「アメリカ合衆国への重点投資は危険だ」という説まで語られ始めている。トランプ大統領の現状把握能力には疑問視がつきはじめているのだ。
カナダのカーニー首相とトランプ大統領が会談を行った。トランプ大統領は対話は建設的だったと主張したがカーニー首相は従来の米加関係の終わりを宣言している。
トランプ大統領の「ディール」戦略は破綻しつつある。
トランプ大統領のメインシナリオは極めて単純なもの。
まず乱暴な提案(これを彼はカードと呼ぶ)を投げて相手を屈服させる。そしてその後で「建設的な対話」を行い相手から引き出した譲歩を戦利品として誇示する。
ただしトランプ大統領にプランBはない。戦利品が得られないとわかるとディールに飽きて問題を放りだしてしまう。
米加電話会談のあと、トランプ大統領は「閣僚級会合が行われることになった」と対話が建設的だったことを強調した。
しかしカナダにはカナダの事情がある。
国内の経済政策に行き詰まりつつあり「カナダ版(つまりかなりマイルドな)トランプ」と言われることもある保守党のポワリエーブル氏に期待が集まっていた。カーニー首相はなんとしてでも総選挙に勝つ必要がありこのところトランプ大統領を仮想敵のように扱っている。
英語でABCニュースを聞いたときには「米加関係はこのままでは破綻するだろう」と言っているのだと思ったのだが、実際には「もう終わった」と宣言したそうだ。報復関税などが打ち出されるものと考えられている。
カーニー氏は記者会見で「深い経済統合と安保協力に基づく米国との古い関係は終わった」と改めて語った。50億カナダドル(約5200億円)規模の基金を設置し、港湾や鉄道などのインフラ整備を進めると表明。貿易相手国の多様化を進め、米国への依存度を下げる狙いだ。
米大統領「非常に良い対話」 カナダ首相、報復関税を警告―電話会談(時事通信)
永田町の馴れ合いプロレスに甘やかされた政治家たちと違い先進国の首脳たちはトランプ大統領によってもたらされる変化を積極的に利用しようとしている。ヨーロッパの場合は民衆もかなり過激で移民排斥などを訴える極右も台頭も顕著なトレンドになっている。
冷静な投資家たちはトランプシナリオの破綻を折り込みつつあるようだ。
トランプ大統領の稚拙なシナリオは問題を悪化させるだけでインフレが加速するのではないかという観測が出ており株価に影響を与えている。
すぐにインフレになるとは考えられていないようだが「5〜10年先」にはインフレが起きるだろうと考える人の割合が32年ぶりの高水準になった。トランプ政権の減税政策に期待していた人たちが落とし所のない関税戦争の「宣戦布告」を受けて考えを変えたようだ。3月に入って急激にインフレ期待が高まった。
FRBはこれをアウトライヤーとみなしているそうだ。つまり、実際には経済は好調なのだが人々の悲観が先行していることになる。ただ、積極的に積極的に消費を行いたいという人が減り始めている。
こうしたトレンドもあり「これまでのようにポートフォリオをアメリカ中心に置くのは危険ですよ」とBloombergは伝えている。
「米国第一」トレードは最悪の選択、不透明な政策下で勝者は分散投資(Bloomberg)
とはいえすでに高値で掴んでいるアメリカ株を手放すわけにはゆかないのだからしばらくは塩漬けにしておくしかないのかもしれない。
過去の業績から「安心・安全」という理由でインデックス連動型の投資を行うべきだというYouTubeをよく見かけるがしばらくは慌てず騒がず情勢を見極めたほうが良さそうである。
コメントを残す