最近部屋の模様替えをした。元来無計画なタチで模様替えをするときにはいきなり家具を動かす。
だが、部屋の広さの割には家具がたくさんあって、いつも嫌になって途中でやめてしまう。パズルみたいになってしまうからだ。だから、部屋がごちゃついていてとても乱雑な感じになっている。
ようやく、これは馬鹿らしいということに気がつき、今回は家具の大きさを計測してIllustratorで平面図を作って「ああでもないこうでもない」とやった上で家具を動かした。
頭の体操をしてから家具を動かすと生理ができるのでいくらかはましになる。部屋がごちゃついている原因は多分、モニターや背の高い観葉植物が部屋のど真ん中にあることだと思えた。視界を遮って部屋を分断しているのだ。そこで、こうした背の高いものを壁際に移動させてゆく。その上で空いたスペースに観葉植物などを配置した。
で、終わってから、3Dソフトを使えばもっと具体的なイメージがわきそうだと思った。とはいえ3Dソフトは高そうだし、操作が難しそうだ。そこで、昔試しに使ったことがあるソフトを思い出した。それがSketch Upだ。かつてのSketch Upは正確に大きさが測れなかったような記憶があった。適当にものを置いてゆくのであまり正確なものが作れなかったように思う。毎年更新されているらしく、今年のバージョンはSketch Up2017という名前がついている。30日間のお試しでProバージョンも使える。
一番簡単なのは四角形を作ることだ。なのでひたすら四角形を作ってゆく。これは平面図を作ってあったので簡単に終わった。数字を入力すると実寸大の四角形がたくさんできる。それを押し出して立体にするのだが、これも高さが数字で指定できるようだ。これだけでもなんとなくイメージが湧く。この段階で家具の配置を変えてみてもよさそうだ。おじさんを立たせてみる。Sketch Upのスタッフの人だそうである。
モニターとかパソコンなどの素材はフリー素材がたくさん準備されている。モデラーの人たちが無償で提供しているらしいのだが、とても精度が高い。使い方は簡単で単にコピペして部屋に配置するだけである。すべて実寸表示なので机にモニターが乗り切らないところまで正確に表現できた。
やっているうちに欲が出てきて、無印良品の棚を自作で再現してみることにした。本物の棚を組み立てるのと同じ要領で組み上げてゆく。Illsutratorだと整列を使って端を揃えてゆくのだが、Skecketh Upは要点同士がスナップするようになっていて、意外ときっちり合わさる。コツはグルーピングだと思う。立体を作っただけでは線と面の組み合わせなのでオブジェクトとして選べない。これをグループ化し、さらにユニットをグループ化する。こうして最終的なオブジェクトを作るのだ。この棚の場合、支柱と棚板が独立したグループになっていて、これを組み合わせて棚一段分のグループを作る。さらにこれを組み上げて棚を一つのグループにするのだ。
組み立てた家具を配置して、壁も設置したところ。全体図はこんな感じだが「家具を減らした方がいいのかなあ」などとも思う。もっとちゃんとやろうと思えば多分窓の配置などもできるはず。
植木鉢なんかを作っているモデラーの人もいるので植物を使わせてもらった。白い植木鉢はなかったので自作してから他の人が作った植物を植える。実際には左側にはベゴニアが植わっている。今は植物でごっちゃごちゃになっているスペースなのだが、多分植木鉢を減らした方がよいことがわかる。
このツールのすごいところはお昼頃に思いついて開始してから何の予備知識も訓練もなしにそれなりの計画図が作れてしまうことではないかと思う。パソコンの速度もそれほど早いものではないので、ずいぶんお気軽に3Dソフトが使えるようになったのだなあと思った。
なお、Pro版はかなり高価で12万円程度するようだ。商用で使う場合にはProを購入する必要があるという。他ソフトとの連携にもPro版が必要なのだが、このレベルの使い方だと無料版でも十分に使えそうだ。
今回は天空に浮いたようになっている板が数枚あるが、実はこれは細かいアールのついた二本の支柱で壁に凭れかかるタイプの本棚だ。こうした細かいアールは他のソフトとの連携が必要かもしれない。身近なものだとコーヒーメーカーとか電気ポットのようなものが実はかなり複雑な曲線で構成されていた。試しに作ってみたが直線ではちょっと無骨になった。一応大きさはわかる。
もうじきゴールデンウィークなので、まとまった時間に部屋の模様替えなどいかがだろうか。実際には並べなおすよりも計画している時の方が楽しいのだ。いったん部屋のモデルができたら、あとはお気に入りの家具などの形状を計測して、部屋においたらどう見えるかをシミュレーションすることもできる。まあ、実際に家具を買うのは高いし、失敗しても簡単には捨てられないけど、パソコンの中なら無料でいくらでも試すことができる。特にIKEAの家具などは豊富に揃っている。実際に家具を買うわけではないのでいらなくなったらデリーとすればいいだけだ。