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紅白歌合戦はジャニーズ事務所と手を切るべき

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今回の結論は紅白歌合戦はジャニーズ事務所を排除すべきだというものだ。極論なので順に考えて行く。
去年の紅白歌合戦には困惑した。小ネタが多く「紅白らしくなかった」からだ。しかし、Twitterでのつぶやきは去年より多く、視聴率もやや持ち直したらしい。持ち直したのは紅白歌合戦が「バラエティー化した」からだろう。去年の歌謡シーンはYouTubeの影響からかチャンク化しており、短いフレーズしか受けなくなっている。その典型がPerfect HumanとPPAPだ。
このことから和田アキ子がなぜいなくなったのかがわかる。和田アキ子がいると紅白歌合戦に箔がついてしまう。一年の終わりに歌謡会の重鎮が集まり思い入れたっぷりに歌う祭典になるのはよくないのだ。和田アキ子はTwitter世代には重すぎるということだ。小林幸子が紅白歌合戦から脱落し、ネタとして復活したことからも紅白歌合戦は脱レジェンド化を進めていることがわかる。「落選した」ことには大した意味がない。それは歌謡界そのものがネタ化しつつあるからだ。
そうなると次に排除されるべきレガシーは何だろうかということになる。それは歌合戦システムそのものである。歌合戦システムはすでに形骸化してしまっている。誰も4時間以上も一連の行事が続いているなどとは思っていないからだ。しかし、歌合戦というからにはコンペティションでなければならず、それが「公平に見える」ためには紅白の勝利の比率が1:1でなければならない。
ところがこれを阻んでいる人たちがいる。それがジャニーズのファンである。彼らは普段から「組織的に行動しないとコンサートのチケットが手に入らない」という具合にしつけられているために、どうしても組織的に行動してしまう。いわば歌謡界の公明党なのだ。そして、彼女たちは他の歌手にはそれほどの興味がない。ジャニーズには女性のタレントがいないので、白組に入れてしまう。
公明党は選挙には欠かせない存在なのだが、公明党中心の政治をしてしまうと他の人たちが引いてしまう。熱心な信者というのは概してそういうものだ。視聴率アップのためにはジャニーズは欠かせないが、そこに照準を合わせると、別の層が離反する。政治の世界では自民党公明党が強すぎるので、浮動票が離反して政治に興味をなくすという現象が起きている。
今回は3歳の親戚と一緒に見たのだが、YouTubeに夢中でテレビには見向きもしていなかった。普段からマルチチャンネルに慣れている上に、YouTubeでさえ気に入らなければ別のコンテンツに変えてしまう。彼らの興味を持続させるためには秒単位でのアイキャッチが必要だ。紅白歌合戦の今年の演出はこの延長線上にある。この層に受け入れてもらうためには高齢化しつつあるジャニーズは邪魔になるだろう。つまり、ジャニーズは紅白歌合戦から排除されるべきだという結論になる。
今回の紅白歌合戦の主役は出演していないSMAPだった。彼らも古い紅白歌合戦の象徴になっている。レガシー化するとそこから抜け出せなくなってしまう。木村拓哉のようにレガシーに依存したい人もいれば、草彅剛、中居正広、稲垣吾郎のように脱却してしまった人たちがいる。後者にとってジャニーズの看板は重すぎるだけでなく有害だ。「国民的アイドル」として行動することを余儀なくされるからだ。ジャニーズファンはこうしたタレントを縛っているということになる。
演歌の大御所たちを切り捨て、歌謡界の重鎮を切り捨て、SMAPは自壊した。紅白歌合戦が生き残るためには「脱レジェンド化」が必要である。もう一つの道はレジェンド化したまま忘れ去られてゆくというものだ。