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習近平・トランプ会談

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中国の習近平国家主席とトランプ次期大統領が電話会談を行った。

帝国主義的な野心を持つトランプ次期大統領は習近平国家主席を称えてみせたそうだ。しかし経済的にはデカップリングの方向に進みそうである。中国も表向きは貿易の継続を望んでいるがデカップリングに向けた準備を始めている。

安全保障面では東アジアでの有事の可能性は増すだろう。

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習近平国家主席とトランプ次期大統領が電話会談を行った。トランプ氏は習近平国家主席を称えてみせたそうだ。しかし中国に対する関税も仄めかしている。習近平国家主席はアメリカ市場さえ諦めれば「自分たちの縄張り」では好きに行動できる機会となる。あとは台湾を巡りトランプ政権がどんな態度を取るかだろう。仮にトランプ次期大統領が台湾に関与しないと示せば「台湾有事のゴーサイン」ということになりそうだ。

習近平国家主席は表向きには貿易の維持を望んでいる。しかしながら国内では国内企業の支援策も打ち出しており「アメリカなしでもやって行ける」体制を整え始めている。

報道によると通商問題を巡って習主席は、米中経済貿易関係の本質は相互利益とウィンウィンであり、対立や衝突は選択にはないと発言。両国に共通する重要な問題について、戦略的なコミュニケーションチャネルを確立し、定期的に協議を継続することで合意したという。台湾問題については、中国の国家主権と領土保全に関わる問題であるとして、慎重な対処を求めた。

トランプ氏、習主席と電話会談 通商・TikTok・台湾が議題(REUTERS)

なお習近平国家主席はトランプ氏の就任式には参加せず代わりに副主席を送り込む。時事通信は「異例の対応」としている。

ただしトランプ次期大統領の表現がそのまま次の政権の方針になるかはよくわかっていない。次期閣僚の承認プロセスが進んでいるが国務長官候補のルビオ氏は次のように発言している。トランプ氏とルビオ氏はいずれ意見が分かれる可能性がある。ニクソン大統領のマッドマンセオリー(狂人理論)を支えたのは実務家のキッシンジャー氏だったがルビオ氏は実務家ではなく政治家だ。

「我々は中国共産党を世界秩序に迎え入れたが、彼らはその恩恵を全て享受し、義務と責任を全て無視した。その代わりに、彼らは抑圧し、嘘をつき、だまし、ハッキングし、盗みを働いて世界の超大国の地位を手に入れた」

「中国は嘘をつき、だまし、盗みを働いて超大国になった」 ルビオ米国務長官候補の発言録(産経新聞)

ルビオ氏のこの発言は日本では「アメリカは引き続き自分たちの味方である」と解釈されている。しかしながらクリーブランド・クリフスのCEOの日本に対する発言にきわめて似ているとわかる。

アジア人に対する典型的なアメリカ人の共通認識なのだ。

ルビオ氏は要するに「アメリカは寛大にも中国を我々の世界に迎え入れた」としたうえで「であるからにはアメリカが作る秩序に服従しなければならない」と言っている。つまりアジアには「隷属する自由がある」と言っている。

アメリカ人のなかにはアジア人との対等な関係など望んでいないという人が多い。彼らは常に自分たちより半歩引いた関係を「対等」とみなしたがる。しかしその線を少しでも超えると「盗人」などを批判されてしまう。アジア人サイドから差別だが彼らにはそのような意識はないだろう。

今後の日本の保守の課題はこうした差別意識を「みないふりをする」ことになるだろう。ジョージ・オーウェル流に表現するならば二重思考の徹底が求められる。今後も保守は「戦争は平和・自由は隷従・無知は力」を毎日お題目のように唱えなければならない。ただ保守はうまくやり遂げるのではないだろうか。

マグニフィセント・セブンのCEOたちはトランプ次期大統領の就任式にこぞって参加するがエヌビディアのCEOは「旧正月で忙しいから」との理由を付けて就任式には出席しない。表向きは「これまで通りの自由な貿易」を望みつつも「どちらかを選ぶ」フェイズに入っているのかもしれない。

中国はすでに春運と呼ばれる帰省シーズンに入った。韓国も25日からソルラルの連休が始まる。無政府状態に陥りつつあるとされるが「正月休み」だけは別のようだ。政府は27日をお休みすることで正月休みを大型連休にしている。

旧正月の本番は29日とのこと。

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