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自公国の枠組みがチキンレース化 有権者の期待に応えられない国民と維新

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産経新聞が「自公国の枠組みがチキンレース化している」と書いている。喩えとしては適切なフレーズとは思えない。チキンレース化しているのは国民民主党だけだからだ。

このチキンレースを脱却するためには協力が必要。維新の創設者である橋下徹氏は「国民民主党と維新は手を組むべき」としている。

確かにその通りなのになぜそれができないのだろうか?と考えた。結果的に国民民主党も維新も自民党の手のひらで転がされることとなり現役世代の期待に応えられなくなっている。

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産経新聞のタイトルは国民民主、協議継続引き出した自民とのチキンレース 予算反対で揺さぶりである。国民民主党は協議から降りられないが自民党も国民民主と維新を両天秤にかけることで双方から離反される可能性があるとしている。つまり状況が危ういのはお互い様なので「チキンレース」ということになる。

いずれにせよ国民民主党は「お話にならない」と一旦協議の席を離れたものの完全決裂するわけにも行かず幹事長レベルで再度文書を交わした。かろうじて交渉のテーブルに残った形だ。東大出身者が多い国民民主党の中でも榛葉幹事長だけはガチのプロレスファン(プロレスラーに手を出して場外乱闘に巻き込まれたという風変わりな武勇伝も持っている)なので「見せ方」がよくわかっているなあと言う印象。東大ではなくアメリカのオタバイン大学卒業でイスラエルへの留学経験も持つそうだ。欧米流の交渉文化をよく知っているのだろう。

橋下徹氏は「国民民主党は維新と組むべき」と言っている。なんとなくこの人が言うと「利権は山分けするのが賢いのだ」と言っているように小賢しく聞こえてしまうが、囚人のジレンマを防ぐうえでは合理的な指摘といえる。

ではなぜ国民民主党と維新は協力できないのか。改めて調べてみようと思った。

だがふと「ああそうだった、調べるまでもないな」と思い出したことがある。国民民主党ではどの政党と組むかで路線闘争があった。左派嫌いの前原誠司氏は非自民の保守勢力と組むべきだと考えるが、労働組合(連合)が背景にいる人達はそれが受け入れられない。

結果的に玉木・前原で主張が食い違う。前原氏は代表選挙に負けたあと所属議員の一部を引き抜いて維新への合流を画策した。ただし政党を変更するとと比例議員が議席を失うなど不都合が出るため中間政党として作られたのが「教育無償化を実現する会」だった。

つまり、現役世代の有権者の期待に応えるためには双方がタッグを組んで協力するのが合理的ではあるものの「自分たちを裏切って出ていった相手を認めるわけには行かない」という非合理的(感情的)な思いがあり協力できないということになる。

おそらく維新や国民民主党を支援する人たちは「メリット・デメリットを総合的に判断した結果」としてこうした不都合な側面は排除してしまうのではないかと思う。つまりアクターとしての自覚のない支援者たちが双方に「協力するように」圧力をかけることはない。

結果的に自民党が有利な状況で産経新聞が言うところの「チキンレース」が続くことになる。

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