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「悪夢の岸田政権」で個人消費がリーマンショック以来の低迷

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1月-3月のGPD速報値が発表された。特に個人消費の落ち込みが厳しく4四半世紀連続でマイナスとなった。これはリーマンショック以来の出来事なのだそうだ。民主党政権で作った基調を全て食い潰し問題を先延ばししてきた結果、麻生政権時代と同じ状況に戻ったことになる。まさに悪夢の岸田政権といったところだろう。

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民主党政権はリーマン・ショックで落ち込んだ経済に苦しんだ政権だった。回復には長い時間がかかったがやっと効果が出始めた時には財源捻出に行き詰まり消費税増税に追い込まれていた。結果的に安倍政権に変わってから景気が上向きだしたため安倍総理は盛んに「悪夢の民主党政権」というレッテルを使い政権交代の危険性を訴えていた。

ここで安倍政権が実効性のある政策をとってくれればよかった。だが安倍政権は「アベノミクス」で問題を先送りし続けただけだった。表面上問題が解決してしまったことで自民党は改革の意欲を失い議席減を恐れるようになる。これが既存の支持者たちへのしがみつきにつながっており、現在の「政治と金の問題」もその延長線上にあるといってよいだろう。

特に個人消費の落ち込みが顕著になっている。岸田政権の政権初期はコロナ禍からの回復過程にあった。だが、この間にデフレ基調だった経済はインフレ経済へと転換する。さまざまな要因があるが「コストプッシュ型のインフレ+世界的な金利上昇」の影響を受けている。これが消費意欲の減退と生活防衛意識を生み出した。

前々期のGDPも速報値時点ではマイナスでありその後かろうじて0近辺のプラスということになった。個人消費に至っては4四半期連続の減少になっている。

岸田政権は自分達の政策は間違っていないがたまたま資源高と為替の影響が重なったと現状分析している。自分達は悪くないのだから対応は「注意する」にとどまる。あとは民間の賃上げを期待して待つ。経済担当大臣と官房長官のコメントは次のとおりだ。

こうした他人事感は宏池会系の政権ではよく見られることなのかもしれない。源流の池田勇人氏は大蔵大臣時代に「貧乏人は麦を食え」と受け取れる発言をし国民から反発されたことがある。池田時代と現在の違いは意欲の低下である。そもそも国民生活を改善するために何か行動を起こすという気概がない。

麻生太郎氏は総理大臣時代に次のように発言している。彼はカップラーメンの値段がわからなかった。おそらく興味もなかっただろう。

世界的な景気減速によって日本経済も厳しい状況にあるなか、野党議員がカップめんがスーパーでいくらで売られているか知っているかと質問したところ、麻生首相は「最初に出た時、えらく安かったと思うが、いまは400円くらいします?」と答弁した。

この庶民感覚との絶望的な相違と行動意欲のなさは自民党が下野する一つの要因となった。

岸田総理はおそらく早期の総選挙を望んでいる。このためのは地盤固めが重要になることから組織運動本部長に党員獲得に全力を上げるようにと指示をしている。

岸田文雄首相は16日、首相官邸で自民党の金子恭之組織運動本部長と面会し、2023年の党員数が3万人以上減少したことを踏まえ、「党員の獲得に向けて、信頼回復をしながら頑張ってほしい」と指示した。

また解散したはずの岸田派側近と「密かに」会談している。

岸田総理が会談したのは、いずれも解散を決めている岸田派の幹部である根本元厚生労働大臣、小野寺元防衛大臣、田村元厚生労働大臣、金子元総務大臣、平井元デジタル大臣らです。

このままでは無党派層の獲得は望めないことからできるだけ身内を固める方向に舵を切ったのかもしれない。別のエントリーで分析するがこのやり方は意外とうまくゆくかもしれない。無党派層が政治に飽きているのだ。

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