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ヤンキーにさえなれなかった安倍首相

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結局、安倍首相が衆議院で丁寧な説明をすることはなかった。この人はまるでヤンキーだなと思った。「俺らルール」を振りかざして国民を巻き込んで大暴れしている。しかも、全く罪悪感は感じていないらしい。

が、よく考えてみるとヤンキーにすらなれていないのではないかと思った。根性がまるで座っていないのである。「選定に関わっていない」とか「加計学園がかかわっているのは知らなかった」などといいつつ「では首相の椅子を賭けるのか」と野党議員に詰め寄られると、そんな約束はしないと日和った。部下まで巻き込んで嘘をついているわけだからせめて最後まで嘘を突き通せばいいのにと思った。

加計学園は安倍首相の特区認定なしではやって行けない。年限を切っているのは、その頃から借金の返済が始まるからだといわれているそうだ。つまりその時までに新しい収入がないとお金を返せなくなってしまうのだ。まず、土地を手に入れて銀行から融資をしてもらえる状況を整えなければならなかったし、入学金や授業料などの実収入も必要なのである。だから安倍首相はダチのために嘘をつきはじめたら、その嘘をつき通す必要があるのだ。

さらに今治市は「首相が推進しているプロジェクトだから」という言葉を信じてすでに土地開発公社から土地を買い取っている。土地公社には県の金が入っているそうだが、昨日の加戸前県知事の話によると、愛媛県は今回の学校誘致からは撤退しているそうなので、市だけが「首相のペットプロジェクトだから」という形でリスクを抱え込んでいることになる。もし「首相が知らなかった」ということになり大学誘致が頓挫すれば市の財政は大変なことになってしまうかもしれない。

確かに特区を使ってお友達に利益配分するというのは悪いことなのだが。すでにそれを当てにしている人たちがいる。本物の不良だったら、一度悪事に手を染めると決めたら、とことんまで行って欲しいとさえ思う。それすらできないところに安倍首相という人の底の浅さを感じざるをえない。

だが、安倍首相に必死さはない。国会でこの件を追求されている時には全く悪びれる様子はなく、逆ギレしていた。それが評判が悪いと感じると、一応は殊勝な顔をして見せた。職員室に呼び出されて反省したふりをしている不良のようだ。しかし、プロジェクトを最初から見直すつもりはないようなので、なんとか乗り切れると思っているのだろうし、次からはもっとうまく言い逃れれられると世間をナメているのだろう。

加計理事長にも反省する様子はない。文部科学省から「ちゃんとした計画を出すように」と言われていたようだが、それに対応をしていないのではないかと思われる。みんなからやってもらって当たり前だと思っているのだろう。

加計学園が銚子市で経営する学校は文部科学省から「大学レベルの授業をやるように」と勧告を受けている。結局は配下の高校の受け皿なので、英語はBe動詞や過去形からやっているようだ。国会では岩盤規制がどうとか言っていたが、実は認可が降りなかったのは実力が足りないからなのだ。情けないのは文部科学省は官邸からの人事での報復を恐れて何も言えなくなっているということである。

そればかりか田崎史郎さんのように、前から首相を知っていたし応援していたという理由で、首相をかばい続けるジャーナリストもいる。その意味では大人たちも根性が座っておらず、不良たちに振り回されている。

怖いなと思ったのは、こうした不良になりきれない金持ちの人たちの理屈に日本中が振り回されているということである。この数ヶ月というもの、大した政策的な話は進捗していない。騒ぎになったのは、警察に大きな権限を与える共謀罪問題と、学校認可関係のゴタゴタ(しかも一つは右翼系の教育勅語を教えるというとんでもない学校だった)問題と、防衛省内部のゴタゴタからくる日報問題だけだった。その間政策論争は全く行われておらず、現実的な問題は議論されていない。

この大人になりきれず、責任感のかけらもない人たちが今度やろうとしているのが憲法改正である。さらに、数ヶ月は大混乱が続くだろうと考えると、なんだかうんざりする。

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