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豊洲移転問題の識者達は全員大学からやり直せ!

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東京スポーツWebを見て、おじさんわかっちゃったよ!と思った。次の瞬間これまでウンウン悩んだのはどうしてなのかと思い、そして腹が立った。どいつもこいつも大学からやり直すべきだとすら思った。

と、意気込んで書いたのだが、その後数時間経って「過去の調査費用が高すぎる」とか、専門家委員会がちゃんと検査したかどうか評価し直すという話が流れてきた。科学が理解できていないというだけでなく計測すらまともにできない人たちだったみたいである。

「豊洲の土地が汚染されている」といったとき、我々素人が考えるのは「きれいな土地と汚い土地」があって、その検査値はいつも変わらないという世界だ。きれいな土地からは有毒物質は出ないし、汚い土地からは有毒物質が出る。ゆえに、検査値がまちまちということは「誰かが隠蔽していた」か「検査方法が間違っていた」ということになる。
ところが、実際には地下水処理の仕組みが働いている。つまり、豊洲は動的に動いていることになる。もちろんそれ以外にも雨が降ったなどという環境の変化もあるだろう。これまでの調査ではこの処理システムがどう動いていたか、どれくらいの影響があったのかということは全く問題にされていない。が、よく考えてみると「条件が同じでないのなら結果がちがっていて当たり前」である。
小池都知事はこのことがわかっていない可能性がある。検査機関を複数にしてやり直すと言っているからだ。これは検査機関が「エラー」を起こす可能性は排除していないが、環境が変わること想定していないということになる。もし観測対象が動的に変化している可能性がわかっていれば、複数の人から話しを聞いていたはずだ。環境が違うのだから安全数値がでても、過去の測定が間違っていた証明にはならないのだ。
これがどれくらい馬鹿げているかということを簡単な例で説明しよう。昨日と今日で外の温度が変わっているが、それは温度計が壊れているか誰かが嘘をついているのではないかと疑っているような状態だ。実際には雲とか地球の傾きなどが複雑なふるまいをした結果温度が変わっているだけなのだ。つまり、昨日20度あったからといって、今日が9度しかないということを否定することはできない。
しかし「温度が10度以下だとお外に出てはいけませんよ」と言っているので、気温が10度を下回ると「本当は10.1度あったのではないか」とか「外に出てはいけない基準は半ズボンのときだから長ズボンを履いてはどうか」などと言い争っていることになる。別の人は「みんな10度ルールを守っているのだから、それが違うなどと言い出すのは人の道に反する」と叫んでいる。
じゃあ、安全に管理できるなら豊洲に移転してもいいんじゃないかという声が出てきそうだが、そうではあるまい。リスクがある土地に移転した場合、そのリスクを管理し続ける必要がある。だが、都のリスク管理能力はほぼゼロに近く、モニタリングすらまともにできない。
多分モニタリングするチームと地下水処理のシステムを動かすところなどが別のセクションにありお互いに調整しないままに事業が進んでいるのではないだろうか。都はプロジェクト管理能力がないのだから、豊洲移転などもってのほかだということになるだろう。
なぜ都が当事者能力を持っていないのかはわからない。日本の大学教育がぶっ壊れているか、集団になるととたんに無能化するのだろう。
 


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