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東京オリンピックが汚れたオリンピックであることが国際的に認知された

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ついに東京オリンピックが「汚れたオリンピック」であることが国際的に認知されてしまった。が、この件は日本では「終わったこと」になっており、テレビでも報道されないだろう。オリンピックはテレビにとってはお宝コンテンツなので、これを汚すわけにはゆかないからだ。

事件はパパ・マサダ。ディアク氏に大金が渡ったらしいというところからはじまった。どうやらシンガポールのコンサルタント会社(ブラックタイディングス社)からお金が渡ったらしい。ブラックタイディング社は電通との間にコンサルティング契約を結んでいた。JOCからここにコンサルティングフィーが渡っていたのだが、JOCの竹田会長は招致計画への相談費用だとしている。

この件は一度報道された。竹田会長が国会に呼ばれ「相手があることなのでJOC側からブラックタイディングス社との契約内容については開示できない」と答えたのである。

Tokyo 2020 Olympic bid leader refuses to reveal Black Tidings details

安倍首相はフランス当局に全面的に協力すると言っていたが、そのあとは何もしなかった。もっとも、この人が完全にとか全面的にというときはたいてい「私は嘘をついていますよ」という意味なので、あまり信頼ができそうもない。

しかし、当時は捜査中であり、本当にお金が渡っていたのか、それが賄賂に当たるのかということは追求されなかった。

今回の報道ではいくつかのことがわかっている。まずタイトルだが「フランスはリオと東京で招致チームが票を買ったと主張」という意味の見出しになっている。主体は招致チーム(bid team)だ。ちなみに招致チームの理事長は竹田恒和さんである。

Fresh claims that Rio 2016 and Tokyo 2020 Olympic bid teams bought votes

このニュースを読んでいて、リオのオリンピックの招致委員会のトップだった人(つまりブラジルの竹田さん)はどうなのだろうと調べてみたところ、逮捕されたようだ。ニュージーランドのラジオ局と思われるところが記事を出している。パンギムン氏がIOCの倫理委員会のチーフになったというような話である。

Ban takes the job at a time as the IOC comes under fire again after its Brazilian honorary member Carlos Nuzman was arrested in connection with a corruption probe around the awarding of the 2016 Rio Games.

French authorities are also looking into payments around Tokyo’s election to host the 2020 Games, and the dealing with the Russian doping affair has also tarnished the image of the IOC.

パパ・マサダ・ディアク氏はIOC委員のラミン・ディアク氏の息子でなんらかの手段で得た大金をフランスで宝石などに換えたらしいということがわかっている。それはいつもなぜかリオや東京のオリンピックのキャンペーンの近辺の日付なのである。

ブラジル連邦当局は、ブラックタイディングス社からディアク氏に渡った資金は、IOCで影響力を持つラミン・ディアク氏をサポートするためのものだったのだろうという結論を出してると記事は伝えており、文章の最後には、ブラジルの決定は日本がこの件に関して再検討されるきっかけになるだろうというようなことを書いている。

ブラジルは政権が変わっており、前の政権が何をしたのかを追求しやすい雰囲気があるのかもしれないのだが、日本は安倍政権のままであり、森元首相が強い影響力を持っているJOCと政府がどのような「共犯関係にある」かどうかはわからない。さらに、民進党は内部のゴタゴタがあり政府を追求する余力はないだろう。

つまり英語圏やフランス語圏では「オリンピックの票は買われたのだ」と認識される一方で、日本では誰も知らないままで、オリンピックが開催される可能性が高いのではないだろうか。

日本では共同通信が短く遠慮がちに書いているのだが、ここでも注意深く一番大切な情報が抜けている。それは「誰がお金を渡したのか」というものである。

 【ロンドン共同】2016年リオデジャネイロ五輪と20年東京五輪招致の不正疑惑を巡り、ブラジル司法当局が両五輪の招致委員会から、当時国際オリンピック委員会(IOC)委員で国際陸連会長だったラミン・ディアク氏(セネガル)を父に持つパパマッサタ・ディアク氏に対し、多額の金銭が渡った可能性があると結論づけたことが分かった。英紙ガーディアン(電子版)が13日、報じた。

 フランス当局の捜査を基に書類をまとめたブラジルの当局は、IOC内で特別な影響力があったラミン・ディアク氏を買収する意図があったとしている。

多分、これが村落的な報道規制のある日本で伝えられる精一杯の情報なのではないだろうか。産経新聞もガーディアンの記事を伝えているが、こちら側も「ディアク氏らがお金をもらった」という言い方になっている。

 

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