ざっくり解説 時々深掘り

もう何もかも無茶苦茶になってしまえばいい ネタニヤフ政権がわかりやすく暴走し始めた

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ついに情報量が飽和した。そんな印象だ。イスラエル・ガザ関連の外国通信の記事が処理できる量を超えた感覚がある。日本では全く取り上げられておらず「そんなことになっているのか」と驚く人もいるかもしれない。今回のエントリーは記事の寄せ集めであって詳細な分析はしていない。それくらい色々な情報が飛び交っている。記事分類は「ざっくりまとめ」にしたが、それでもかなりの長文となった。

それでも「別に自分達の暮らしに関係がない」という人はいるかもしれない。このニュースをどう捉えるかは人それぞれだが、原油の先物価格が値上がりした。日本政府のエネルギー補助は徐々に縮小されることになっているが、おそらくエネルギー価格の高止まりは悪性インフレの要因の一つとなり日本人の生活を圧迫するだろう。アメリカの利下げも先送りになるのではという観測があり米株が下落し円安も(少なくともしばらくは)定着しそうだ。バンク・オブ・アメリカは1ドル160円もありうると予測している。

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ネタニヤフ政権はガザ攻撃を続けている。攻撃が終われば選挙となり退陣の危機にある。最高裁判所では「超正統派優遇を停止すべきだ」として改革案を求められているが超正統派の兵役を認めると政権は崩壊する。イスラエル各地ではデモが起きており即時選挙と人質の解放要求が高まる。

ラマダンが始まっても人道状況は最悪でついに国連安保理で人道停戦決議が採択された。庇いきれなくなったアメリカは棄権している。

そんな中で、シリアにあるイランの外交施設(大使館・公館との表現が混在している)が攻撃された。他国にある外交施設をピンポイントで攻撃するのは御法度とされている。日本ではイランとアメリカがお互いに批判合戦を展開していると報道されているのだが実際はそうではない。

全面戦争に突入してもおかしくない状況だが、イランとアメリカはお互いにイスラエルの挑発に引き込まれまいとしている。アメリカは関与を否定しイランを牽制している。イランも国内向けには報復を宣言しなければ収まりがつかない状況だがアメリカとの全面戦争には入りたくない。後ろ盾になっているアメリカへは批判だけを行い代わりにイスラエルを叩くのではないかなどと言われている。

状況がわかっている人たちは「対決はないだろう」と見ている。裏を返せば「全面戦争になってもおかしくない状況になっている」ということが言える。おそらく状況を作ろうとしているはイスラエルである。もう全部が無茶苦茶になってしまえばいいと思っている可能性があるのだ。

国内ではアルジャジーラの一時閉鎖が決まった。イスラエル政府はイスラム系の英語メディアがガザ地区や西岸の状況を伝えられないようになればいいと考えているのだろう。

ただここまでは「状況証拠」でしかなかった。

超正統派などの極右はガザ地区や西岸からパレスチナ人が逃げ出せばいいと考えている。このためにガザ地区では飢餓が武器として使用されている。移民の発生を防ぎたい欧米は海路から食糧を援助することにした。ここにイスラエルの攻撃が入った。

イスラエルは形式的には謝罪している。だがこの謝罪がおかしい。ABCニュースではネタニヤフ首相のIt happens in a warという表現が紹介されていた。「戦争だもんこれくらいのことは起こるさ」という意味になる。つまり関与を認め形式的に謝罪しつつ「これくらいの危険を冒してもいいというならどうぞ援助を続けてください」と言っていることになる。

足をガンと踏みつけてヘラヘラ笑いながら「悪い悪い」ということを謝罪したとみなすならこれは謝罪だが、普通の人はそうは思わないだろう。と同時にアメリカやヨーロッパの庇護がないとやってゆけないイスラエルがここまで変質してしまったことに戦慄を覚える人もいるに違いない。

バイデン大統領もついにはイスラエルを直接批判し(アメリカ国籍の人が含まれている)スナク首相も徹底調査を要請する電話をかけた。

CNNなどは「おそらくこれは誤射ではないだろう」と指摘している。ネタニヤフ首相の謝罪になっていない謝罪や誤射の可能性はイスラエルの意図を明け透けに英語圏の国にいる人たちに伝えている。おそらくイスラエルはもう後戻りできない地点にいるのだなと誰もが感じるだろう。

国際ニュースではさまざまな記事が配信されているのだが、この話題は日本では全く取り上げられていない。冷静に考えてみるとニュース風のショーは増えているがストレートニュースがほとんどなくなっている。本気で国際ニュースを理解しようとするとYouTubeで動画を見たりSNSのXで識者の声を直接探るしかない状況なのだ。

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