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「生意気なことをすれば、首を取り換えてやる」自民党の政治と金の問題の背景にあった人間関係のまとめ

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自民党の政治と金の問題の処分が決まった。塩谷立氏と世耕弘成氏をバッサリとやって「泣いて馬謖を斬った」を気取っているようだが、おそらく国民は納得しないだろう。もはやあまり重要とは思えないので軽く処分内容をまとめて背景にあった人間関係を整理する。

好き嫌いによるドロドロとした人間関係をマスコミが面白おかしく報道し、その間を岸田総理が右往左往している。とても国民の方を向いている余裕はなさそうだ。

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まず処分内容を整理する。「塩谷・世耕氏に離党勧告 下村・西村氏は党員資格停止―裏金事件、39人の処分決定・自民」による。

衆参両院から責任者を差し出す内容になっている。塩谷立氏と世耕弘成氏が代表して斬られた。比例復活の塩谷氏はこれで事実上議員引退となってしまうため抵抗しているが世耕氏は離党届を提出した。会合に同席した幹部たちは党員資格停止となった。下村氏・西村氏は1年で高木さんは6カ月だそうだ。武田良太氏、松野博一氏、萩生田光一氏らは党の役職停止1年となった。この他半年の党の役職停止が8名いる。その他の17人は訓告(注意処分)である。

森元総理には岸田総理が電話をかけて「何か知ってますか?」と聞いたようだが「いや何も知らん」で終わったようだ。対話の内容は公表されない見込みである。岸田総理は「自分には不記載はない」と説明しており組織としての監督責任は不問にする。このため塩谷氏は「どうして自分は監督責任を問われたのに岸田総理は監督責任を問われないのだ?」と不満を表明している。党内でもそのような声が大きいと伝わっている。おっしゃることはごもっともという気はするが、表立って主張する人はそう多くない。選挙で公認を外されてはどうしようもない。

前回、麻生・茂木良氏と関口・小渕両氏は別々の場所にいて岸田総理が伝令役としてその間を飛び回っていたとする時事通信の記事をご紹介した。TBSの「ひるおび」でも同じ内容を伝えていた。

現在「茂木派」と呼ばれる平成研究会はもともと竹下登元首相の竹下派として知られていた。これを引き継いだのが小渕恵三首相だ。それを支えていたのが青木幹雄氏だった。長年「参議院のドン」と呼ばれていた。青木氏の悲願は早くして亡くなった小渕恵三氏に代わって娘を総理大臣に育てることだった。ところがその派閥を茂木敏充氏が簒奪してしまう。青木氏は最後まで茂木氏を認めたくない立場だった。岸田総理が派閥の解体を宣言した時、いち早く茂木派から離脱した人たちは茂木氏の派閥会長就任を面白くないと思っていた人たちであり、今回茂木敏充氏と対立した関口参院会長も「青木氏を尊敬している」と表明している。

ひるおびでは「茂木敏充氏と関口氏らを同席させないための配慮があったのだろう」などと解説しておりもともと同じ派閥でありながら今はお互いに口も利かないような仲になっていたものと思われる。茂木氏は麻生氏を後ろ盾としたが小渕恵三氏を尊敬する人たちは離反した。その間を飛び回っていたのが岸田総理というわけだ。

これが、マスコミが伝えていた「調整」の中身だった。

今回、新しく「実は麻生さんも暗闘していた」ということがわかった。麻生氏は地元福岡で武田良太氏と不倶戴天という状態になっており、地元では福岡三国志などと揶揄されている。麻生太郎副総裁は武田氏への強い処分を主張した。

時事通信は次のように書いている。暗躍と書かれているが麻生さんが武田さんを嫌いなのは周知の事実でありこの間のやりとりも全てマスコミに報道されている。

自民党派閥の裏金事件の処分を巡り、各派有力者が暗闘を演じている。二階派事務総長だった武田良太元総務相を「党員資格停止」とする執行部案に対し、同派を中心に重過ぎるとして「武田氏と確執を抱える麻生太郎副総裁の意向が働いている」と反発が続出。

すでに「二階派などない」ことになっているのだが、二階派幹部はこう言って応戦したという。誰の首を切ろうとしたのかは不明だがまるで戦国時代だ。

「生意気なことをすれば、首を取り換えてやる」。二階派幹部は3日、武田氏の処分を巡り、執行部への激しい敵意をむき出しにした。

一方で萩生田光一氏が遠島送り(離党勧告)を免れた背景には茂木氏の邪心があったものと伝えられている。ここで萩生田さんを守っておけば森喜朗氏の支援が得られるかもしれないと考えたというのである。

萩生田氏の処分案や、不記載額の線引きは茂木氏が主導した。関係議員の党内聴取や、政治倫理審査会開催の調整には関与せず、ここに来て活発な動きを見せる茂木氏の真意をいぶかる声も上がる。安倍派の閣僚経験者は「萩生田氏を守りたい森喜朗元首相の意向を茂木氏は理解している」と指摘。同派若手は「安倍派への配慮を示すことで、総裁選も見据え味方を増やしたいのだろう」とみている。

いまだに総裁選での再選を狙う岸田総理が森喜朗氏の政治責任を追求できるはずもなく、結局「電話で聞いてみましたけどよくわかりませんでした」と説明せざるを得ない状態になったというわけである。

二階俊博氏はお咎めなしとなった。世耕弘成氏が離党したことで和歌山2区の後継者選びに勝利した状態になっている。結局、岸田総理は長老と呼ばれる人たちに翻弄され続けとても国民が納得できるような処分を行える余裕はなかった。

自民党には政治と金の問題での原因解明を進めるつもりなどなくそもそももはや国民の方も見ていないようだということがわかる。また時事通信が伝えるようにおそらく派閥は解体され好き嫌いによる人間関係だけが残った。これはもはや政党ではない。

「自民党は国民の方を見ていない」以上の情報を読み取ることは難しいが、とにかく自民党はこれで幕引きを図りたい考えだ。

そもそも「自民党」という政党はもはやなくなっているのかもしれないが、代替する野党もないため、このまとまりのない人たちがしばらくは国家経営を行うことになる。

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