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「ホンモノ」は目が据わっている ネタニヤフ首相が暴走

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ネタニヤフ首相が暴走している。連日この暴走ぶりを見ていて「ホンモノ」は目が据わっているなあと感じた。この「ホンモノ」ぶりにはプーチン大統領の暴走と似ている。

トランプ氏は大衆を煽り自分への支持を呼びかけているが、彼ら「ホンモノ」と比較するとまだまだだなあと感じてしまう。トランプ氏は常に周囲からの承認を必要としており「ホンモノ」の境地には到達していない。

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ワシントン・ポストが「イスラエルは石油施設は攻撃しない」と報道した。この報道はREUTERSでも引用されていて原油価格が5%も下落したそうだ。

アメリカの株を持っている人や民主党のハリス氏を支援している人などは「ああ良かった」と思うのではないか。

ところが冷静に考えてみるとこれはどこかおかしい。

本来は

  • 攻撃するか・しないかが議論になるはずが
  • 石油関連施設を攻撃するか・しないかという議論にすり替わっている

わけだ。

つまり「アメリカはイスラエルの攻撃を承認した」ということになってしまっている。

さらにイスラエルがやっていることはもう無茶苦茶だ。レバノンに駐留する国連軍に部隊を突入させたあとで「意図的に攻撃したなどというのは言いがかりである」などと言っている。では間違いを謝罪するのかといえばそうではない。国連軍は出てゆけと主張する。

ネタニヤフ首相のビデオメッセージは実に冷静なもので国民を扇動する様なトーンは感じられない。そしていちおう論理的にも筋は通っている。だが中身を冷静に聞くと「国連はテロを生み出しているから地域から撤退すべきだ」という趣旨の発言を繰り返しておりとても正気とは思えない。

こうした一貫性がない発言と行動を見ると我々のほうが「おかしいのは自分なのではないか」と感じてしまう。

これはプーチン大統領にも言えることだ。プーチン氏は「地上にウクライナなどという国家も民族もなくそれは西側のでっちあげである」と言い続けていた。しかしそのトーンは国民を煽り立てるようなものではなく極めて冷静だ。バイデン大統領がプーチン大統領を非難していたときには「なぜロシア人はこんなプロパガンダを信じてしまうのだろうか?」と思った人も多かっただろうが、実際には堂々と自説を述べられると「本当にそうなのかも知れない」と感じてしまうものなのだろう。

トランプ氏は「国境の南から狂った移民がやってきてアメリカを破壊する」とか「実は本当の敵はアメリカ市民の中に潜んでいる」などと言っている。だがその意思は脆弱なもので常に大衆の称賛を必要としている。だからトランプ氏は聴衆のいない討論会を好まない。特に司会者がファクトチェックを行うような討論会はすべて拒否する構えである。

一方のプーチン大統領やネタニヤフ首相は「ホンモノ」の境地に達している。人々の喝采や承認は必要としておらず、自説を繰り返し述べ行動することで「これこそが正解になる」と信じているようだ。そして我々の理性は意外とこうした行動に対抗できない。家庭内暴力の被害者が「自分は服従するしかないのだ」と納得してしまうのに似ている。

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