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神奈川県連が「俺たちをナメているのか」 自民党地方組織に広がる混乱

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自民党が政権末期の様相を呈している。日頃マスコミの動向を見ていると特に国民が政治と金の問題に関心を持っているとは思えない。このまま表紙(総理大臣)を変えればなんとかなるのではないかなどと感じる。だが、地方レベルではかなり混乱が広がっているようだ。神奈川県連の車座集会はかなり荒れたようだ。

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時事通信が「「県連をなめているのか」 自民車座で怒りの声」という短い記事を出している。短い記事だけに「一部を切り取ったのではないか」とも思える。そこで追加情報を調べてみた。

神奈川新聞がより具体的な内容を報道していた。起点になっているのは小田原市長選挙だ。自民党、日本維新の会、国民民主党が応援する現職が大差で元職に負けている。立憲民主党が入らなかったことで与野党対立にならずさほど注目を集めなかったが、自民党の地方議員にとっては自分達の利権に関わる深刻な問題だったのだろう。

そこで「政治と金の問題が原因に違いない」ということになったようである。

ただ、神奈川テレビの報道を見ると少し違った感想を持つ。女性の顔も見えるがほとんどが「おっさん」ばかりだ。そしてそのおっさんが「若手の育成をしろ」「党本部に授乳室を作れ」などと言っている。おそらく子育てに積極的に関わってこなかった人たちが多いと思われる。つまり当事者意識なく「無党派層はどうせ女や若者だろうから彼らにアピールできるようなことをやって自分達の利権を支えろ」と注文をつけている。

女性たちは子育てに専念できる地域環境整備、男性の子育てへの積極的な参画、子育てを経験してもキャリアの上で不利にならない処遇の改善などの数々の具体的な要求を出しているが、彼らは「党本部に授乳室くらい作れば黙って投票してくれるのではないか」くらいにしか考えていない可能性がある。

もう一つ語られていたのが「党の4役がこない」という怒りである。誰が車座集会を対応するかによって「自分達が重んじられているか軽んじられているのか」を知ろうとしている。隣の県などと比べ「あっちは党4役が対応したのにうちは下っ端レベルだった」と言っているのだ。

自民党の政権運営は無党派が政治に興味を持たないことを前提にしている。このためこれまで自民党を支持してきた人たちが離反したり無党派が少数でも入ってくるとどう対応していいかわからなくなる。これが選挙結果に現れると動揺が広がってしまうのである。

国民の無関心を背景にこのままなんとなく自民党を中心とした政権が続くのではないかと思っていたのだが、自民党を取り巻く環境はかなり厳しいものになっているようだ。

広報本部長の平井卓也氏は「岸田さんでは話にならないのはわかっていますが総裁選挙までどうか堪えてください」と説明するのが精一杯だったようである。経歴を見ると「岸田派」ということになっているのだが、林芳正氏が総裁選挙に出たときの推薦人に名前が入っていたことがある。2012年の総裁選挙で古賀誠氏は宏池会の後継を岸田氏ではなく林氏に託そうとしていた。そこで慣例を破って林さんが総裁選に出馬している。

平井氏は9月の任期満了に伴う党総裁選に触れ、「そこでリセットできる」と発言した。

岸田政権は宏池会・岸田派という弱小派閥の政権であるなどと言われてきた。実はそもそも岸田派そのものが一枚岩ではない。だからこそ岸田氏は最後まで派閥を離脱できなかったのだ。自分が派閥を離脱するからには岸田派そのものがあってはならないのだから解散が決まった。

だが、党内や自派閥内も「とりあえず9月まではなんとか誤魔化してそれまでに岸田さんをおろそう」という動きが始まっていることになる。静かな崩壊が始まったのかもしれないと感じるフレーズだった。

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