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東京15区の混乱 自民党なき世界はコカコーラの消えたスーパーマーケットに似ている

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東京15区が混乱している。この混乱を考える上で自民党をコカコーラに例えるとわかりやすいと感じた。コーラに意見がない人はとりあえずコカコーラを飲む。だからペプシはコカコーラにネガティブキャンペーンを繰り返すしかない。

ところがこのペプシの地位を狙っている別のコーラがペプシに対してネガティブキャンペーンを行なっている。この戦略はおそらく失敗するだろう。ここではなぜ馬場代表の戦略が維新にとってネガティブな作用を生じさせるのかを考えたい。

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日本維新の会は現在2つの異なる戦略を立てている。1つは政策を訴えること。こちらは音喜多駿政調会長が担当しておりSNSで盛んに政策を訴えている。だが馬場代表は全く別のアプローチをとっている。ペプシを攻撃している。時事通信にこんな記事を見つけた。

維新の言動に立民は表向き取り合わない構えだ。泉健太代表は19日の会見で「焦りがあるのではないか。焦りがあるから発言が乱暴になる」と指摘し、立民は政策の訴えを続けると強調した。ただ、党内には「行儀が悪い」(斎藤嘉隆参院国対委員長)と維新への反発も渦巻いている。

おそらく、立憲民主党にとってこの選択は正解だ。そして、維新は失敗するだろう。

既に選挙区はメチャクチャなことになっている。政党を攻撃することを目的にして選挙戦に参加している政治団体がある。産経新聞が熱心にフォローしている。吉村氏の演説に乱入し大騒ぎになった。産経新聞は乱入した候補者の名前を出している。

他にも小池百合子氏が「命の危険を感じる」と訴えている。また立憲民主党の大串博志選挙対策委員長は30分ほどカーチェイスされたようだ。

維新は「ペプシ」の座を狙ってペプシを攻撃している。これは大阪では効果があったかもしれない。ところが、東京では「その他大勢」に紛れてしまうリスクの方が高い。馬場代表が大阪で支持を伸ばした頃の維新では政党攻撃は「副業」だったかもしれないが、今ではこれを本業にしている人たちがいる。政治不信が蔓延するとこの政党攻撃に同調する人が増える。なおかつ今ではYouTubeなどでの収益化も可能だ。おそらくまともな政治評論よりもよほど儲かるはずである。

馬場代表のやっていることも「乱入とカーチェイス」も同じような印象しか与えないだろう。つまりペプシにはなれずその他の(密造が混じっているかもしれない)コーラと一緒くたにされる。そして本業として「真面目に」政党攻撃に勤しんでいる人に副業政党攻撃家は勝てない。最終的に市場が荒らされる。密造コーラが混じっている市場で喉を潤そうと思う人はいない。

アメリカでは草の根民主化運動がティーパーティーを経てトランプ支持のMAGA共和党として結実したが、日本ではそれがYouTubeなどの過激な政治運動だったことになる。「密造コーラ業者」がメインストリームを席巻するという現象がアメリカでは起きている。政治に不信感を持つ人が増えれば増えるほど政党攻撃はビジネスになりやすい。自民党は政権を奪還して以降、熱心に政党攻撃が起こりやすい素地を作ってきた。彼らは市場を荒らすだけ荒らし都市から消えてゆくことになるだろう。

こうした破壊を目的とした人たちは政治議論から人々を遠ざける傾向があり、政治と生活を分断する。結果として政治の議論(例えば憲法改正のような大きな問題から共同親権のような日常生活に接した問題まで)が有権者に届きにくくなるという弊害が生じることになる。既に都知事選がこのような状態に陥りつつあるが、国政でも始まったことになる。彼らはまだそれほど大きな力を持っていないので複数をこのような状態にすることはできない。都市型の補選が1箇所だけだったことで問題が顕在化することになった。

大手メディアの見方は分かれている。読売新聞はペプシはコーラではないと考えているようでコカコーラの流れを汲む都知事とメディアで有名になった作家・タレント候補に注目している。一方で市場調査をやった日経新聞はコカコーラがないのだからペプシが選ばれるのではないかとしている。

選挙戦はあと1週間続く。江東区民がどのような目線でコーラを選ぶのかに注目が集まる。と同時に政党改革にはぜひ「密造業者対策」を加えるべきだろう。市場全体が破壊されることになりかねない。

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Comments

“東京15区の混乱 自民党なき世界はコカコーラの消えたスーパーマーケットに似ている” への1件のコメント

  1. […] 東京15区について考察した別のエントリーでは既存の政治活動の破壊が政治的アジェンダになりつつあることを観察したが、実はこうした動きは江東区に特有の特殊な事例ではない。むしろ世界各地で今起こりつつある最新トレンドの一つなのである。 […]