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「日本には四季があって美しい」というエセ保守をしかる

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朝起きて窓の外を見て「日本には四季があって美しいというやつはバカだ」ということに気がついた。季節外れの霜が降りていたからだ。この季節に霜が降りるとまだ根付いていない植物が枯れかねない。
お彼岸が過ぎると様々なイベントがやってくる。まずはヒカンサクラが咲き、続いてソメイヨシノが咲く、最後にヤエザクラが咲いて終わりになる。この間には足元でムスカリやクリスマスローズが開花し、ユキヤナギが可憐な花をつける。つまり植物はカレンダー代わりになっている。
確かにこの移り変わりは「生きていてよかったなあ」などと思うほど美しいのだが、単に「綺麗だね」というだけでは終わらない。準備している苗を外に出したり、地植えする植物の種を準備しなければならない。早すぎると霜に当たってしまうし、遅すぎると夏の暑さに間に合わない。例えばトマトなどは暖かくなってから外で発芽させたいのだが、夏には間に合わないので、室内で苗を準備しなければならない。
現在は温室技術なども発達しているのでそれほど気にしないのかもしれないのだが、気象情報もない先祖にとっては季節の移り変わり目は死活問題だったはずだ。カレンダーなど何の役にも立たない。植物を見たり、山岳地方では渓谷の雪の溶け具合などを見て気温の移り変わりを感じていたはずだ。
もちろん四季がある地域は多いのだが、小麦は寒さに当てて成長させるのでそれほど季節にはセンシティブにならないのではないかと思う。稲はもともと熱帯の植物なので日本では作れる時期が限定される。そこで四季(特に冬から春)の移り変わりには特に敏感にならざるをえなかったのだろう。
つまり春の花が美しいのは「ああ、今年も稲が育てられるね」ということであり、四季があるから他の地域よりえらいという意味ではないのである。こういう考え違いが多いのは、自分で植物を育てる経験をしないからだろう。つまり伝統から切り離されてしまっているのだ。
だから、米か野菜を数年育てた経験がある人でないとその気分はわからないから、彼らには保守を名乗る資格はないのだ。
 


Comments

“「日本には四季があって美しい」というエセ保守をしかる” への2件のフィードバック

  1. M.MATSUBAのアバター
    M.MATSUBA

    北は北極圏から南はギリシャ・ポルトガルまで、ヨーロッパ全域に四季はありますね。
    私が知っているのはイギリス、ポーランド、イタリア、フランス、スイス、ギリシャくらいですが、それぞれ少しずつ違ってそのどれもが美しいです。
    カナダにも四季はあり、これまた美しい。
    行った事は無いですが、北アフリカにも四季はあるそうです。
    多分世界中やっぱり四季ってあるのではないですかね。
    こういうと、「でも日本の四季ははっきりしていて云々(でんでんではありませんw)」と言って日本だけ特別だと思いこもうとする輩がいますが、例えば日本のジメジメとしてやたらと蒸し暑い夏は全然自慢にならないと思うんです…
    とりとめもなくてすみません。

  2. そういえば、ヨーロッパってロンドンとかパリみたいな都市にしかいったことがないので、あまり自然を満喫したことがないです。うらやましいなあと思いました。コメントありがとうございました。

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