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岸和田新市長は郵便局長さん 報道特集はなぜ間違い続けるのか

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大阪と兵庫の阪神圏の選挙が荒れているらしいと「報道特集」を見て知った。立花孝志さんの参加にも関わらず千葉県・千葉市の選挙は無風だったため「一体何が違うのだろうか?」と感じる。

きっかけはともあれTBSの「報道特集」が大阪と兵庫の阪神圏の不健全な政治風土に与えた影響は大きいのではないかと思う。

なぜ「報道特集はなぜ間違え続けるのか」を考えてみた。

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岸和田市で市長選挙が行われた。立花孝志さんの参加はなく(理由は報道されていないが暴漢に襲われたことが原因なのではないかと思う)議員たちが応援する政治家秘書経験がある郵便局長さんが選ばれたそうだ。結果的に「与野党相乗り型」で「みんな仲良く利権を分配しましょう」という構造に回帰しつつあることがわかる。そして必要以上に選挙が荒れなかったのはおそらく事前に暴力があったからだ。

万人闘争は凄まじかった。

選挙当日のXでは「永野氏を絶対に当選させるな」という投稿が溢れていた。厳密に言えば公職選挙法違反ではないかと感じ、さらに「目の前の勝ち負けに耽溺する人が多いのだな」と考え関連投稿をリツイートしているアカウントを軒並み削除した。

ここでTBSの報道特集を見て「大阪や兵庫の阪神圏でなぜ選挙がこれほど荒れるのか」と考えた。家電と繊維産業が崩壊したことが影響しているのかもしれないなどと思ったのだが一度万人闘争に発展すると容易には戦争状態が解消しない事がわかる。

その意味では報道特集は明らかに万人闘争の一部になっており状況を悪化させている。

報道を見て呆れた。

「暴力による言論封殺などあってはならない」とした後で延々と立花批判を繰り返している。また報道に誤りがあったと認めたが「選挙直前にも関わらず放送したのは公益に資するからである」と宣言していた。

受け手によってはこれをダブルスタンダード・開き直りだと考えるだろうが当事者はそうは思っておらず「正義の追求」と考えているのではないか。正義の集団防草ほど恐ろしいものはない。分断を加速するからだ。

この報道特集の「やむにやまれぬ動機」の原因はどこにあるのかと考えた。おそらく人間が持っている「自分たちの空間を清浄に保っていたい」という本能なのだろう。立花さんのように言論を使って敵対勢力を恫喝する人たちなどいてはならないのだから「政治の世界から追放しなければならない」と考えている。さらにオールドメディアと断罪されたことで生存の危機も感じている。

アメリカ合衆国の事例を見るとマスメディアのこうした正義言論は当事者たちの思惑を超えて「社会から忘れ去られていた」人たちの反感を買いやすい。結果的にメディアは信頼されなくなりトランプ大統領の当選につながっている。言論は無意味化し大規模なシステム破壊は今や世界経済を巻き込んだ崩壊を誘発している。

排除型の言論は状況を悪化させることはあっても状況を改善することはない。存在意義を否定された人たちが保身に走るからだ。万人闘争は人々の本能に訴えかけるがゆえに結果的に合理的な思考を奪い状況を悪化させるのだ。

おそらく無意識の排除欲求からくる一種の罪悪感が冒頭の言い訳めいた「暴力による言論封殺などあってはならない」というステートメントにつながっているのだろう。

安倍派を政治言論によって潰すことができなかったのは、安倍総理が「これまで顧みられてこなかった」人たちの心を掴んだからだった。しかしこれは結果的に安倍総理の暗殺という形で崩壊する。安倍総理が「見捨てられていた人たち」の支援を必要としていたのは派閥がこれまでの政治勢力からの十分な支援を得られなくなっていたからだ。これが政治家の困窮を生みパーティー券問題につながってゆく。選挙運動を政治資金のマネタイズに直結させたことが原因になっている。

結果的に「言論によっては何も変わらず暴力だけが問題を解決する」ということになってしまう。これは「報道特集」の意図する帰結ではないのだろうが結果的には彼らが望む結果つまり暴力による排除を引き寄せている。

人間が生存本能を持つのは仕方がないことである。

ここから離れるためには「人物」ではなく「課題」に集中する必要がある。実際にネットでは課題特化型の政治コンテンツも増えている。TBSの報道特集も「暴力と政治の無意味化」を避けたいのならばすぐさま解体されるべきだろう。

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