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国際政治音痴の岸田政権が「北朝鮮に接近」報道

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日本の当局が北朝鮮に接近したと中央日報が伝えているという。日本では各紙が中央日報を引用報道している。この件を問われた林官房長官は報道を否定も肯定もしなかった。だが、ロシアが「新しいチェス」を始めているため交渉がうまくゆかないことはわかっていた。

ロシアはキューバとベネズエラに接近している。北朝鮮もこのチェス盤に入っており日本が付け入る隙がない。

世界情勢の変化が全く読み取れない「外交音痴」の岸田氏は長年外務大臣を務めていた。国益を大きく損ねることがなかったのは不幸中の幸いだったと言える。

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日本が5月にウランバートルで北朝鮮に接近したようだ。中央日報が消息筋の話として伝えたと各紙が引用報道している。この件について問われた林芳正官房長官は否定も肯定もしなかった。

支持率回復の打開策が見つからない岸田総理の焦りが背景にあるものと思われるが、この動きは国際情勢の変化を無視している。プーチン氏が再び北朝鮮を訪れるのではないかと聯合ニュースが伝えロイターが引用報道している。北朝鮮はロシアに依存していればよく日本に依存する理由はない。

ウクライナの戦争をめぐりロシアはアメリカなど西側諸国に包囲されている。ロシア・ウクライナ国境付近に限ってはアメリカ製の武器使用も解禁された。

当初小規模な核兵器使用の可能性も取り沙汰されていたがロシアは戦略を変えた。囲い込まれているなら囲い込み返せばいいのだ。メイド・イン・アメリカの武器がロシアを狙うなら世界各国でメイド・イン・ロシアの兵器がアメリカを狙うようになるだろうというわけだ。

手始めにロシアはキューバに戦艦と原子力潜水艦を差し向け「友好の証」として共同軍事訓練をやっている。すわキューバ危機再来となればアメリカ国内が動揺する可能性がありトランプ政権誕生に有利に働くだろう。

ロシアの艦隊はその後ベネズエラに向かう予定になっている。反米左派のベネズエラの隣国ガイアナにあるエセキボ地区沖で2015年に海底油田が発見された。ベネズエラはエセキボの領有権を主張し「州」を設定している。APによるとベネズエラは7月に大統領選を控えている。「国際的な危機の前に国民が団結しなければならない」と政治利用される可能性がある。バイデン政権下で紛争が起こればアメリカはガイアナの側に立って「力による現状変更」に対応することになろう。

体制維持のためにアメリカの存在を疎ましく思っている国は多い。ロシアはこうした国に接近し逆にアメリカを囲い込んでやろうと考えているのかもしれない。新たなチェスゲームが始まっており日本も「今そこにある危機」への対応を迫られている。

小泉政権の時代の北朝鮮はロシアとの仲が険悪となり中国の支援も期待できなかった。このため日本に期待し見返りとして数名の拉致被害者を解放した経緯がある。この時に安倍晋三氏は小泉純一郎総理に作られた政治的ヒーローとなった。

岸田総理は憲法改正や北朝鮮拉致被害者の解放など安倍総理のレガシーを引き継ぎたいと言う思いがあるのだろう。安倍晋三氏は小泉純一郎氏に作られたヒーローだが古賀誠氏は林芳正氏を宏池会の次期プリンスと考えていた。岸田総理にはこうした引き立てがなく常に自分で自分を演出しなければならない。だが、国際情勢は大きく変わっており岸田総理の個人的な心情など斟酌してくれない。

岸田総理が長い間外務大臣の地位にあったことを考えると、ヒーロー願望が強い岸田氏が国益を大きく損ねることがなかったのは不幸中の幸いと言えるかもしれない。当時の外交は安倍総理が指導し外務省の優秀な官僚たちが支えていた。だが、今は岸田総理を抑える人はいない。レームダック化が進む岸田政権で大きな間違いが起きないことを願うばかりである。

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