イタリアで極右政党が躍進、初の女性首相誕生へ

イタリアで極右政党イタリアの同胞(FDI)が躍進した。メローニ氏が新しい首相に任命されることになりそうだ。今回は既にさまざまな分析が出ているがこの記事で強調したい点は2つある。

  • イタリア国民の国政への関心は薄れている
  • 今回は左派が選挙対策に失敗した側面があり必ずしも右派が勝利したとは言えない

つまり、FDIの台頭の結果、国民全体の支持がない中道右派政権が誕生する可能性が高い。だがいずれにせよイタリアの政治状況はヨーロッパの足並みを乱すのみならず対ロシア政策を通じて西側諸国の結束に大きなダメージを与える可能性が出てきた。さらに「お騒がせ発言」で知られるベルルスコーニ氏が政界の中枢に戻ってくる。

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日銀・財務省はアクセルとブレーキを同時に踏む状態に

先日日銀が24年ぶりの為替介入をした。その場は収まり日本円が急落することはなかったため「やらないよりはよかった」という状態になっている。イギリスではポンドが急落していることから見てもわかるように他人事ではなかった可能性もある。ところが識者たちの声を聞くとこれは「ブレーキとアクセルを同時に踏む」ようなもので長続きしないだろうという。「籠城」に例える人もいる。結局今これを書いている時点でのレートは144円台後半である。

今私たちはどこにいるのか。わからないなりにロイターの記事を中心にいくつか読んでみた。

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アメリカで広がる静かな退職(Quiet Quitting)と静かな雇い止め(Quiet Layoff)の微妙な関係

アメリカを中心に新型コロナの流行をきっかけにワークライフバランスを見直す動きが出ている。これまで生活を支えるためにより良い生活を目指すために働いてきたアメリカ人たちが「もうこれ以上頑張らなくてもいいのではないか」と思い始めているようだ。

職場環境が急激に変化したことで「企業の無制限の貢献をしよう」と考える人が減っており企業も対応を迫られているとビジネスインサイダーは説く。これを静かな退職(Quiet Quitting)と読んでいる。オーストラリアのElleは若者向けに静かな退職が新しい生き方なのだと説明する。

一方でトップ企業は優秀な従業員だけを選別するために静かな雇い止め(Quiet Layoff)という手法を編み出したと指摘する人たちもいる。「イタチごっこ」のような状態になっていることがわかる。

確かにQuiet Quitting、Quiet Layoffという言葉は単なる「バズワード」でもあるがアメリカの空気をよく表している。背景にあるのはやはりコロナ禍による環境の変化のようだ。

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トルドー首相に国葬参列を断念させるほどのハリケーン・フィオナはどんな嵐だったのか?

トルドー首相がハリケーンから変わった温帯低気圧被害の対応を優先し安倍元総理の国葬参列を断念した。これでG7の首脳は誰も日本を訪れないことになる。この温帯低気圧はただの温帯低気圧ではなかった。プエルトリコに甚大な被害をもたらしたハリケーン・フィオナが温帯低気圧に変わったものだったのだ。トルドー首相の来日断念は妥当な判断だろう。

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米国債への依存を減らそうと試みる中国

9月の末に入って駆け込みで色々な動きが起きている。織り込み済みと思われたFOMCをきっかけに株価が下がっている。日本は金融政策の持続を決めたため金利差の拡大が固定され円安を防ぐための防衛が行われた。そしてイギリスは目の前の経済危機を凌ぐため財政出動を決め「ショック」が起きている。これが数日のうちに起きたのだ。一方で静かに「準備」を進める国もある。それが中国だ。アメリカ国債の保有を徐々に減らしている。中国にとっては「代わりさえ見つかれば」米国債を処分しやすい状況が作られつつある。

すると最大の米国債保有国は日本ということになるだろう。

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今度は「トラス・ショック」でイギリスポンド安

今週は投資家にとって忙しい一週間だった。まずFOMCで利上げが発表された。直後は株価も円相場も動かなかった。次に日本国債の取引が成立しなくなり、さらに日銀が金融政策を据え置いたことで円安傾向が出た。これを防衛するため財務省が24年ぶりの為替介入を行った。実弾は限られている上アメリカの支援は得られないことから「いつまで戦線が持つのか」という状態になっている。またFOMCの結果が投資家に伝わるにつれてニューヨークの株価も落ちている。

ただ連休に入ったため「もうこれで今週はひと段落だろう」と思った。Twitterでは「イギリスが怪しい」という声が出始めていたが「それはまた来週まとめて研究しよう」と思ったのだが、ポンドが下落したそうだ。日経新聞も「下落」を伝えている。

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尹錫悦大統領のバイデン大統領に対する暴言は厳密には何だったのか?

尹錫悦大統領が「この野郎ども」と発言したというニュースがあった。背景がよくわからないが興味深かったので調べてみた。調べてみるとTBSの翻訳は割と優秀だがAFPは少し外れた翻訳をしていることがわかる。

  • TBS:あいつらがバイデン大統領の提案を通さなければどうなるんだ?
  • AFP:こいつらが議会で可決しなかったら、バイデンのクソメンツは丸つぶれだな

また暴言の背後には韓国のアメリカに対する過度な期待とバイデン大統領の外交下手という問題も含まれている。岸田総理大臣は長く外務大臣をやっていたためアメリカの雑さをうまく織り込んで処理したようだが、外交デビューの尹錫悦大統領にはそれができなかった。

いずれににせよ「単なる暴言」として嗤うにはもったいない素材だ。

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政府・日銀の円買い介入は一旦は成功。今後は「二正面作戦」をどこまで持ち堪えることができるかが焦点に。

日銀が円買い介入をした。既に数時間前の出来事なので為替に詳しい人は大体のことはわかっているだろうと思うのだが「情報をおさらいしたい」という方に若干経緯だけを説明したい。形的には「防衛成功」ということになっているが、ロイターによるとエコノミストの見方は懐疑的なようだ。これも最後に触れてみたい。

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「戦争に行きたくない人はドイツにいらっしゃい」とドイツ政府がロシア人に呼びかけ

ロシアを脱出する航空チケットの値段が高騰しているそうだ。そんな中、ドイツがロシアからの脱走者を受け入れると表明した。正確にはプーチン政権下のロシアからの脱出者を受け入れるという。AFPが「ドイツ、ロシア脱出者の受け入れ表明」と伝えている。いきなりこんな出だしで書くと混乱する人がいそうだ。「既にだいたいのことは知っているよ」という人もいるかもしれないのだが、これまでの流れを簡単におさらいしておこう。

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グテーレス事務総長の思い切った「化石燃料棚ぼた課税」提案は分断の雰囲気の中でかき消された

グテーレス事務総長が「国際社会の分断を訴えた」というニュースをNHKが出している。確かに国際社会は分断されていて国連は機能不全に陥っているなあとは思うのだが記事はそこで終わっている。NHKはこの後の首脳演説のまとめでも安全保障上の分断を強調した記事を出した。この裏でグテーレス事務局長が思い切った提案をいくつかしているのだが、それらはすっかり忘れ去られてしまった格好になっている。

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