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バージニア州シャーロッツビルのテロとトランプ大統領の姿勢

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バージニア州のシャーロッツビルという人口4万人ほどの街で、人々の群れに車が突っ込み1名の死者と複数名の負傷者(現在は35名が重軽傷を負ったと報道されている)が出た。二級殺人の容疑で逮捕されたのはジェームズ・アレックス・フィールズ・ジュニアという二十歳の若者だった。情報によると35名全てが車によって跳ね飛ばされたわけではなく、デモそのものによる負傷者も含まれているようである。バージニア州は非常事態宣言を出し、デモを強制的に排除した。

州知事はメッセージの中で、ヘイト集会に参加する人たちは愛国者ではないと強い調子で非難していた。単に愛国者のふりをしているだけだとした上で、ヘイト集会に参加している人たちは歓迎されていないとはっきりとした口調で述べた。だが、実際には近隣州から大勢の白人至上主義者がシャーロッツビルに押し寄せていたようだ。

もともとの発端は、市側が「解放公園」にある南軍の銅像(最初はよく聞き取れなかったがリー将軍の銅像のようだ)を撤去しようとしたことに対して、白人至上主義者が抗議したことだったようだ。このデモが暴徒化し、デモに抗議する人たちが現れた。このデモでは「聞くに堪えないような」ヘイト発言が飛び交っていたという。

デモは1日経っても沈静化しなかったのだが、カウンターの人たちに対して車が突っ込んだ。のちにオハイオ州に住む白人の青年が運転していたということがわかった。2016年に共和党に登録しているということなのでトランプ支持者だったものと思われる。警察は「前もって計画されていた」としている。また、多くの周辺証言によると、事故ではなく意図をもって突っ込んだように見えているのだという。ABCの追加取材ではフィールズはヒトラーの支持を隠さなかったといい、ダッハウの強制収容所を訪れた際には「ここで奇跡的なことが起こった」と語っていたという。さらに陸軍の基礎訓練を受けたが基準に達しなかったために修了書を貰えなかったということだ。

これをテロだと指摘する人は多いが、トランプ大統領は事件を「sad(悲しい)」 として非難したもののテロだとの指摘はしなかった。トランプ大統領のスピーチは聞くに堪えないものだった。まず、反応が遅れ、マスコミから避難された。退役軍人に対する法律にサインをしたことを発表する場で「ついで」のように言及された。

トランプ大統領は、アメリカにはずっとこのような問題があってオバマ大統領の時代にはじまったわけでもなく自分の時代に始まったわけでもないと言い訳した。そのあとはアメリカでは仕事が増えており貿易協定にも着手しているから暮らしはよくなるはずだと自分の政策を賞賛するようなコメントがあった。

トランプ大統領は白人至上主義者や白人労働者層に支持されており、こうした人々の支持を失いたくなかったものと思われる。と、同時に物事がうまく行っていなくても自分の成果を自慢したいという衝動にかられるのだろう。

このトランプ大統領のどっちつかずの対応は、共和党からも民主党からも非難されている。この事件には多くの側面がある(原文ではon many sides)と言っているのだが、はっきりとテロだと言及した上でこうした行為は無条件に避難されるべきだというのである。が、これは当然の対応だろう。

トランプ大統領は北朝鮮を挑発して状況を悪化させている他、ベネズエラに対しても軍事的な干渉をほのめかしている。だが、実際には国内の状況すらまともにコントロールできていない。これに追従しようというのが安倍首相の方針のようだが、これはかなり危険な賭けなのではないかと思われる。

日本ではアメリカが安全保障のキーになっており、あまりアメリカの大統領が国内統治に失敗しつつあるということは知らせたくないのではないかと考えらえる。これは首相派のメディアも反首相はのメディアにも共通した姿勢なのではないか。NHKが短くトランプ大統領の対応には批判が出ていると伝えている。周辺情報としてはシャーロッツビルは民主党支持者が多い街であり、KKKなどの白人至上主義団体が抗議行動を活発化させていたと伝えているところもある。中には白人至上主義運動とナチを結びつける人たちもいたそうだ。

時事通信社は3名が死亡したと書いているが、2名は警戒に当たっていたヘリコプターの墜落事故だったようだ。この事故と車が突っ込んだ件は正確には別件なので、事実誤認とまではいかないが少し紛らわしい書き方だ。

だが、実際にはアメリカの混乱がTwitterなどを通じて直接伝わることになっている。例えばNHKしか見ないような人たちと、こうした状況に触れる人ではそもそもの情勢認識が異なってくるものと考えられる。

Twitterを見ていると、アメリカの情報をリツートしている人が大勢いるので、英語のソースにダイレクトで触れることができる人はかなり多いのではないかと思う。

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