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強引に両手を掴み 王毅外相のリーダーアピール

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日本の議員らが王毅外相を中心にガッチリとスクラムを組んでいる映像を見た人は多いのではないか。世界の新しいリーダーである中国を日本の政治家たちが受け入れた瞬間だと説明しても驚く人はいないだろう。

状況の変化について行けなくなった高齢政治家が日本の意思決定を阻害しているのは明白だ。若手は当惑しながら後ろから見守ることしかできない。

トランプ大統領の台頭で日米同盟が空白化する中、肉体的にも精神的にも高齢化した日本の政治家たちは中国の台頭に太刀打ちできないようである。

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王毅外相が訪日し日中友好団体と交流した。

前段を見ると王毅外相が隣の森山裕・河野洋平氏の手をぐっと握り強引にスクラムを組ませていることがわかるが、完成した動画を見ると「何者か」に向けて日中のスクラムを強調してみせたという映像しか残らない。

シビアな権力闘争を勝ち抜いてきた剛腕政治家と高齢化した日本の政治指導者では最初から勝負があったようなものである。後ろで見守る小渕優子氏ら若手はどこか当惑したような表情を浮かべているようにも見えるがその内心はよくわからない。

おじいさん政治家たちは愛想笑いを浮かべている。

王毅外相はトランプ大統領を念頭に高まる保護主義に警鐘を鳴らしており、アメリカの同盟国日本は中国の宣伝に利用された形となる。

中国は一方的に「日本はこれまでの中国の外交方針を認めた」と情報発信をしており石破政権が否定する騒ぎとなっている。しかし読売新聞を読んでも一体政府が何に反論しているのかがさっぱりわからない。

毎度毎度日本のマスコミの弱体化を外国のメディアを使って紹介するのも気が引けるのだがBloombergを読んで初めて事情がわかった。

中国側の声明では、石破首相が尊重するとしている立場について明確にされていない。一方で、王外相が日本に対し、日中外交の基礎となる四つの文書の順守や両国関係の法的基盤の保護などの要求に加えて、歴史問題や台湾問題に関する重要な政治的コミットメントを誠実に履行すべきだと述べたとしている。

日本政府が中国に抗議、石破首相と王外相の面会内容「事実と異なる」(Bloomberg)

ここでいう4つの文書に関しては人民日報の資料が見つかった。要するに敗戦国である日本は戦勝国である中華人民共和国の決定に服従しなければならないという内容で逆らうことは許されないということになる。

共産党政権の作った歴史観によれば抗日戦線を戦った戦勝国=共産党ということになっているのだろう。日本はそれを認めましたよと言っているということだ。

政府も読売新聞も主張があるならば「何が違っているのか」を言えばいいと思うのだがトランプ大統領の台頭を背景に日米同盟への信頼は大きく揺らいでいる。トランプ政権の新しい敵国には日本も含まれている。

ある当局者によると、この問題を議論する際、トランプ氏は貿易を悪用する国・地域として、欧州連合(EU)とメキシコ、日本、韓国、カナダ、インド、中国を挙げたという。

トランプ相互関税は一部の国・地域除外か、一斉射撃でなく的絞る公算(Bloomberg)

こうした事情があり読売新聞は何が違っているのかを書けなかった。石破政権も中国政府の機嫌を損ねることを恐れて何が事実と異なっているのかについては説明していない。中国に対する遠慮ぶりが目立つ政権だ。

トランプ大統領の台頭により日米同盟が変質しつつあるという明白な事実も認められないため意思決定に複雑な心理操作が必要になる。さらに日頃から物事を論理的に捉える習慣がないためいつまでも「アメリカについて行ったほうがトクなのか」「それとももうアメリカを頼れないのか」を迷い続けることになる。

メリット・デメリットを逡巡しているうちに一体何をどう考えていいのかわからなくなってしまいやや強引な王毅外相にいいように政治利用されてしまったということになるだろう。

おそらく今の政権では激変する世界情勢の変化にはついて行けないのだろうが、かといって代わりになる政権が出てくるとも思いにくい。日本はこうして何も決められないまま政治的に漂流することになるのかもしれない。

愛想笑いで情勢の変化を誤魔化してきたツケが今になって現れているといえるだろう。

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