- わかりにくかったブログの分類を「詳細」や「ざっくり」まとめにわけることにした
- 週明けの19日に日銀がマイナス金利政策を解除すると各社が断定的に報じている
- マイナス金利が解除されると円高に動く(予想中央値は1ドル=140円・年末)というのが通説だが
- なぜか円安を予想する人たちがいる
スマホの読み手を無視して長めの文章を書くことが多い。だがスマホから見るとわかりにくだろうということで「ざっくり」というカテゴリーを作ることにした。
報道ベースでは日銀のマイナス金利解除はほぼ確定した
週明けの18日19日に日銀の政策決定会合が行われる。従来マイナス金利解除は3月か4月かといわれていたが3月修正説が確定的に囁かれるようになった。YCC撤廃などの観測気球が出ており春闘の成果も日銀の想定を超えた。
オーソドックスな予想の中央値は140円(2024年末)
マイナス金利が解除されると日米の金利さが縮まることから円安の要因が取り除かれると考える人が多い。企業は135円から145円程度を予想する人が多いようである。元日経新聞の後藤達也氏などは市場はマイナス金利解除を織り込んだため変化はないと予想する。Bloombergが集計した予想は次の通り。おそらくこれが最も直近の集計だ。
野村証券やみずほ銀行、シティグループ証券などはここ1カ月余りの間に円相場の見通しを下方修正した。ブルームバーグの調査で24年末の円相場の予想中央値は1ドル=140円と、昨年末時点の予想の135円から円安にシフトした。足元より約5%円高水準だが、昨年末比では1%に満たない上昇となる。
にもかかわらず円安を予想する人たちも……
ところがなぜか円安を想定する人たちがいる。ロジックはそれぞれ異なる。藤巻健史氏、エミン・ユルマズ氏、山田修輔氏の説をそれぞれご紹介したい。
日銀のマイナス金利解除など単なる空砲だ
このほど維新の国会議員に返り咲いた藤巻健史氏は「マイナス金利解除で為替は円安にすっ飛ぶかも?」と予想している。日本が利上げをするというニュースを欧米基準で見ていた人たちが内容を見て「なんだそんな程度だ」とガッカリするのではないかというのが大雑把な内容になっている。日銀は「どうせ賃上げなんか起こるハズはない」と考えていたが実際に賃上げが起きてしまい慌てていると見ている。藤巻氏は普段から日銀に対して超辛口のコメントを出しているために額面通りに捉えるわけにもいかないといった印象である。最近も国会で植田総裁に質問をし「お話にならない」などとXに投稿していた。しかしやはり「プロはプロ」である。一応頭の片隅にでも入れておくべきかもしれない。
今回のマイナス金利解除はなんとかして金利上げを回避しようとしてひねり出した、達成不可能と思われた「労賃大幅値上げ」が日銀の意図に反して実現してしまったので、今までの経緯からやむを得ずに行うに過ぎない。しかし前述したように実質的になーんにも金融環境に変化はなく、日銀が債務超過という問題にも直面しないから出来たもの。空鉄砲。
もう一人はエミン・ユルマズ氏だ。こちらは時間軸が指定されており、7月までに160円と言っている。ユルマズ氏は普段から「なぜか日銀は円高に動くとそれを打ち消す発言をして円安に誘導している(のではないか)」という趣旨のことを言っている。サプライズでの円高誘導は一時的と見ていたようだがその最後のカードも使ってしまったとの主張。
市場の受け止めによって真逆の反応もあるのではないか
最もオーソドックスな説明をロイターが出している。こちらは日銀の説明を市場がどう受け取るかによって方向性が大きく異なるだろうと予想している。
- 植田和男総裁が会合後の記者会見で将来的なQTや追加利上げについて踏み込んだ発言をすれば、ドル/円は145円を割り込んで円高調整が進む可能性がある。
- しかし、記者会見でのメッセージがハト派で、追加利上げや国債買い入れ減額が当面行われないと市場に解釈されると、円安が進む可能性がある。
そのまとめサイトの反応は大丈夫ですか?
そもそも本当に金利政策が変わるかもよくわからないが、まとめサイトなどでは「来週はマイナス金利解除で円高だ」などと断定的に伝わっている。その判断が正しいものなのかもう一度検討したほうが良さそうだ。