イエメンの空港がイスラエルに爆撃された。「たまたま」テドロス事務局長がイエメン入りしており空港に滞在していた。確たる証拠もないためイスラエルがテドロス事務局長を狙い撃ちにしたとは言えないのだが、国連職員が重症でヨルダンに移送されたという情報も入っているため記録として残すことにした。
このニュースは当初イスラエルがイエメンのフーシ派を攻撃したというニュースとして語られていた。テドロス事務総長は「たまたま」空港に居合わせたということになっている。ただしイスラエルはこれまでもガザ地区のUNRWAをハマスの支援勢力として攻撃している。アメリカ合衆国に支援されて国際秩序に反抗しており、国連に対して一種の被害者感情を持っているようだ。ついに職員が1名負傷しヨルダンに運ばれた。テドロス事務総長は「自身を狙い撃ちされた」とは言わないまでもイスラエルを厳しい口調で批判している。
サヌア国際空港には、拘束中の国連職員の解放に向けた交渉などのためにイエメンを訪問していたテドロスWHO事務局長もいた。テドロス氏はXへの投稿で「民間人や人道支援者への攻撃は止めなければならない」と強い口調で述べた。
イエメン国際空港空爆で重症の国連職員、ヨルダンに移送=WHO(REUTERS)
日本ではアメリカのトランプ大統領がWHOを脱退するのではないかと伝えられている。これは個人的な感想に過ぎないが、トランプ政権は公衆衛生を「単なる施し」として軽視しているようなところがある。
これまでは民主主義擁護の観点から「国連中心の現状維持」を訴える西側先進国と力による現状変更をほのめかす独裁・専制主義国という構図があった。しかしアメリカ・イスラエルは多国間協力による国際秩序からの逸脱を始めており、危険な兆候と言える。
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