戦争計画チャット流出問題でヨーロッパへの敵意を剥き出しにしていたバンス副大統領がグリーンランドを訪問する。この機を捉えてプーチン大統領がヨーロッパを揺さぶっている。アメリカ合衆国のグリーンランドへの野心は本物であるとしたうえで「油断するな」というのだ。ウクライナ問題ではトランプ大統領と交渉する姿勢を見せつつその本心はアメリカ合衆国との協力関係の構築ではなく「敵陣営」を分断することにあるのだろうとわかる。
バンス副大統領はチャット問題でヨーロッパに対する敵意をあからさまにしていた。グリーンランドでは新しい政権が発足したばかりで独立派は政権構想に参加しない。そこに乗り込み「デンマークはグリーンランドを放置しておりアメリカが所有したほうが暮らしが良くなる」と宣伝するものと見られている。そのやり方は極めてあからさまで「戸別訪問」を試みたそうだ。
これを好機と捉えているのがプーチン大統領。アメリカのグリーンランドへの野心は本物であるとしたうえで、ロシアはアメリカの動きとは無関係であると強調している。
プーチン大統領の発言に付いての解釈を巡ってメディアの解釈は別れている。ウクライナとグリーンランドは別であると解釈したメディアもあるがBBCは「北極圏でも米ロ接近か?」としている。ロシアはアメリカ合衆国と資源取引を拒否しないというメッセージの意味合いを巡ってヨーロッパは揺れている。
疑いの背景にあるのがアメリカのウクライナに対する鉱物資源問題だ。ウクライナはアメリカに優先交渉権を与え得るべきとしている。Bloombergの見出しによればヨーロッパを排除するものということになる。
一時期「トランプ政権は狂人戦略の使い手だ」と言う見方が支配的だった。しかしチャット問題で「単なる素人の集まりで機密情報すらまともに管理できない」という評価が生まれつつある。実際に漏洩した情報の一部はイスラエルから取得したことがわかっている。つまり今後アメリカの協力国はアメリカの高官にやすやすとクリティカルな情報は渡さなくなるだろう。実際に曖昧戦略に成功しているのはプーチン大統領である。スパイ出身の大統領に思いつき素人集団が勝てるはずなどない。
アメリカには古くから「テクネイト・オブ・アメリカ」という構想があるとされており北極圏グリーンランドから中南米の一部までをアメリカの自活圏にしようという構想も含まれるとされる。これを煽ることでロシアがアメリカを欧米分断のコマにしていると言われても「まあそんなこともあるのかな」と思えてしまう。あまりにもプーチン大統領有利に話が進んでいるからだ。
ウクライナ問題でトランプ大統領と「交渉」しようとしているロシアの真の狙いはトランプ大統領を暴走させヨーロッパとの間に深刻な亀裂を生じさせることであるということがわかるが、トランプ大統領の「働きぶり」はプーチン大統領の期待以上だった。
そんなプーチン大統領の次の狙いはウクライナ紛争の既成事実化である。ロシアがウクライナを侵攻しなければそもそも危機などなかった。しかしこの状況を固定化し「ウクライナ当局には管理能力がないですよね」と言っている。ヨーロッパやNATOが介入することに関しても快く思っておらず「代わりに国連で管轄してみては?」と提案した。国連安保理の常任理事国であるロシアは国連を事実上麻痺状態に置くことができる。
地球儀をチェス盤のように俯瞰し様々な工作を仕掛けるプーチン大統領だが、まるで水を得た魚のようにイキイキして見える。トランプ大統領はその手のひらの上で泳いでいるに過ぎない。
コメントを残す