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反政府勢力はダマスカスを目指す

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シリア情勢が緊迫している。

まずロシアとイランがシリアの政権を養護する余裕がなくなっていた。トルコに支援された反政府勢力は反撃の機会を狙っていたがハマス・ヒズボラと同調していると見られるのを避けるために攻撃を控えていた。レバノンとイスラエルが一旦停戦になったことで反政府軍の攻撃が始まる。現在、反政府軍はダマスカスを目指して南下中。南部にも新しい反政府勢力が誕生したため政府軍は二正面作戦を余儀なくされている。

アメリカがバックアップするクルド勢力も東部で徐々に支配地を広げている。ウォール・ストリート・ジャーナルが「アサド氏の家族がロシアに逃れた」「アサド大統領に亡命政府を呼びかけた」と伝えている。イランが高官を引き上げたとする報道もある。Xではダマスカスは持って数時間だろうという投稿を見かけるようになった。確定的なことは何も言えないが「情報戦争も始まった」ようだ。

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CNNとBBCはイドリブ県から始まった旧ヌスラ戦線がダマスカスに向けて進軍していると書いている。BBCはトルコの介入を示唆している。エルドアン大統領がアサド大統領をトルコに呼んで説得しようとしたが拒否されたとのことである。

旧ヌスラ戦線(HTS)はアメリカなどからテロリストとして扱われているが、現在「リブランディング」を行っている。曰くアサド政権からの解放者というイメージを植え付けようとしているのである。このため報道のトーンにおけるHTSの位置づけにややニュアンスの変化が見られる。

トルコの狙いは必ずしも明らかではないもののイランとロシアがそれぞれの戦争にかかりきりになっていることでシリア支援が手薄になっていたようだ。トルコはそれぞれの戦争を仲介する傍らでシリアを虎視眈々と狙っていたことになる。

トルコ大統領、国連総長と電話会談 「シリア紛争は新段階に」(REUTERS)という記事が出ていたときは第三者の論評のように思っていたが実は当事者だったということになる。実に油断のならない人だ。

アメリが合衆国はシリア東部にいるクルド勢力をバックアップしているため、アサド政府軍の支配地域は西側のダマスカス周辺に限られている。またシリア軍の待遇が悪化しており士気が落ちていたという報道もある。

そもそも士気が落ちているのだから「アサド氏がシリア軍を見放したぞ」という報道が流れればおそらくシリア軍は更に動揺するだろう。

ウォール・ストリート・ジャーナルが「家族がロシアに避難した」「エジプトとヨルダンがアサド大統領に対して亡命政府を樹立するように呼びかけた」と報道している。テレグラフ、TBS、時事通信の記事を確認した。WSJの報道の狙いは明らかではないが情報戦も始まっているようだ。またニューヨーク・タイムズはイランの高官が撤退したと伝えているそうだ。時事通信の引用報道が見つかった。

この内、テレグラフの記事は「ロシアはアサド政権が逃げるならば支援しない」というプーチン大統領の方針を伝えている。ロシアは地中海に基地権益を持っているためアサド政権を支援する理由がある。しかし自力で戦わずロシアに依存することは許さないということなのかもしれない。

これはシリア内戦に限ったことではないが、情報が錯綜する状況が続いており今の時点では確定的なことを書くことは難しい。世界各地で様々な情報が錯綜しており何が事実なのかがわからなくなっているというのが、現状であるということになる。混乱は暫く続くだろう。

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