Quoraでは不定期に「今日のトランプさん」というような記事を出している。トランプ大統領がSNSで王冠を被っている写真が出回っている。トゥルース・ソーシャルの投稿だと思ったのだがホワイトハウスの投稿だったそうだ。Long Live the Kingというキャプションがついている。一方で支持率は低下し不支持が支持を上回ったという報道もある。
時事通信が2つの記事を出している。
時事通信は「自らを王様にたとえ」としているが厳密にはホワイトハウスの投稿なので周りのスタッフがボスを喜ばせようとしたのではないかとも感じる。周りにイエスマンしかいなくなっており冷静な判断ができなくなっているのではないか。
トランプ氏は国際情勢のブリーフィングをギャバート情報長官から受けているがこの人はシリアのアサド前大統領やプーチン大統領に共感しているということが知られている。結果的にトランプ大統領の発言は陰謀論に彩られたものとなっている。
日本ではトランプ大統領に期待する人が多い。この人たちの立場を慮るならば「経済大統領」としてアメリカの国益に沿った動きをしようとしていると考えることはできる。ロシアとサウジアラビアを中国から切り離すことでアメリカの優位性を高めようとしているという見方もできるからだ。
しかしながら、トランプ氏の一連の発言はロシアが繰り返してきた反ウクライナのプロパガンダに染まっており、これが結果的にトランプ大統領の支持率を下げている。
トランプ大統領はマスク氏の豊富な資金力を背景に上院を抑え込むことにも成功しているようだ。トランプ大統領に逆らう上院議員は「刺客」を送り込まれる可能性がある。豊富な資金力にモノを言わせた情報戦になると太刀打ち出来ないという議員は多い。上院議員たちは「プーチン寄り」とも見られたくないがかといってトランプ大統領にも逆らえないという微妙な立場に追い込まれている。
また生まれながらの策謀家であるプーチン大統領にとって政治シロウトのトランプ大統領は極めて操りやすい相手である。世界のエネルギー市場はアメリカ・ロシア・サウジアラビアが支配するという見通しを披瀝したうえで「ドナルドに会いたい」とファーストネームで秋波を送っている。
さらにトランプ大統領は部下にも恵まれていない。ケロッグ特使はゼレンスキー大統領と面会したが共同記者会見を拒絶したそうだ。一体何をしに行ったのだろうという気がする。この人はラブロフ外務大臣を代弁しヨーロッパを怒らせるだけで終わってしまった。
ヘグセス国防長官は防衛費の大幅削減を打ち出した。ところがCNNとBloombergで報道が違っている。和訳の間違いという可能性はあるが「メモ」が元ネタになっておりそもそもの意図が曖昧なのだろう。CNNの表現だと「複利」で減ってゆくのだから5年後には大きく防衛費が落ち込むことになる。防衛関連の株価は大きく反応したとも伝わる。
メモは、年間約8500億ドル(約127兆7450億円)の国防予算を今後5年間、年8%ずつ削減する計画を、24日までに提案するよう求める内容。国境警備は削減の対象から外れる。
ヘグセス長官、国防費大幅カットの計画策定を指示 年8%ずつ5年間(CNN)
ヘグセス米国防長官が米軍に送付した18日付のメモによると、米国の軍事支出を今後5年間で8%削減する計画だが、南西部の国境警備や空軍の最新ドローン(無人機)プログラム、核兵器の近代化などは対象外という
米軍事支出8%削減へ、国境警備・ドローン・核は例外-国防長官(Bloomberg)
混乱したウクライナ協議を「元の鞘」に収めようとしているのがルビオ国務長官とマクロン大統領だ。来週マクロン大統領とスターマー首相がホワイトハウスを訪問するようだが「お土産」は欧州が主導する平和維持軍になりそうだ。東部に派兵しないとされている。額面通りに受け止めればウクライナにドンバスを諦めさせてロシアとEUの勢力圏の間に緩衝地帯を置く提案となる。
当局者によると、計画の詳細はなお検討中だが、ウクライナの主要都市と港湾、国家の重要インフラに配備する3万人弱の部隊が必要になる可能性が高い。侵攻するロシア軍との戦闘が最も激しいウクライナ東部には派遣されないという。
英仏、ウクライナに欧州主導「平和維持部隊」の派遣計画-停戦合意後(Bloomberg)
ドイツは総選挙後に政権交代の可能性があり今回の提案には参加しないようだ。経済見通しにはやや明るさが戻ったという報道もあるため「これは現政権にプラスに働くのでは」と感じた。しかし景気は持ち直しておらず「政権交代が行われれば経済は良くなるだろう」と考えている人が多いという報道内容だった。
ウィトコフ中東特使はガザ問題で「丁寧な説明」を試みているがおそらくこの発言を信じる人は多くないだろう。ただ少なくともウィトコフ氏はアラブ側の懸念が十分理解できているようだ。ルビオ国務長官もガザ計画へのUAEの投資獲得に失敗している。