韓国で新型コロナ感染者が1日で60万人を超えたそうである。15日から一気に20万人増えてと書かれている。つまり前日も40万人の感染者がいたことになる。韓国のコロナ対策は崩壊したと言っていい。その理由を調べた。
感染者が増えた理由は色々と言われている。NHKの報道を読むと次の通りになる。
- 文在寅政権が選挙対策を優先した。新型コロナ対策がうまくゆき経済が再開できると言いたかった。
- そもそも選挙のために大勢人が集まり踊ったり歌ったりしたことで感染者が増えた。
さらに付け加えるならば「次の政権は保守系なのでもう別に感染症対策などやらなくてもいい」という事情もあるのかもしれない。つまり政権交代でやる気を失っているということになる。いずれにせよコロナ感染者が増えた理由は結果的に政権が敗北した大統領選挙である。民主主義社会の恐ろしいところだ。
だが政権は失敗を認めておらず一部のマスコミから批判を受けている。
現政権は「インフルエンザ並み」として医療体制の崩壊を認めていない。現在の政権から見ると野党勢力となる保守系の朝鮮日報は「インフルエンザでも1日の感染者が40万人も増えれば医療崩壊が起こるだろう」と指摘している。至極もっともな指摘だ。
韓国では医療機関が陽性者を確認して届け出が遅れると500万ウォン(48万円)以下の罰金を課されるようだ。このため医療機関からは届け出の迅速化についての要望が出ているそうだ。おそらく1日に40万人の感染者が出る状態では医療機関の負担はかなりのものになっているのではないだろうか。
結果的に死者数は1日400人台や300人台ということになっている。インフルエンザでもこれくらいは亡くなるだろうと考える人も出てくるだろう。悪い慣れが出ている。
尹錫悦新政権も発足からすぐに新型コロナ対策への対応を迫られることになるだろう。
折しもアメリカ合衆国はFRBが利上げを敢行するということがわかっている。利上げになると外貨に依存する国からは投資が引き上げられ通貨安が起こる。おそらく加熱していた不動産価格は安定するか下落するだろうが今度は悪性の物価高に苦しむことになる可能性がある。資産価値は暴落し給料は上がらず物価高が始れば、単に環境が変わっただけでもおそらくそれは尹錫悦大統領のせいだということになるだろう。これも民主主義の恐ろしいところだ。目の前に選挙があるとなんでも国内問題だとみなされてしまうのである。
さてここまでを読むとなんとなく「韓国を揶揄するようなコメントでも書いて終わりにしたい」という人が増えそうな気がする。
だが、実際には日本もかなり似たような状況にある。岸田政権は政権発足後初めての本格的な国政選挙に向けて様々な経済活動再開策を準備している。まずは21日の連休が終わるとまん延防止等重点措置が全国的に解除される。さらに岸田総理はGoToトラベルなどの再開を計画しているようだ。さらに年金受給者に5000円配りたいというバラマキ作も提案されている。
ロシアのウクライナ侵攻でマスコミのコロナに関するカバレッジが減っていることもあり時事通信によると岸田政権の支持率は上がっているそうだ。プーチン大統領の残酷な戦争というテレビ報道も多く制裁に賛成している人も多いのだろう。確かにこのままコロナ感染者が減ってくれれば9月の政権発足以降行ってきた岸田総理の経済対策が当たったことで日本も経済再開に向けて動き出したという体裁が作れる。
折しも春のお花見シーズンとなり経済活動は活発化するかもしれない。実はこの状況が韓国に非常によく似ている。つまり、韓国の感染者爆発は対岸の火事ではなく他山の石として捉えなければならない。
分科会の尾身茂会長は「リバウンドはありうる」としながらもまん防解除に反対しなかった。医療関係者も消極的賛成だったそうだ。選挙を見据えてとにかく経済を回さなければならないという圧力が高まっているのを感じる。「感染者が増えたらまた考えよう」ということなのだろう。