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青山繁晴氏が自民党大阪府連の会長に就任 成功の鍵はネット世論の後押し

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参議院比例選出の青山繁晴氏が自民党大阪府連の会長に就任した。青山氏は特に大阪とは関係がないようだが「賢い」選択なのではないかと思う。ただし懸念点もある。青山氏を招聘した地方議員たちが青山氏の抵抗勢力になりかねない。

青山氏による自民党大阪府連の改革が成功するためにはネット世論の後押しが必要となるだろう。

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第一に「外からの人が入ってくると現職の立場がないのでは?」と考えた。記事には言及があるが衆議院議員は比例復活が1名だけという状態になっており、そもそも代表になれる有資格者がいないという状態だったようだ。実際に選挙結果を見るとそのボロ負け具合がよく分かる。

前回、日経新聞のSNS調査をご紹介した。兵庫県知事選挙のSNS動向を調査した内容だ。外からつい「保守」と一括りにしてしまうが、実際にはネットリテラシがある「保守」とレイトマジョリティ〜ラガード化した「遅れた保守」に分化しているようである。自民党保守は陰謀論・反ワクとも重なりがあることから特に関西では情報集収が苦手な人たちが自民党を支援し続けている可能性があるいと言えるだろう。

青山繁晴氏はネットでのプレゼンスが高く広く情報を取ったうえで多角的に判断する新しい保守層への浸透も期待できる。ただし懸念点が2つある。

第一の懸念点は青山繁晴氏が「どちらの保守層」を吸引するかだ。情報の取捨選択に疎い「遅れた保守」を惹き付けても状況が悪化するだけである。

第二の懸念点は青山繁晴氏が提唱する新しい価値観にそもそも自民党の地方議員たちがついて来ることができるかだ。

兵庫県では西村康稔氏が斎藤元彦氏を支援していたが井戸県知事に近い自民党の人達とは必ずしも意見が合わなかったようだ。西村康稔氏は国会議員の視点から地方議員たちと世論の間にズレがあると気がついていたのかもしれない。

奈良県では高市早苗氏が平木省氏を支援したが、奈良県の自民党県議団の中には荒井氏を支援した人達が多かった。

結果的に兵庫県では斎藤元彦知事は「維新系」という印象となり兵庫自民党は「反斎藤化」してゆく。奈良県は分裂選挙の末に維新の推す山下氏の当選を許す結果になった。現在自民党系の議員たちは決算を認めないなどの対抗措置を取り山下氏との間に緊張関係がある。

そもそも青山氏の支持層がどのような人たちなのかに疑念がある上に、青山氏を招聘した地方議員たちが抵抗勢力になりかねない。青山氏はネット世論を背景に潜在的な抵抗勢力と対峙することが求められることになる。つまりネット世論の質(遅れた人たちなのか進んだ人たちなのか)と量(そもそも熱量を持って青山氏を支援する人たちがどれくらいいるか)が改革の成否を分けることになるだろう。

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