3月24日からマイナンバー免許証の運用が始まった。この混乱ぶりを見るともはや日本がIT化について行けていないことがわかる。
近所の交番に「マイナ免許証について」聞きに行った。交番の担当者(現役の警察官ではないかもしれないが)は当惑した表情でチラシを見せてくれた。チラシには電話番号は書かれていない。さらに免許証を作られても警察官が確認できないと言っていた。
交番の担当者の「確認できない」は事実誤認である。実際には確認アプリの運用も始まっている。ただしPC版には不具合があり修正には数日かかるそうだ。さらに各地の運転免許センターでもシステムエラーが複数確認されている。
問題はバグだけではなかったようだ。実は電子証明書が切れると免許証データが消えてしまう。これはバグではなく仕様だ。警察は秋までにシステム改修を予定しているそうだ。
この「仕様の不具合」のため警察は積極的に宣伝はせず電子証明書の切り替えがある人はもうちょっと待ってくださいと言っている。
ところがここに別の問題が乗っかる。実はその「電子証明書が切れる」という事実を知らない人が大勢いるらしい。
TBSの「ひるおび」でインタビューが流れていた。電子証明書が切れるという事実を知らず「ああ多分もう切れていますね」という20代の若者のインタビューが紹介されていた。恵俊彰氏は「気が付かなかったということは使っていないということですよね」と指摘していた。
総論すると、国はまともな仕様を作れず、仕様があったとしてもITベンダーはバグのないプログラムを作れない。国民は複雑すぎる仕組みの理解が追いついておらず、更に交番などの現場も仕組みを説明できない。
産経新聞の報道によると日本は独自のミサイル防衛システムを運用する計画なのだそうだがプログラムの開発は平成9年までかかるそうだ。仮にシステムが完成したとしても(仮に国産であると想定するならば)バグがないシステムが作れるとは期待しにくい。
もちろんすべてを国民の理解不足だと決めつけるつもりはない。個人的にはマイナンバーカードをすぐ作った。カードの期限が切れるのは2026年で、電子証明書はすでに一度更新している。その都度その都度、内容を読み実際に使っておけばそれほど難しくないという印象を持つ。ただ、それを改めてまとめて説明されると「これはとても覚えきれないなあ」という印象になる。利便性が訴求しないままで強引にプロジェクトを進めてきた弊害が出ているのだろうと思う。
現在の懸案事項は健康保険証の期限切れだそうだ。電子証明書が切れてもすぐに「使えない」ということにはならずしばらくは使えてしまうこともおそらく問題を複雑に見せることになりそうだ。さらにマイナポイント目当てでカードを作った人たちの電子証明書が切れると市区町村役所には長い行列ができることになるだろう。
なお現在のマイナ免許証の利便性はオンライン講習と若干の費用減である。デメリットの一つには海外では使えないというものがあるそうだ。国際免許証に加えて現地の警察はマイナ免許証を読み取れない。レンターカー会社の中にはマイナ免許に対応しないところもあるなどと伝えられている。