政府が新型コロナワクチンの4回目接種について検討し始めたそうだ。だが打とうかどうか迷っている。3回目を打ってから38度以上の熱が1日収まらなかったからである。
不安材料はいくつかある。これまで熱など出したことがなかったのだがワクチン接種の時だけ寝込むレベルで熱が出た。どうやら珍しい現象ではないようでTwitterなどでは発熱に関する報告をする人が散見される。だが政府は「発熱をするということは抗体がたくさんできているから喜ばしいのだ」などという発表をするだけでそれ以上の情報発信がない。とにかく早くたくさん打たせたいと焦っているようなのだ。不安が払拭できない。
そもそも抗体がたくさんできるのはいいことなのか?と思うのだが「半年経ったら効果がなくなってしまうのでまた打て」という。一体これをいつまで繰り返せばいいのかと思ってしまう。
この拙速な政府の対策に表立って反対する人はいないだろうが、おそらく「もう打たない」という人は出て来るだろう。特に高齢者と非高齢者の間でも意見が割れているようだ。かかりつけ医のいる高齢者は3回目のワクチン接種にも素直に応じている。むしろ打って欲しがっているようだ。だが実際に感染を広げているのは若年層である。そして全体の平均では約3割が接種に応じているに過ぎない。彼らは接種には非協力的である。副反応の重さから考えるとこれは自然な流れである。
さらに政府の経済対策もちぐはぐである。「まん延防止等重点策」が解除されるやいなや感染者が増え始めた。感染者は増えているのだが政府は4月からGoToトラベルなどを再開しますよと言っている。こうなると政府の景気対策のために余計な健康リスクを負わされているのではないかという意識も芽生える。
政策がちぐはぐで統一されたメッセージが見えてこない。そんな中ワクチンだけが「正解だ」とみなされ、3回目の次は4回目だということになってしまっている。だがこれを正解だと思っているのは高齢者だけである。さらにワクチン接種の取りまとめを担うはずだった堀内ワクチン担当大臣もやめてしまうようだ。大臣の枠が一つ減るからだというのだが詳しい説明はない。
それでも「社会全体のためなら進んで協力するのは国民の義務なのではないか」と思いなおして、情報を集めてみた。だがそれは単に落胆に変わるのみだった。接種促進の理由も希薄なのだ。
大本営読売新聞の報道によると4回目接種を推進する理由は「諸外国でもやっているから」だそうである。さらに時事通信も4回目をやることは決めたが具体的な議論はこれからだと言っている。時期だけが決まっているが理由も具体策も今から検討するという。厚生労働省の「60日経つと感染予防効果が47.4%にまで低下する」という情報も書かれている。なんだ1日寝込んでも2ヶ月しか持たないのかと考えてしまう。
日経新聞はかろうじて「総合政策」の重要性について書いている。だが岸田政権は総合政策どころか個別具体策すら提示しない。どんな答弁でも「引き続き考えてゆく」として具体策は一切提示しないのが岸田流である。全てを受け流し批判だけを封じるという安全運転を続けている。総合政策は出ないので「打ちたい人は打つし打たない人は打たない」となることは目に見えている。こんな中で経済政策は再開されコロナウイルスが撒き散らされることになる。そうなると感染が増えたと人々が騒ぎ出す。この繰り返しだ。
政府に批判的な情報も提供してきた上昌弘さんは次のように書いている。
- ファイザー製7500万回、同じくアメリカのモデルナ製7000万回分のワクチンを追加購入することで両社と合意したということで、前回のようにモデルナ偏重ということはなさそうである。
- だが小柄な女性にはワクチンの過剰投与が行われている可能性があるのだという。これは事後検証が終わっていないことを意味している。とにかく早くたくさん打つことだけが優先され事後の評価を一切やらないのである。
上さんは心配がある人は「かかりつけの医師に相談しろ」と言っている。だが4回目の接種を見る限り「対応できる医師が接種を担当する」という状況になっている。おそらくかかりつけ医を持たない健康な人には相談できる医師はいないだろうから、4回目に協力する非高齢者はどんどん減ってゆくだろう。