円相場が激しく動いている。現在のイベントはFOMC・アメリカの雇用統計・日銀時期総裁候補の提示である。結果は「ドル円が128円から131円」なのだが、そこに至る経緯を時系列で追った。
まず、2月のFOMCは「タカ派政策の終わりが見えてきた」と見做された。だが、中央銀行はコントロールを失っており「データ依存になっている」という指摘が見られる。さらにアメリカの失業保険給付が低水準だったことも懸念材料だった。
FOMC直後のドル・円相場は128円だったそうだ。
アメリカの1月の雇用統計は予想外に好調だった。雇用者数は伸び続けており賃金もまだ上昇傾向だ。ただしその上昇のスピードは減速しつつある。レジャー・サービスが伸びているそうだが、まだまだコロナ前を充足できていない。レジャー・サービスのように対面接触が多い仕事はコロナリスクが高いと見做されているのだろう。人材獲得のためには高賃金が必要になりそうな状況になっている。
これで先物が金利5%越えを予想した。FOMCは「統計次第」という判断だったわけだから、まだまだ統計ではタカ派脱出は支持されないと評価されたのだろう。
本来関係がないはずのアメリカの労働市場とドル円相場がなぜか最近は結びついている。このため、労働統計の発表が日本円の価値を押し下げた。時事通信が2回記事を出しているところからその急変ぶりがわかる。
次のイベントは日銀総裁候補の指名である。ロイターは雨宮氏かそうでない(中曽・山口)かで方向性が変わると見ているようだ。ただこれ以外の人が出てくる可能性もまだ残っている
中曽氏は別のプロジェクトへの取り組みが決まったそうである。新しい候補の名前は2月10日に提示されるのではないかと言われている。