共和党議員がイーロン・マスク氏のTwitter買収によりトランプ氏のアカウントが復活することを期待

アメリカの富豪イーロン・マスク氏とTwitter社の間で買収協議がまとまりそうだ。マスク氏の狙いは必ずしも明らかではないがかねてよりTwitter社の政治へのリベラルな姿勢に疑問を呈している。このため共和党の内部からは「これでトランプ氏がTwitterに戻ってくる」と期待する声がある。まだ買収が決まっていないうちからマスク氏に対して「アカウント凍結を解除してくれ」という要望が出ているそうだ中間選挙に向けてアメリカの分断がますます過熱するのかもしれない。

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Twitter社は世界一の資産家イーロン・マスク氏から民主主義を守れるか?

2021年末に世界一の資産家になったイーロン・マスク氏がTwitter社を買収できるかが大きなニュースになっている。単なる一つのIT企業の買収劇なのだが「民主主義」というかなり壮大な価値観をめぐる議論だ。マスク氏にはマスク氏なりのあるべき民主主義像があるのだがTwitter社にも長年培って来た民主的な企業文化が根付いている。

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なぜ安倍政権で忖度が横行するのかを探るヒント

こども保険のニュースが断続的に出ている。そこで記事を読んでいて時事通信の記事に面白い記述を見つけた。

下村氏らが動きだしたのは、日本維新の会が改憲項目の一つに教育無償化を掲げ、首相が前向きな姿勢を示したのがきっかけ。

記事は、小泉進次郎議員が仲間と取りまとめたアイディアの賛同者を集めるために、下村さんたちにピッチに行ったという内容なのだが、面白いのは「忖度の現場」がさらっと書かれているということだ。気がつかない人も多いのではないかと思えるほどさりげなく描写されている。時事通信のようなオールドメディアの人たちにとっては当たり前のことなのだろう。
だが、この現場を捉えることで、忖度と言われている現象が何であって、何が問題なのかということが分析できると思う。
記事によると下村さんたちは教育国債を押しているようだ。これは負担増が選挙に悪影響を与えることを下村さんらが知っているからだろう。自民党は国民を説得して態度を変えさせるのが苦手で代わりに水面下で物事を自分たちの有利なように運びたがる文脈限定型の意思決定を行っている。だから、負担増につながる保険は政治的な壁が高い。一方で安倍首相は明確な指示を与えないままで「教育の無償化いいんじゃないか」と仄めかしたという状態になっている。
ここから下村議員たちは「提案」を行うのだが、すでに二つの要望が織り込まれている。それは「国民は負担を嫌がる」ということと「安倍首相には気に入られるような提案にしたい」というものである。さらに「民進党の提案を潰したい」という思惑もあるだろう。ポイントになるのは安倍首相は方針を明確に示していないということだ。つまり、本当に教育を無償化したいのか、それとも維新の会のご機嫌をとっただけなのかわからないのである。だから下村議員たちはそれを「想像で補っている」のである。
うまくいっている限りにおいてはこの関係はすべてのメンバーを満足させる。下にいる人たちは自分たちが組織を動かしているという有能感に浸れるし、上にいる人たちは自分に気にいる提案ばかりが持ち出されるから上機嫌で決済することができる。相互依存(甘え)がうまく成り立っている状態だ。
一部で忖度は「指示がない命令だ」というような言説が出回っているのだが、日本の場合には相互のあやし合いという側面があり、必ずしも「命令」だという意識はないのではないかと考えらえれる。
もし安倍首相が自分のプロジェクトを強引に進めたいタイプであればこうした「自分が組織を動かしていると思いたい」人々の機嫌を損ねることになりかねない。安倍首相は自分たちの周りをイエスマンだけで固めているので大きな混乱が生じている。例えば稲田防衛大臣のような無能な政治家が安倍首相の周辺が描いためちゃくちゃな振り付けにしたがって安保法というダンスを踊るとするととんでもないことになる。だが、その周りにはもう少し曖昧な人たちがいて、それなりの調整機能が働いている。だが、その関係は極めて曖昧であり「読み間違い」や「誤動作」を起こしかねない。
誤動作の一つは、愛国を唄う支持者たちが虐待まがいの教育者で、詐欺まがいの行為を役人に強要していたという例に端的に現れている。安倍首相は慌てて関係を切ったのだが、大炎上してしまった。また妻もコントロールできないので遊ばせていたところ、実はとんでもないプロジェクトに首を突っ込んでいた。公私の境が曖昧で自分の理想のためには手段を選ばず、善悪の判断もつかない。公務員を選挙に稼働したと騒ぎになっている。
「一事が万事」というが、実は下村議員もマネジメント能力には問題がありそうだ。小池都知事と東京都連の問題を解決できておらず、公明党との関係にひびを入れている。小池都知事は自民党をやめたと言っているが「誰も離党届を受け取っていない」という状態になっている。混乱は極めて深刻で「出て行けるもんなら出て行ったらいい」と記者の前で口走る国会議員さえ出ているそうだ。無能なマネージャーが組織を掌握できないと問題が出てくるわけで、却ってボスのご機嫌をとる必要が出てくる。これがさらに組織がガタガタにさせるのだ。
つまり、仄めかしに近い漠然とした指示を出す弱いリーダーと猟官を狙い身勝手なダンスを踊りたがる官僚的な組織があるところには、今日本で言われている「忖度」が横行することになる。しかしそれは「忖度」に問題があるわけではなく、組織のグリップが取れなくなっているところを「非公式なコミュニケーション」で補っているところに問題がある。だから「指示した・指示していない」とか「言った・言わない」が問題になり、なおかつ誰も責任を取らないということが起こるのだ。
これに加えて、痛みを伴うような改革ができない点にも問題がある。小泉議員らの提案は国民の負担増を求めるので、当然政府与党も引き締めを図り有権者・納税者を納得させる必要がある。しかし国民は冷めた目で政治を見ており「負担が増えないなら少々めちゃくちゃでも放置しておこう」と考えているのではないかと考えられる。そもそも厳しい意思決定はできない。また、組織は「自分たちの好き勝手にさせてくれるから」という理由で曖昧な指示しかしないトップを担いでいるのだから、組織はなりゆきのままで漂流することが予想される。
つまり、安倍首相が危険なのは彼が戦争ができる国づくりを目指しているからではなく、政府が無管理状態になった挙句、問題が次から次へと出てきて何も決められなくなってしまう可能性が高いということなのだ。すでに「言った言わない」が面白おかしくワイドショーネタになるような状態が続いている。日本は重要な局面で意思決定ができずさらに漂流するかもしれない。
 

「フィーチャーフォンがなくなる」問題

先日、ガラケーがなくなるというようなニュースを耳にした。スマホに変えるつもりはないのでちょっと慌てたのが情報がなく自分の使っているサービスがどうなるのかよくわからない。
結論からいうとすぐに何かをする必要はないのだが、日本人が他人に情報を伝えるのがいかに下手なのかがよくわかるので、詳しく書くことにした。コミュニケーションが混乱する原因は用語の混乱にある。短く言うと「ドコモはバカ」なのだ。ではどのようにバカなのだろうか。
きっかけはこのリリースだ。

ドコモ ケータイ(iモード)出荷終了について

2016年11月2日

平素は、弊社商品・サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

  • ドコモ ケータイ(iモード)は2016年11月~12月を目途に出荷終了し、在庫限りで販売終了いたします。ドコモ ケータイをお求めのお客様にはドコモ ケータイ(spモード)をご用意しております。
  • ドコモ らくらくホン(iモード)については当面出荷継続いたします。
  • iモードサービスは今までと変わらず引き続きご利用いただけます。

弊社は今後もお客様への一層のサービス向上に取り組んでまいりますので、何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
これ、意味がわからなかった。わかったのはiモードはすぐにはなくならないので、情報はスルーしてもよいということだけだった。
情報が混乱する直接の原因はこのほかにいくつかの定義が曖昧な言葉があるからだ。それは「ガラケー」「二つ折り電話」「フィーチャーフォン」という言葉だ。

  • FOMA – 電波の名前(古い)。
  • Xi – 電波の名前(新しい)。
  • iモード – FOMAに乗るネットサービスの名前。
  • spモード – Xiに乗るネットサービスの名前。
  • ドコモスマホ – パソコンのように使える新しいタイプの電話機でXIとspモードで使う。iPhoneを含む。実際には明確な定義はなく、アンドロイドとiOSを基幹ソフトとして使っている電話機の総称である。
  • ドコモケータイ – スマホではない電話機をケータイと言っている。一般にはスマホもケータイなので混乱する。フィーチャーフォンとかガラケーなどと呼ばれることが多いのだが、実はspモードが使える二つ折りの電話を含んでいる。また、旧来型のドコモケータイもXIが使えるものがある。スマホに定義がないので、ドコモケータイにも定義がない。
  • ガラケー – 国産電話のうちOSも自前のものを使った機種を示す俗称。ゆえにドコモケータイとらくらくフォンを含むものと思われる。ガラケーのなかにもspモード対応(もしくは専用)のものがある。
  • ドコモらくらくフォン – 高齢者や障害者向けに作られたスマホに似た電話機なのだが、spモードとiモードを含む。

つまり、ドコモケータイ=ガラケーではないわけで、ガラケーには明確な定義がない。二つ折りの中にもガラケーでないものがあるのだが、ドコモのURLはfeaturephoneという名前になっている。この中には、iモードでないものも含まれている。リリースの第一項でわざわざドコモケータイ(spモード)と書かれているのはそのためなのだが、知らないと読み飛ばしてしまうだろう。
わかっている人(ドコモの広報、オペレータ、マスメディア)はこの言葉の定義がなんとなく分かっている(だが説明はできない)ので、違いをなんとなく感じながら使い分けている。しかし、それを知らない一般の人と話をするとなんだかわけがわからなくなってしまう。オペレータになんども「それはどこに書いてあるのか」と聞いたが、誰も答えられなかった。
わからないのだが「バカにもわかりやすく話してやろう」という気持ちがあるようだ。そこで「二つ折り電話がなくなる」という新たな定義をぶち込んできて話を複雑にしていた。スマホは二つに折れないのでわかりやすいと思ったのだろう。実際には二つ折り電話の中にもなくならないものがあるし、そもそも二つ折りという概念は形態による区分けだ。概念がわからない人に別の区分けをぶつけるから喧嘩になるのだ。
日本人はすべての人が同じコンテクストを共有しているという前提で話をする。多様性を前提としていないので、コミュニティの外の人とは基本的に会話ができないし、相手がどのような概念マップを持っているのかということが想像できない。そしてコンテクストを共有しない人を「バカ」だと思う。だが、顧客のほとんどは彼らからすると「バカ」ということになるので、顧客をバカにする奴は「バカ」ということになる。
さて、混乱の原因は実はNTTの広報の情報操作の結果のようだ。日経新聞の記事を読んでみよう。

「iモード」ガラケー出荷終了へ NTTドコモ

 NTTドコモは2日、ネット接続サービス「iモード」の機能を搭載した従来型携帯電話(ガラケー)の出荷を年内で終えると発表した。対応機の部材の調達が難しくなってきたため、在庫がなくなり次第、販売を終える。iモードは一世を風靡したが、スマートフォン(スマホ)の普及に押されて利用者が最盛期の3分の1に減っていた。今後のガラケーはスマホ向けのネット接続サービス「spモード」に対応した機種に統一する。

 iモードのサービス提供は続ける。高齢者向けの「らくらくホン」や法人向けの一部機種はiモード搭載機の出荷を当面は維持する。

 iモードはドコモが1999年に始めた。携帯電話で銀行の振り込みや飛行機の座席予約など様々なサービスを手軽に使える利便性が受け、2010年3月には契約者が4899万に達した。

 しかしスマホの普及でここ数年は利用者が減少。9月末時点で1742万契約に減っていた。

この記事を「正しく読んだ」人は、ガラケーのうちiモードを使ったものがなくなるということが理解できるのだろうが、「iモード」がガラケーのあだ名であるという理解もあり得るということを想定していない。またガラケーはスマホの対立概念だと考える人も多いのはずなのだが「ガラケーはスマホ向けの」という記述が出てきた時点でわけが分からなくなる。らくらくフォンが継続するというのは結局iモード対応機種はなくなりませんよという意味なのだが補足情報になっているので関係性がよくわからない。
わけのわからない情報はスルーされる。
多分、NTTの広報は「スマホだけになる」という印象をつけたかったがクレームも怖いのでいろいろ補足情報を入れたのだろう。それを忖度した日経の記者もその筋で記事を書いたものと思われる。そのためiモードは時代遅れというニュアンスを含んだものになっている。だが、実際にはiモード対応機種はなくならないので、単なる印象操作にすぎないのだ。
混乱の原因はドコモの広報が、業務上のお知らせをプロパガンダに利用しようとしたことに起因しているらしい。かといってスマホしにろとも言い切れないので、結果的にわけのわからないことになったのだろう。
オペレータと話をして思ったのは、ドコモはしばらくiモードを止められないだろうなあということだった。らくらくフォンは障害者対策という意味合いがあるようで、これをなくすと困る人が出てきそうだからだ。そもそも、ガラケーユーザーは情報にさほど関心がないわけで、このような広報の職人芸的なニュアンスが理解できるとも思えない。多分、iモードがなくなるとか安い通話サービスい対応する電話がないと聞いたときにはじめて騒ぎだすのではないだろうか。