ざっくり解説 時々深掘り

今治市としまなみ海道

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加計学園の問題が国会で審議されているが、今治市がどこにあるかということがわかると少し面白く見られるかもしれないなと思い地図を起こしてみた。

近畿・三陽地方から四国に渡る道は3つある。また四国には徳島・高松・松山からなる軸があり、南には高知に伸びる道がある。

地図上では神戸からの道が途絶えているが、大阪には阪神高速道路網があり、人口が密集する近畿地方には複数の道が延びている。

しまなみ海道と呼ばれる道は実際には西瀬戸自動車道と呼ばれているそうだが、実は尾道市側では山陽自動車道とつながっておらず四国側でも高速道路網につながっていない。だから例えば大阪から松山に行くときには合理的なルートにはならない。

このため結果的に今治市は高速道路網から取り残される結果になっている。現在問題になっている土地はしまなみ海道の南の端にあたる。もともとは高速道路網が完成し本州側から人が大勢四国にくるだろうという前提のもとで土地開発がなされたのだろうが、実際には道路がつながることはなかく、土地の価値は当初のもくろみ通りにならなかったのだろう。

なぜつながらなかったのかということはわからないのだが、本州とのルートは既に2つあり、わざわざ3つ目を作る必要がなかったのではないかと思われる。

今治市には鉄道は通っており、こちらは徳島・高松・宇多津・新居浜・今治・松山と結ばれている。宇多津から岡山まで鉄道が結節している。モータリゼーションのために今治市の地位が低下しているのがわかる。高速道路網から取り残されてしまったことで、地位の低下が起こり、そこに工業団地やショッピングモールなどの誘致が難しかったことがわかる。

船便では高松から神戸に渡るフェリーがあり、徳島からは和歌山市に行けるそうである。広島から松山に行けるルートもある。が、今治には直接本州に渡ることができるフェリー航路もない。つまり、今治は交通上は半島化しているということになる。

加計学園は銚子にも学校を作っているのだが、こちらも半島化した上に近隣に大きな工業地帯が作られて人口が流出しているという問題がある。また、木更津と川崎の間に道路が通ったが人口が増えるなどの現象は起きていない。つまり道路が造られたからといって、産業が起こるということにはなっていない。

この問題は学校と教育の問題なのだが、実は衰退する地方の問題でもあるという視点があると、別の視点が得られるかもしれない。国家戦略特区は安倍首相らの利益供与に利用されているという見方もできるのだが、多少政治家に食い物にされてもそれに依存しなければならない地方と言う事情もあるのだ。

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