深夜の防衛省は記者たちで騒然としているようだ。伊豆諸島の東方海域で2機のSH60Kが墜落した模様。既に機体の一部が発見されており8名のうち1名は救助された。残り7名は行方不明である。
このヘリコプターについては情報が少ない。Wikipediaの情報を整理すると、もともとSH-60B(シーホーク)というアメリカのシルコスキー・エアクラフトのヘリコプターがある。これを三菱重工業がライセンス生産し技術開発本部が開発した国産システムを搭載したのが、SH-60Jだそうだ。そしてそれをさらに改造したのがSH-60Kだという。
NHKによると2017年に青森県沖の日本海にSH60Jが墜落し乗員名がなくなる事故が起きている。
宮古島で陸上自衛隊のヘリコプターが墜落した時には、過去の佐賀県での墜落事故が引き合いに出され「予算制約による調達部品や整備士の不足問題」が取り沙汰されたことがあった。この時には事故は「ロールバック(燃料供給に不具合が起きてエンジン出力が低下すること)」が原因とされた。だが結局「裏付けになる証拠がない」ということで原因は解明できず「現場で気を付ける」という結論にとどまっている。
人手不足と任務の多様化が同時に進んでおり、自衛隊の現場はかなり危険な状態になっているようだが待遇改善の議論は全く進んでいない。
歴代の自民党政権ではアメリカと自民党の有力な支持母体である重工業系の企業への配慮から防衛費の増額議論が進んできた。
しかしながら、現場の困窮にはあまり興味がないようで実際に命をかけて現場を守る自衛隊員たちの使命感に依存する状態が続いている。待遇改善が進まなければおそらく今後自衛隊に入隊しようとする人はますます減り続けるだろう。
自衛隊は民間委託や無人化によって人手不足を解消したい考えだが、日本は世界有数(世界第六位)の海域を抱える海域大国である。領海侵犯を含めた挑発活動を繰り返す隣国もあり日々の哨戒活動は我が国の安全を確保する上では欠かせないはずだが政治家たちの関心は極めて低い。