石破総理が「強力な物価高対策」を打ち出し波紋が広がっている。あくまでも個人的な憶測だが、石破総理はちゃんと寝ていないのではないかと思う。
この不規則発言は結果的に玉木総理大臣への一歩につながるのかもしれないと感じる。玉木雄一郎国民民主党代表に思わぬ見せ場を作ってしまったからである。順番に状況を整理してゆきたい。
公明党の斉藤代表が石破総理を訪問した。連立与党で自民党と運命共同体になっている公明党は「政治とカネ」の問題では自民党と距離を置いている。とはいえ大阪で維新とライバル関係にあるため、維新を排除し国民民主党と組みたい。もともと公明党を嫌う麻生太郎氏(公明党をガン呼ばわりしていた)が国民民主党を引き入れ公明党外しを画策していたなどと考えられていたのだからかなり大きな情勢変化が起きていると行ってよいだろう。斉藤代表は「自民党の政治とカネの案には乗れません」とわざわざ宣言し石破総理が公明・国民案を支持するように呼びかけている。
ところがここで石破総理が「強力な物価高対策を打ち出す」と宣言してしまう。通常は補正予算を指す。本予算も成立していないのに補正予算について言及すると「今の予算は経済対策になっていない」と自ら認めたことになってしまう。と同時に「政府が大胆な支出を行うのではないか」という予想が市場の期待感を煽りかねない。
当然立憲民主党は本予算に不備があると指摘している。
立憲民主党の大串博志代表代行は記者団の取材に応じ「国会で審議中の25年度予算案は不十分だということになる。極めて問題だ」と批判した。
首相、強力な物価高対策を検討 2025年度予算成立後に(共同通信)
商品券問題で支持率が低下し党内でも孤立感を深めているとされる石破総理には何らかの焦りがあったのだろうと考えられる。こうした当然の指摘が出ることを予想できなくなっているのだ。
しかも石破提案の内容をよく見てみると国民民主党の主張するガソリン価格の抑制策+米価対策(おそらくは備蓄米のさらなる放出)である。ネットで国民民主党案を見ている支持者や現役世代からしてみれば国民民主党の主張しているガソリンの二重課税の是正などは「当たり前」のレベルの話に過ぎない。また米価対策の備蓄米放出はJA全農に対する救済策に過ぎず今のところ効果は確認されていない。
石破茂首相(自民党総裁)は25日、公明党の斉藤鉄夫代表と首相官邸で会談し、2025年度予算案の成立後に「強力な物価高対策」を打ち出す意向を示した。高騰するコメ、ガソリン価格の抑制策が柱となる見通し。国民生活に直結する政策を、政権維持が懸かる夏の参院選の「目玉」としたい考えだ。
石破首相「強力な物価高対策」策定へ 参院選控え、コメ・ガソリン抑制(時事通信)
これを受けて「補正予算ですか」という質問が記者から出たのだろう。林芳正官房長官は「補正予算はない」と否定している。
林芳正官房長官は25日の会見で、物価高に対応するため2024年度補正予算や25年度予算に盛り込んだ政策を総動員すると述べた。会見に先立ち、石破茂首相が公明党の斉藤鉄夫代表に、予算成立後に強力な物価高対策を打ち出す考えを伝えたと、共同通信が報じていた。
物価高対策に向け政策総動員-新たな予算措置はないと林官房長官(Bloomberg)
こうなると、石破総理が自ら「強力な」とハードルをあげた形になりがっかり感のほうが先行するだろう。
結果的に国民民主党が28日に新しい経済対策を打ち出しますと宣言することになった。玉木雄一郎代表は「暑くなる夏にエネルギー補助金が打ち切られる」と政府の経済対策に不満を表明しており「手取り増」を期待する現役世代からの期待を集めている。
小沢一郎氏が「野党が結集できるなら野田佳彦でなくても構わない」という趣旨の発言をしている。小沢一郎氏は権力の中枢に座り裏から総理大臣を支配したいという願望を持っており「そのためには誰でもいい」ということなのだろうが、マスメディアの一部から出ている玉木首班論に呼応したのかもしれない。小沢氏は誰を担いでもいいと主張しており「新しい首班は自分の神輿に過ぎない」と暗に宣言してしまっている。この人も昭和の感覚が抜けない人だ。
石破総理がもともと「自分の発言にマスコミがどう反応するのか」を計算できない人なのか寝不足で頭が回らなくなっているのかはよくわからないが、いずれにせよ結果的に「自民党(石破)案 vs 国民民主党(玉木)案」という構図となっているのは面白いところだ。
埋没を避けるためには立憲民主党も何らかの派手な案が必要になる。一部で消費税減税などが検討されているなどと伝わっている。国会審議は27日に集中審議が行われるそうだ。立憲民主党は衆議院と同じかそれ以上という条件をつけており「参議院のほうが3時間上回る」ことになるそうだ。時間=一生懸命議論しましたというのが今の国会の「計数化」なのだろう。