今回の下落を受けて「底値を見て株を買い足したい」という人がいる。これを押し目買いという。押し目買いとは上昇基調にある株が一時的に下落したときに買うことを意味するそうだ。
しかし専門家の間ではトランプショックが長引けば金融市場に取り返しがつかない大きな傷がつくと考えられており上昇基調が続くかどうかは微妙な情勢だ。「落ちてくる剣は掴むな」と警告する人もいる。確かに剣が床に落ちてから拾っても遅くはないだろう。
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トランプ大統領の意思決定には合理性はない。これは別のエントリーでまとめる。さらに間違いを認められないという性格も災いしている。世間の反発に対して引っ込みがつかなくなっているようだ。
ただこれまで株価は一貫して上昇基調にあったため、今回も一時的な下落だろうと考える投資家は多い。アメリカの個人投資家は10年後を見据えて株を買い増す方向だという報道もある。
しかし投資のプロは「押し目買いは待ったほうがいい」と言っている。押し目買いとは上昇基調にある株価が一時的に下落したのを待って買い増す行動をさす。問題は「株価が今後も上昇基調にあるのか」という点だ。
株式市場が安定するためには金融政策と政策当局が金融市場の安定二十分コミットしている必要がある。仮にウォールストリートや議会がトランプ大統領を押し戻すことができれば、今回の件はちょっとしたトランプ大統領の気の迷いだったということになるだろう。トラスショックでトラス氏が首相を退任したときには首相が間違ったとしてもイギリスというシステムには抵抗力があるという認識が生まれた。
しかしながら今回は若干雰囲気が違っている。問題は金融市場の崩落のスピードが早すぎることと、周囲がそれを止めることができていないという点にある。
このため「押し目買いは控えるように」というメッセージが出ている。
今後の注目ポイントはいくつかある。1つは金融当局の動向だ。FRBは緊急利下げに踏み切るべきだという意見が出ているがFRBはトランプ関税の影響を見極めきれていないようだ。このため為替(ドル円・円ユーロ・ドルユーロ)をチェックするたびに水準が激しく上下動している。ただし現在のリセッション予測を45%程度においている証券会社もある。まだ50%を下回る水準といったところ。トランプ大統領が関税政策を諦めさえすれば問題は解決する。
議会はトランプ大統領の真意を確かめるために代表を立てて話を聞きに行こうとしていると言った段階。
ただしトランプ大統領は株価の下落にかなり焦りをつのらせている。Truth Socialで「株を売るな」と連呼しているそうだ。
確かに現在下落している株価はそのうち再上昇するかもしれない。しかし「落ちている剣は掴むな」という言い回しもある。床に落ちてから拾えばいい。