今回はメモ程度に発達障害について書く。なお最初に断っておきたいのは、この文章には結論はないということだ。なんらかの答えを求めている人は読まない方が良いと思う。なお、幾つかの文章を読んでみたが「右脳の障害だ」と言い切っているウェブサイトもあり、安易に結論に飛びつくのは危険なように見える。
まずはじめに発達障害という言葉にはいくつかの概念を含んでいるようだ。主にADHDと自閉症スペクトラムという概念があるらしく、これが重なっているという人もいるようである。原因ははっきりしないので、対処法もはっきりとはしていないが、アメリカでは多くのADHDと診断された人たちが投薬治療を受けているという統計もあるそうだ。
NHKの番組によると、発達障害と診断された子供の母親は認めたくないという気持ちを持つ一方で、ほっとしたという気持ちにもなるのそうである。こうした症状を持つ子供は、単にわがままなだけに見えるのでお母さんの躾のせいではないかと言われることが多いのだろう。
このことにはなんとなく思い当たる節がある。知り合いにドタバタと落ち着きまわり、YouTubeが見たいと言い始めると誰のいうことも聞かなくなる子がいるのだが、やはり「安易に子供にスマホを渡すのがいけないのではないか」などと思ってしまう。が、普通の子供は幼稚園なり小学校に入ると、机に座って一定時間座って先生の話を聞けるようになる。いわゆる「普通」の子供なのかそうではないかということはこの時に決まるのだろう。つまり、じっとしていられない子供もいるのである。
が、こういう子がどれくらいいるのかということは実はよくわからないようだ。2012年に文部科学省が調査した資料があるというウェブを見つけた。孫引きになってしまうが、発達障害ではないかと先生が「自己診断」した生徒は6.5%いるそうだ。この数字は専門家の診断を受けた数字ではないということである。このように捕捉されるようになった生徒の数は20年の間に7倍になり、90,000人を超えたのだという。
が、こうした人たちがすべて「特殊学級」に入るとすれば、もはやマイノリティではあっても障害とは言えないのではないかと思える。例えばメガネという装具がないとものを見るのに困る人は30%いるという数字があり、近視を「視覚障害」という人はいない。すると、発達障害も障害なのかということはよくわからなくなってしまう。例えばメガネがあっても黒板が見えない人がいるならそれは通常学級とはいえないわけで、じっと座って授業が受けられない人が、例えばアメリカ並みに10%もいるようになれば、それは通常学級が変わらざるをえないのではないかと思えるのだ。
さらに、じっとしていられない子供と手足が自由に動かせない子供が必要なケアは違うだろうから、これらを一緒くたにして「通常の学習に耐えられない」という理由だけで別枠でくくるというのも乱暴なのではないかと思える。
発達障害がなぜ起こるのかということはよくわかっていないようだ。先進国に多く、発展途上国に少ないという統計があるようで、遺伝による影響とは考えにくいという。現在では様々な犯人探しが行われている。日本型の雇用環境が悪いという人や、添加物がよくないという人もいるようであるが、これもよくわからない。個人的にはスマホなどの過剰な情報に触れているのが悪いのではないかなどと思うのだが、これも単なる思い込みの域を出ない。
この文章は幾つかのウェブサイトを参照した。
(*1)本調査における「1.児童生徒の困難の状況」については、担任教員が記入し、特別支援教育コーディネーターまたは教頭(副校長)による確認を経て提出した回答に基づくもので、発達障害の専門家チームによる判断や、医師による診断によるものではない。従って、本調査の結果は、発達障害のある児童生徒数の割合を示すものではなく、発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合を示すことに留意する必要がある。