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イスラエルのUNIFILへの発砲に広がる反発

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イスラエルが在レバノンの国連軍であるUNIFILに発砲し国際的反発が広がっている。ネタニヤフ首相は国連レバノン軍に「出てゆけ」と要求しているそうだ。

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イスラエルはおそらく自国防衛のために周辺に緩衝地帯を作ろうとしている。このためには国連の支援は邪魔な存在である。ガザ地区ではUNRWAに敵対的な態度を取っていたがイスラエルではUNIFILに撤退を要求している。レバノン北部でも空爆が行われ3名目の負傷者が出た。また戦車拠点にも侵入されたそうである。

彼らの手法は直前に非難通告をしたうえで攻撃を加えて軽微な人的被害を出すというものだった。すでに3人の負傷者が出ている。

フランスはすでにイスラエルに武器を輸出するなと主張していた。今回の攻撃でスペインのサンチェス首相がキャンペーンに加わった。共同声明でイスラエルを批判した国は参加50カ国中40カ国だったそうだ。スペイン・フランス・イタリアはすでに共同で声明を発表していたが、今回は、インドネシア、イタリア、インド、ガーナ、ネパール、マレーシア、スペイン、フランス、中国が加わっている。

フランス、イタリア、スペインが「武器を送るな」と主張する一方で、武器を送り続けている国もある。アメリカ合衆国が最も大きなスポンサーだがドイツも武器を送っているという。つまりEUは武器支援国とそうでない国に分かれていることになる。ヨーロッパのメディアは懸念を強めている。

また今回の事例とは直接関係がないがEUとハンガリーの間にはロシアに対する距離を巡って口論が起きている。オルバン首相はロシアのウクライナ侵攻を肯定し「今の状態で停戦を」と呼びかけている。新しいアメリカの大統領になる可能性のあるトランプ氏もこの働きかけに同調しかねない。

石破茂総理大臣は「独裁国家」と「アメリカ」を対置した世界観を持っている。この認識で日米同盟や地位協定の見直しをアメリカに働きかけたいという認識だ。だが実際にはトランプ氏大統領になればが石破氏の言う「核を持った独裁者」と結びつきかねないという状況になっている。

「真の愛国主義者」御用達の産経新聞でさえ「トランプ氏、大統領退任後もプーチン氏と親密 米名物記者が近く新著で暴露」と書いている。日本人は見て見ぬふりをしたいだろがこれがリアリティである。

首相はオブザーバー参加について「公明党の提案もある。等閑視するつもりはない」と強調。ただ、「日本の周りは核保有国、専制独裁国家だらけだ。米国の核抑止に頼りながら、片方で禁止しますというのをどう両立させるかだ」と述べ、議論を整理する必要があるとの認識を示した。

石破首相、オブザーバー参加「真剣に検討」 核禁条約、公明・野党は決断要求【24衆院選】

日本の総選挙ではアメリカと国連を中心とした国際安全保障環境が変わらない前提で議論が続いているが、世界情勢は大きく変わりつつある。だが中東の情勢1つとっても日本語では断片的な状況しか伝わってこない。

アメリカ大統領選挙を前にしてバイデン政権はイスラエルに対して抑止の立場を取っているものと見られる。

ただしアメリカのメディア(時事通信がNYTの記事を引用している)では「イスラエルがどのようにイランを攻撃するか」について憶測が出ているそうだ。「アメリカ合衆国は何も知らされていないが」と前置きをされており、有事の際にイランの怒りの矛先がアメリカ合衆国に向かうことを恐れていることがうかがえる。イランは中東諸国に外交攻勢をかけバーレンやカタールなどがアメリカ合衆国に対して石油施設の攻撃に対する懸念を伝えているという。

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