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「イギリスがTPP加盟」は一体どこから記者たちに漏れたのか?

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FNNが独自記事としてイギリスがTPPに加盟すると伝えた。【独自】イギリスがTPPに加盟へ EU離脱後から各国と交渉 12カ国目、日本に次ぐ経済大国という記事である。だが、BBCやロイターを探してもそのような記事が見つからない。どうしても本当なのかなと思ってしまう。

のちにロイターは「日本でそのような報道が出た」と伝えている。スナク英首相の報道官は閣僚が週内にCPTPP加入について参加国との協議する予定で「可能な限り早い機会に」最新の情報が得られると述べた。となっており発表段階ではなかったようだ。

また日本政府のどこかから漏れたのかな?と感じた。政府の情報管理は大丈夫なんだろうか。

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まずFNNが15時ちょっと前ごろに【独自】として伝え、TBSは一時間程度経ってから16時ちょっと前にキャッチアップしている。ただ、このほかの媒体でこのビッグニュースを伝えているところは少ない。英語系では皆無である。

このためFNNとTBSの記事の日付を何度も確認しつつ「本当にこれを信じて大丈夫なのか」などと思いつつこの記事を書いている。普通、この手の記事が出ると夜の遅くくらい(朝刊に間に合わせるくらい)に後追い記事が出るのが普通だ。だがそれが見当たらない。NHKも「近いうちに参加申請」が最新の記事である。このため「あれ、2022年じゃないよなあ」とか「加盟申請ではないよなあ」などと何度も確かめてしまうのだ。

イギリスがTPP加盟に向けて動き出していたというのは本当のようだ。つまり全くの誤報ではなさそうである。誰かがうっかりと口走ったとすると「いやそんな話はありません」とは言えないのだろうと思う。

正式の加盟申請が行われたのは2021年1月31日だった。ただ交渉プロセスはかなり難航しておりこれまでは詳細は明らかにされてこなかった。たまたま見つけたPOLITICOの記事によると、やはり農業や農業産品(半加工食品など)は打撃を受けるようである。スナク政権がディールを受け入れたとしても議会対策はかなり大変になりそうだ。

中国・台湾もCPTPPへの参加を申請している。韓国も加盟申請を検討しているようだがどうやら前段階でかなりふらふらしているようだ。「正式加盟しました」という情報がない。

ここでイギリス国内世論に負けて低いハードルでの参加を許してしまえば、東アジアの国々(特に中国)も同じ基準での参加を要求しかねない。つまり実際に大切なのは、イギリスがどのようなスタンダードでCPTPPに参加することを決めたのかというディールの中身であると言えるだろう。

日経新聞の2023年2月の記事の冒頭には「この後の加盟国にスタンダードを示すような」厳しめのルールをイギリスが飲んだようだと伝えている。中国台湾に対する土台と書かれていることから韓国はまだ加盟申請していないようだ。日経新聞の記事はまだ「スナク首相と岸田総理が加盟促進を合意した」止まりになっており、正式に加盟が決まったとは伝えられていない。

これらの情報を総合する限り「イギリスのTPP加盟」が誤報ということではないのだろうが、割と大切なニュースがこんなに簡単に「政府関係者の話」でわかっていいのか?という漠然とした疑問は残る。つまりどうしても政府の情報管理は大丈夫なのかと思ってしまうわけだ。

本来はTPPがどのようなスタンダードを設けていてなぜそれが日本の国家戦略として重要なのかということを経産大臣か総理大臣が説明すべきだったのではないかと思う。

今後このニュースがどう展開するのかを静かに見守りたい。

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