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年率5%のアメリカ短期証券が投資家の間で大人気 この状態が続けば円安が定着するのではないか

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このエントリーは「個人的な勉強用」にBloombergなどの記事をまとめたものだ。したがって投資に詳しい人が読んでも「基本的なことしか書いていない」とがっかりするに違いない。アメリカのTBのレートが5%になり世界中の投資家たちの人気を集めているという内容なのだが、そもそもTBって何?ということからわからない。だが記事を読む限り「円安傾向を転換するのはかなり難しいのだろうな」という気がする。エントリー(記事)のタイトルが難しいところだが「定着するのではないか」とした。中には晩秋に予定されている利上げでもう5%ほどドルが上がると言っている人もいる。仮にこの予測を採用すると「更なる円安」ということになる。

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Bloombergが「レート5%台の米TBが大人気、国債や株式より高い利益も」という記事を書いている。

米財務省短期証券(TB)ほど、流動性が高く利回りの高い金融商品への投資意欲が顕著なところはない。TB市場にはこの3カ月間で1兆ドル(約147兆円)余りの資金が流入した。1カ月物から1年物まで、TBレートは5.28%程度となっている。

日本で貯金をしていても利子など全く付かない。株式に投資したいが株は上がったり下がったりする。であれば(デフォルトがない限りは)額面が保証されているアメリカ国債に投資をした方がいいのではないかという気がする。

だが、そもそもこのTBという略語がわからなかった。アメリカ財務省が発行する債権は期限により名前が違う。十年以上のものをトレジャリーボンドと呼び、利子がつく10年未満のものをトレジャリーノートと呼ぶようだ。そして一年未満の割引債をトレジャリービルという。この記事は短期証券(TB)と書いているので、ボンドではなくビルのことを言っているのだと思う。普通「米国債」というと10年もののトレジャリーンボンドを指すのだと思うが、TBはトレジャリーボンドではない。

記事はMMFも人気だがというようなリードで始まっているので「ああMMFに人気が集まっているのか」などと思ってしまう。確かにそう指南している人はいる。なんらかの理由でMMFに人気が集まったようだ。だが、実際には「MMFも人気だがTBの人気はそれ以上になっている」と書いている。政策的に金利が引き上げられているため魅力度が増しているということになる。

背景にあるのは高い利率だけではない。インフレがアメリカ経済に与える影響が読めなくなっている。

アメリカ経済にとってはネガティブな情報は探せばいくらでも見つかる。クレジットカードの負債額は増えており延滞件数も増えている。10月からは学資ローンの返済も始まる。

またインフレの上昇に所得上昇が追いついていないそうだ。これは2023年の統計ではなく2022年の統計だ。

ただ、アメリカ人の家計資産は膨張を続けている。株式と不動産の資産価値が上がっているからである。アメリカ人は信用を使って買い物をするため持っている資産価値が上昇すればその分だけ旺盛に消費をする。所得は落ちているのにこれが不景気に結びつかない。だから労働市場も比較的好調だ。アメリカ経済は非常に不思議な状態にある。この記事はアメリカ人が銀行預金からMMFに資金を移していると書いている。

銀行預金残高は2000億ドル超減少して14兆2000億ドルを下回った。一方、マネー・マーケット・ファンド(MMF)残高は1370億ドル増の3兆5000億ドル超と過去最高を記録した。

ではこれは為替相場と金融市場にどのような影響を与えるのだろうか。経済の先行きが不安定なのだから株式(アメリカでも日本でも)からMMFや米国債に資金を移そうとする人は増えるだろう。この時に流動性が高い(つまりいざという時に売りやすい)短期のものが選好される。とりあえずはここに資金を逃しておきいつでも動けるようにするためである。

ロイターのこの記事は銀行預金からMMFに資金が移ったと書いている。アメリカで銀行の破綻が相次いだことで流れができたのかもしれない。この時はSNSで取り付け騒ぎが起きるというような状態だった。

まず銀行に対する不信感からMMFなどに人気が集まった。さら、アメリカの金利はこれ以上は上がらないものの容易に下がることもなさそうだ。この調子でインフレが高止まりするのなら金利が高い状態が続く。銀行からの資金流入が呼水になり金融商品の人気が高まったのだろう。いったん流れができるとその流れがどんどんと大きくなり。世界中の投資家がアメリカの国債(ただし短期)を求める。

国債を買うためには米ドルが必要なのだから、当然米ドルの価値は上がる。Bloombergは「さらに5%」と言っている。147円からさらに5%と計算しようとしたのだが怖くなってやめた。単なる予想なのだからできれば当たらないで欲しい。

ヒル氏によると、ドルは多くの通貨に対してさらに5%上昇する見通しで、10月31日-11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて米金融当局者が追加利上げを示唆することがそのきっかけになりそうだ。こうした展開に備え、オーストラリア・ドルやニュージーランド・ドル、カナダ・ドル、円に対してドルを選好しているという。

こうなると日本政府は「安定した財源」か「円安の阻止」を選択せざるを得なくなる。このため植田総裁はとりあえず「年内にもマイナス金利政策を解除する(かも)」と発信してみせた。その結果日本の市場は激しく動揺しドル円は一時146円台まで円高に触れた。だが、その効果はすぐに剥落し現在は147円台で推移している。

このBloombergのインサイトは「植田総裁は市場が考えるほど早く金融政策を変更することはないだろう」としている。政治と企業の側が全く追いついていない。このコラムの基本シナリオは「日銀が2024年後半にYCCとマイナス金利政策を廃止」である。

だが、アメリカの国債に人に人気が集まり米ドル人気が高まればおそらく日銀も前倒しでの対応を余儀なくされることになるだろう。口先だけで一年も状況をコントロールできるとは全く思えない。とはいえ日本がアメリカのように5%の金利上昇を許容できるはずもないのだから、当然動きは後追いとなりある程度の円安が定着する可能性が高いという予想になる。

この読みが破綻する前提はアメリカの経済が短期間に急速に悪化する「ハードランディング」が起きた時だろう。確かに、所得は伸び悩み、クレジットカードの延滞者は増えている。だがアメリカ人の中でも家や資産を持っている人はインフレの良い影響も受ける。不動産と株がバブルとは言えないまでも高い状態が続いていればその信用を担保に旺盛な消費が可能なのだ。FRBはソフトランディングへの自信を深めているようだ。

ここまでの記事を読むと今すぐ証券会社に口座を作りありったけの円をドルに替えた上でアメリカのMMFか短期証券に突っ込みたくなる。いわゆるキャピタルフライトである。なんとなく国を裏切っているような後ろめたい気分になる言葉だ。

だが、実際に伝統的な日本の証券会社でこれをやろうとすると「為替リスクについて理解しているか」とか「米国債などの債権は途中で売ろうとしても売れない可能性があるのだが覚悟はいいか」とか「米国債の信用格付けは(日本では)無登録の格付け会社がやっているだけだがそれも理解したのか」などと言われる。証券会社は良かれと思ってやっているのかもしれないが「キャピタルフライトを防ぐための政府の陰謀なのではないか」という気持ちになる。

やはり知識がないと「証券会社の人が言っているのだからここは円のまま預金で持っていた方がいいのかな」などと思ってしまうのである。

勉強のために記事をまとめているだけなのでこの予想がどれくらい当たっているのかはわからない。引き続き経済系の記事を読みながら検証してゆきたい。

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