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老人介護が必要になった国会と北村地方創生大臣

北村地方創生大臣の答弁で国会がスタックしているという。立憲民主党のTwitterで知ったのだが「もう仕方ないのかな」と思った。高齢化した国とのいうのはこんなものだろう。だが、北村さんの年齢を見て驚いた。まだ73歳なのだ。

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経緯は立憲民主党のTweetで知った。そのあとニュースを検索したのだが、ご本人は反省しているという。反省しているのだができないのである。もうこれは仕方がない。世耕参院幹事長は「高齢なので仕方ないが周りにサポートしてもらえ」と言っている。つまり官僚に介護してもらえという。これもまた仕方がない。

立憲民主党が細かい経緯を説明しているのだが、明らかな嘘をついているというわけではない。まどろみつつある人を攻撃してもいじめにしか見えない。国政に関心がある人の多くは高齢者だ。高齢者の反発を買っては勝てる選挙も勝てなくなる。

北村大臣はいかにもご高齢に見えるので「もうやめてもらっては」と思うのだが、そうばかり言い切れない事情がある。政府は企業に70歳まで雇用するように努力義務を課そうとしている。つまり70歳は現役という時代を作ろうとしているのである。背景には年金や医療費の財源不足があるのだろう。だが、北村さんの事例を見ると「企業を介護施設に」という政策にしか見えなくなる。

政治家の定年というと、当時85歳だった中曽根康弘総理が小泉総理に引退するように勧告されたという話が有名だ。2000年から比例では73才定年制が敷かれていたが中曽根さんと宮澤さんは例外だったそうだ。Wikipediaによるとこの時に伝達役になったのが安倍総理だそうだ。85歳でも現役で活躍したという事例はあるということになる。中曽根さんはその後101歳で亡くなった。

「国会で介護が必要」などというと高齢の方の反発があるのではないかと思う。「年寄りだと思って馬鹿にするな」ということである。中曽根さんの例を見ても確かにその指摘は正しいということがわかる。

例えば「屁理屈麻生さん」こと麻生財務大臣なんかはどうだろうか。口をへの字に曲げつつふてくされたような表情で野党に答弁している。思ったことをパッと口にしてしまう。皮肉なことだが精神的にタフでなければあんなことはできない。麻生さんは79歳だそうだ。麻生さんが何を食べてあの精神状態を保っているのかはわからないがとにかく高齢者を一律に年齢で区切ることなどとてもできない。とても個人差が大きいのだ。

おそらく、高齢社会の一番の課題は「この年齢だからこう」と一律に決めることができないという点にあるのではないか。それぞれに合ったライフスタイルを構築する必要がある。立憲民主党が多様性を大切にするならまず敬老を考えるべきだ。

北村さんのような政治家を見ると「定年制をなし崩しにした安倍首相の責任」などを問いたくなるのだが、そうも言っていられない。時代は変わってしまい高齢者に頼らなければならないからである。

北村さんはどうやら自分が何を管理しているのかよくわかっていないらしいのだが、実際にテレビ中継などを見ている高齢者も北村さんと同じ状態になっているんではないかと思った。そうなると、立憲民主党は「介護をするように」高齢者に対してわかりやすい説明が求められるのではないだろうか。立憲民主党が若すぎるのだ。

質問をするとしたら「いいですか、北村さん、公文書というのはとっても大切なものですよね」「え?」「こ、う、ぶ、ん、しょ」というような具合にしなければならない。おそらく国会だけでなく各地の職場でこのようなことが起こるはずだ。例えばコンビニでも70才近い店員さんに接客してもらうことが増えるだろう。今までの常識は通じなくなり何をするにも時間がかかる社会がやってくる。高齢の店員さんに「なんとかペイ」はわからない。

一律に高齢者といってもその能力は様々だ。麻生さんのように理性は保っているが怒りっぽくなる人もいれば、北村さんのように穏やかではあるが理解に時間がかかる人も出てくる。立憲民主党は何が起きているのかを理解した上で国会戦略を練り直すべきだろう。結局は高齢者の票を頼りにしないと政権政党にはなれないからだ。

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