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全てはアメリカ次第 1ドル160円台の円安はいつまで続くのか

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一ドル160円台の円安が続いている。当局が介入に消極的なところからこの水準がしばらく続くものとみられている。だが急激な円高が進行する可能性も指摘され始めた。急な変化は激しく揺り戻す可能性がある。

「全てはFRB次第」という報道もあるが例えばトランプ氏がFRBの独立性を疑問視する発言を行えばこれまでの円安トレンドが一転するか継続性に疑問符がつく可能性もある。またアメリカでは消費の過熱にも懸念が高まっている。

国内報道は報道機関としての機能を失っている。定期的に国際情勢をチェックしておくべきということになる。「戦争報道はみていて疲れる」などナイーブなことを言っている場合ではない。

ただこれまで報道に触れていなかった人が急に全ての状況を把握しようとしても混乱するだけだろう。今のうちに一つひとつ疑問を潰しておく方がいい。

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地上波テレビや大手新聞では「日米金利差が意識されている」と説明し続けている。円安は気象災害のような扱いで避けることは難しいとみなされているようだ。報道価値は0なので英語で情報を取るか日本語で読める経済情報などを積極的に見るべきだろう。当面は当局の介入による円の急騰に備える必要はあるものの全面的な円安基調だ。

今回のドル高はアメリカ経済の一人勝ちによるものである。つまり必ずしも日本が「悪い」というわけではない。

だが好調なはずのアメリカ経済には2つの懸念がある。過熱する消費と政治だ。

イギリス・ポンドは過去にトラスショックを経験し、今またフランスではルペン・バルデラショックの可能性が囁かれている。トランプ氏の政策はおそらくは彼がどのような経済専門家をブレーンに据えるかにかかっている。ニクソン政権のキッシンジャー氏のような独立した存在がスタッフに入れば良いが「二期目はイエスマンを揃えるのではないか」という懸念もある。11月のことを今から予想することはできないが、テレビ討論会でFRBの独立性についてどう言及するかに注目が集まる。この記事は国債について扱っているが、通貨・国債・株式は1セットとして語られることになるだろう。

他にも懸念はある。アメリカでは余剰貯蓄が底をついている。インフレが加速していることもあり「将来のために取っておくより今使った方が賢い」という気分から消費が過熱気味だった。中にはクレジットカードを使って積極的に買い物をする人やコロナ禍で消費が抑制された分を取り返そうと盛んに消費をする人がいる。また、アメリが合衆国では住宅も資産だ。中古住宅を購入しリフォームして売るというような財テクをしている人も多い。だが金利が高くなり中古住宅市場にもブレーキがかかっているようだ。

仮にアメリカの景気が急減速すると円高の動きが一気に加速する可能性があると指摘する人もいる。Bloombergではこの記事が注目を集めていた。33%の巻き戻しだ。

そうなるかどうかは、米国が大きな経済不安に見舞われ米連邦準備制度理事会(FRB)が需要喚起のために積極的な利下げをするかどうかにかかっている。

まとめると次のようになる。日本はこの円安に対して打つ手がない。世界経済はアメリカの一人勝ちだ。だがそのアメリカ経済の一人勝ちには2つのリスクがある。それが政治的リスクと過熱消費だ。つまり何らかの変化によって状況があっという間に巻き戻される可能性がある。少しずつでもいいから国際政治の情報に目を通して慣れておくことをおすすめする。

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