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自公過半数の見込みが後退 情勢調査第二弾は与党に厳しい展開に

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衆議院議員選挙の第二弾の情勢調査が発表された。朝日新聞によると自民党単独過半数割れの公算が高まったというのは第一弾と変わりがないが自公過半数が厳しい情勢という変化があった。共同通信の第二回情勢調査でも与党の支持がやや後退している。決めかねていた人たちの一部が野党支持に回った。

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第一弾の情勢調査は共同通信と読売新聞・毎日新聞から出されており、自民党単独過半数は厳しいが自公合わせて過半数を維持する見込みになっていた。しかし朝日新聞の調査では「自民党、公明党の与党は過半数(233議席)を維持できるか微妙な情勢」となっており表現が後退している。

なぜこんな事になったのか。共同通信に記述があった。共同通信はサンプル数が少ない調査だが第一回・第二回と情勢調査を継続している。迷っていた人の一部が野党支持に転じた。

12、13両日実施の第1回調査では、小選挙区での投票先を聞く設問に「まだ決めていない」46.6%、与党系候補28.5%、野党系22.9%の順だった。ただ第2回調査では、投票先未定が5.6ポイント減少する一方、野党系が10.3ポイント増えて33.2%となり、24.6%の与党系を逆転した。

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そもそも有権者は自民党には懲罰が必要だが野党にも政権を取らせたくないと考えている。

共同通信社の第2回衆院選トレンド調査で、望ましい選挙結果は「与党と野党の勢力が伯仲する」が49.7%で最も多く、「与党と野党が逆転する」との回答は前回12、13両日の調査より5.4ポイント増え、20.5%となった。「与党が野党を上回る」は24.8%だった。

「与野党伯仲」、半数が望む 衆院選結果、「逆転」が増加

このため与野党の支持は僅差になっており少しの票が動いただけで結果が大きく変わってしまう。

第一回と第二回の間に有権者が何を感じたのかは不明だが「現状を維持したいが与党を支援する材料が見当たらない」ということになったのではないかと思う。決めかねていた人たちが野党を選択したことで「野党やや有利」の状況が生まれたようだ。

つまり、選挙戦でどちらかの陣営の主張がアピールしたわけではなく「どちらも届いていない」可能性がある。だがこれは結果的に「統一教会と裏金問題」で岸田政権が支持を失った流れを引き継ぐこととなり結果的に石破自公政権に逆風になっている。

石破政権は早くも支持・不支持が拮抗することになった。まだ何もしていないのに(あるいは何もしていないからこそ)支持も不支持も40%という厳しい結果になった。

気が早い向きは「石破政権が負けたあとの高市派のリベンジ」に期待するかも知れない。だがおそらくは自民党の中だけの動きでは収まらないだろう。森山幹事長は「選挙情勢次第では連立与党拡大の準備がある」との見通しを示した。森山氏の後ろ盾となっている山崎拓氏も「自民党が負けた場合には政界再編だろう」と主張している。

おそらく中には「選挙に参加して一生懸命に考えるのはコスパが悪い」と考える人もいるだろう。選挙には参加せずに結果を見てうまく立ち回るのが良いという日和見的な姿勢である。

だが、実際には政権の側も似たような事を考えている。

つまり選挙の結果が不利ならば状況を変えてしまえば良いと考える人がいるのである。だが民意は「今の与野党体制」が続く前提で投票先を悩みに悩んでいるのだ。この森山氏の発言は結果的に「選挙など何も意味がない」と言っているに等しい。

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