「障害が起きないという潜在意識」によって引き起こされた
全銀ネットが2日にわたって停止し他行への振り込みができなくなったのは10月だった。あれから2ヶ月が経ち世間の関心は次第に薄まってきている。全銀協とNTTデータが会見を行い総括している。
当初「メモリ不足」と言われ一時否定されていた結局はメモリ不足だというところに戻ってきた。設計チームはメモリ領域を展開するように求めていたがプログラミングサイドがその指摘を見落とした結果事故が起きたのだそうだ。全銀ネット側は「事故が起きないという潜在意識があり油断があった」としている。
OSに不慣れだったのではないか、AI生成のせいではないかなど様々な説があったが、最終的には「誰かがなんとかしてくれるだろう」という請負ピラミッドではよく見られる典型的な事例だったと言える。
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