複数のメディアがオミクロン株の新しい派生系が見つかったと報道している。ケルベロスやグリフォンなどの異名も飛び交いそうだ。情報に圧倒されないように事前に情報を整理し、不測の事態に備えたほうがいい。具体的には電話やオンラインによる診療窓口を調べておいた方が良いだろう。自治体からの情報提供は期待できそうにないが調べてみると意外と対応している病院は多い。
CNNは「相次ぐ新系統の変異ウイルス、世界でコロナ感染再拡大の懸念」という記事の中で「BQ.1」「BQ.1.1」「BF.7」「BA.4.6」「BA.2.75」「BA.2.75.2」がアメリカで確認されたと言っている。シンガポールではXBBという別の株が広がっているそうだ。
National GeographicによるとXBBは新しい変異種ではなくオミクロン株の変異種が組み合わさったものなのだそうだ。
TBSの朝の情報番組THE TIME,では早速「ケルベロス(BQ.1.1)やグリフォン(XBB)」という名前を伝えていた。ケンタウロス(BA.2.75)については以前記事を書いたことがあるが、また別の「化け物」が出てきたことになる。今期もまた「情報の洪水」になりそうだと感じた。
CNNはほぼ1/3が新派生型だといっている。ロイターはさらに詳しくBQ.1とBQ.1.1が全体の16%(約1/6)と言っている。重症化率が高いという証拠はないが免疫回避の可能性があるそうだ。つまり今期の流行はこれまでと違っている。複数変種の同時流行や波状流行が起きる可能性がある。
National Geographicの記事によると、今回の特徴は複数の変異株が試行錯誤を繰り返した末に「同じソリューション」にたどり着いたところにあるようだ。いずれもスパイクタンパク質の同じ部分に変異がある。これまでの亜種がワクチンでブロックされているためそれをすり抜けるものが優位性を獲得していることになる。まさにいたちごっこだ。治療薬のモノクローナル抗体を回避する可能性もあるという。ただし、ワクチンによって人間側の対応も進んでいるためにどの程度重症化するかは予測できないという。
Forbesはバイデン大統領の楽観論を戒めている。中間選挙を前に問題を克服したと見せたいバイデン大統領は「パンデミックは終わった」と楽観的な発言をしている。日本でも10月に観光振興策が始まったばかりなので政府の情報発表はかなり遅れそうだ。せっかく始まったばかりの施策に水を差したくないという気持ちや、円安などの暗いニュースを払拭したいという焦りもあるだろう。
新種の名前が飛び交っているためニュースを見ていると何となく不安な気持ちになる。その上政府からの積極的な情報告知も期待できそうにない。知っておくべきことはいくつかありそうだ。
- 重症化率はそれほど高くなさそうだ。
- アメリカではロングCOVIDと呼ばれる後遺症に注目が集まっている。つまり、油断はしない方がいい。
- 情報が飛び交うわりに重要な情報は不足している。事前の心構えが重要だ。
Bloombergはワクチン接種や過去の感染により感染数のわりに入院件数は増えていないと言っている。だが後遺症が長く続く「ロングCOVID」と呼ばれるケースが出始めており過度な楽観論は危険なのではないかと感じる。ロイターによると治療法も徐々に見つかりつつあるようだがForbesは後遺症に苦しむ人が全米で数百万人いると書いている。
一方、政府からの積極的な情報提供は期待できそうにない。これは地方自治体も情報発信をしないこと意味している。「国に何か言われてから対応しよう」という気持ちが強い体。
感染がおさまったら二類相当を考え直すという報道があったが結局議論は行われなかった。また「高齢者と子供以外は発熱外来に来ないようにお願いする」ことだけが対策として報道されている。つまりこれはワクチン接種の奨励以外は何もしないということだろう。
このような事情もあり日本では新型コロナは「終わったこと」になっている。特に現役世代のワクチン接種が進んでいない。
日経新聞はワクチン接種状況についてデータをまとめている。少なくとも1回ワクチンを打った人は人口の80%を超えており(1回目と2回目はセットだったのでほぼ同数になっている)3回目を摂取した人は65.8%である。また10月20日時点の状況では4回目を接種した人は3813万人ということになっている。接種の山が8月になっていることからおそらく高齢者の間には旧型ワクチンが一通り行き渡っているということがいえそうだ。しかし10月の山は盛り上がりに欠けておりおそらく若年層はあまりワクチン接種に積極的でないということがわかる。
政府は現役世代には電話やオンライン診療を勧めているのだが地方自治体に具体的な指示は出していないようだ。特にオンライン診療はほとんど普及しておらず個人的に聞いた限りでは地方自治体には情報がない。
このままでは「自己責任の冬」ということになりかねない。だが自分の足で調べてみると意外に情報を見つけるのは難しくなかった。ビジネスチャンスなのでオンライン診療アプリなどが作られている。だがまだテレビコマーシャルを積極的に打ち出すというところまでは行っていないというくらいの状況だ。少なくとも都市部では対応する病院が見つかる場合がある。
流行が始まる前にかかりつけ医を見つけておくか電話診療・オンライン診療の窓口を準備しておいた方が良いのではないかと思う。もちろん新型コロナやインフルエンザに罹らないに越したことはない。だが備えあれば憂いなしともいう。最低限の備えだけをしておけば一方的に情報の氾濫に一喜一憂するということはなくなるのではないだろうか。
Comments
“世界各地で新しいオミクロン株変異種が見つかる。今期は複数亜種の同時流行になりそうだ。” への1件のコメント
コロナウイスルスの派生した原因となっている蝙蝠説であれば、蝙蝠が宿主であれば、何故蝙蝠の体内にいたウイルスは変異していなかったのだろうか、では人間の体内に侵入したウイルスは短い時間で変異を繰り返すのだろうか。
mRNAコロナワクチンの本体は・・・ コロナウイルスmRNAの毒素を作り出す場所のRNAを遺伝子鋏で切り離し、スパイクを持った場所のRNAを培養してワクチンに使用。
>大阪大学は2021年4月13日、PCR法を活用した感染性ウイルスの作出技術Circular Polymerase Extension Reaction(CPER)法を用いて、新型コロナウイルスを2週間で人工合成する技術を開発したと発表した。
イギリスでは武漢ウイルスと変異した新種のコロナウイルスを合体合成したと発表され、イギリス学会では危険視されてもいる。
以上の過程を見る限りmRNA遺伝子を切り貼りできる技術が有ったことを証明しているのではないか。
よってスパイクのmRNAが変異しやすい様にmRNAが加工されたのでは・・・
mRNAワクチンが危険視されている要因として。
チェリノブイリ原発がメルトダウンして爆発し、放射能が拡散し防護服を着て短時間の作業しかできない状況であった現場の小動物(ネズミ)が被爆で癌化していた部分の細胞が、親から子、孫、ひ孫と受け継がれていった癌細胞が正常細胞に修復されていた痕跡があったと報告がなされていた。
遺伝子が修復されるとしたらmRNAコロナウイルスも、元々のRNA遺伝子の遺伝子配列に戻る可能性も考えられる・・・
mRNAワクチンが、もし切り取られた遺伝子配列のRNAを復元する可能性が有るとしたら、mRNAワクチンの危険性もあるともいえる。