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「いつでもやれるんだぞ」 ネタニヤフ首相の私邸がドローン攻撃を受ける

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ネタニヤフ首相の私邸がドローン攻撃を受けた。日本語では記事が少ないので例によって英語の記事をいくつか読んだ。海辺の高級住宅街にある別邸が狙われたそうだがネタニヤフ首相は無事だった。

イスラエル北部に広くミサイル攻撃を行い状況を混乱させたうえでドローン3機を忍び込ませたようだ。そのうち1機が到達しドローン攻撃を行った。イスラエルでは警報が作動しなかったことで動揺が広がっている。

ハマス(ガザ)は新しいリーダーをガザの外で選出する。イスラエルはヒズボラ攻撃の一環としてベイルートの北部にあるキリスト教地域にも攻撃を加えている。

これとは別にマクロン大統領の発言がフランス国内外に波紋を広げている。イスラエルは国連のお陰でできたという主張に対する反発が広がっているようだ。

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ネタニヤフ首相の私邸のあるカイサリアは「カエサル(シーザーの)」という意味。北部の港湾都市ハイファとテルアビブの間にある。アルジャジーラによるとヒズボラは北部のハイファなどにミサイルを撃ち込み「囮」とした。北部では警報が鳴り響き少なくとも1名が亡くなっているという。

The Time of Israelによるとカイサリアはローマ時代の遺跡も残る風光明媚な土地で現在は高級住宅街になっているという。周辺の沿岸部では警報も鳴ったようだがカイサリアでは鳴らなかった。故障とされているようだ。ネタニヤフ首相は太陽を浴びながらリラックスした様子で「テロには屈しない」との声明を出した。

自分は安全な場所でくつろぐ一方でガザやレバノンの人々は逃げ回っている。シンワル氏は惨めな最後を遂げその映像が世界各国に配信された。この対比を見せつけることで「自分たちが優位にいる」ことを強調しようとしているように見える。だがミサイルで飽和攻撃を起こした隙にドローンが侵入しなおかつ警報が鳴らなかったことも事実である。安全地帯にいるはずのカイサリアの人たちが何を感じたのかは想像するのが難しくない。

ハマスはリーダーを殺されたが後継者はガザには置かないようである。ガザのハマスが壊滅状態にあると考えることもできるしまともな交渉相手が残らないだろうと想像するのも容易である。新しいリーダーはイランとカタールの承認が必要とのことでシンワル氏の弟になるとされている。

ネタニヤフ首相は最終目的をイランの解放としているためイランも引くに引けなくなっている。

ハメネイ師は、イスラエルに対する「抵抗戦線にとって、彼の死は確かに痛手だ」としながらも、「だが、シンワル氏の殉教で(抵抗戦線の)前進は終わらない」と表明。

シンワル氏死後もハマスは「存続」 イラン最高指導者

アメリカのリベラル系メディアは「バイデン氏は慎重ながらも楽観的な見通しを示している」と報道している。ハマスが壊滅状態になれば抵抗できなくなり降伏するだろうという見通しがあるものと考えられる。だが実際にはイランは強硬姿勢でありこの戦争が終わる兆しは見えない。

アクシオスはイスラエルの情報がアメリカ経由でイランに漏れたと伝えている。アクシオスはイスラエルの意向に沿った情報を流す傾向が強くその真意については注意深く考察する必要があるが、依然重要な情報源であることは間違いがない。バラク・ラビド記者は行間(つまり独自分析)でわざわざ次のように付け加えている。つまりアメリカが深くイスラエル攻撃に関与していると(裏を取れないながらもとしながら)強調しているのだ。

Between the lines: The report, if accurate, would suggest very close and detailed surveillance by U.S. intelligence of Israel’s preparations for an attack on Iran, including the use of satellites to spy on operations carried out at Israeli Air Force bases.

Pro-Iranian account leaks alleged U.S. intel on Israel’s attack plans

バイデン政権はイスラエルのイラン攻撃やレバノン攻撃に関しては「イスラエルが勝手にやった」「自分たちは知らなかった」と主張する傾向が強いが、ラビド記者の「行間分析」はそれを否定しているということだ。

懸念されていた地域全面戦争は行われていないが小規模な戦争と情報戦が繰り広げられており神経質な展開になっている。

なお場外乱闘的にマクロン大統領がフランスの内外で批判されているそうだ。マクロン氏は非公開の会議で「イスラエルは国連のおかげで作られた」と発言しこれが匿名の関係者にリークされた。

親ユダヤ系の人たちは「イスラエルはユダヤ系の建国運動で勝ち取ったものである」としていてマクロン氏の発言を歴史歪曲だと批判している。

マクロン氏はリークにも腹を立てているようだが、ジャーナリストたちは「どこから情報を取って何を批判するかは自分たちで決める」と主張しているとされる。

民間人が多数なくなり閉じ込められたガザの人たちも殉教を覚悟してるとされるが、その外側では不毛なやり取りも交わされているということになる。

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