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「弾劾すべきか弾劾せざるべきかそれが問題だ」頭に血が上った与野党が激突

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与党の韓東勳代表がto impeach, or not to impeach, that is the questionと悩んでいる。結局与党からは3人が造反しただけで(ただし議決が行われなかったので3人は技術的に見れば造反していない)弾劾審議そのものが行われなかったそうだ。

与野党ともに頭に血が上った状態になっており大切な問題が忘れ去られている。実は国家予算が決まっていないそうだ。いかにも韓国らしいという気がする。つまり状況は次第に「韓国的日常」に戻りつつある。

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尹錫悦大統領は高校の同窓生2名と協議して非常戒厳令の発令に踏み切ったという説が出ている。しかし、高校の1年先輩は軍をまとめきれず国会を掌握できないままで辞表を提出し受理された。頼りにならない先輩だった。

結果として大統領が頼ったのがかつての部下だった韓東勳氏だ。尹錫悦大統領は謝罪声明を出し「全ては与党に任せる」と宣言した。

韓東勳代表の戦略は先延ばしである。とにかく今は世論が反尹錫悦に傾いているのだから時間を引き伸ばして事態を沈静化させたい。そこでまず「弾劾そのものには反対」しなおかつ「大統領は執務から事実上排除される(ただし具体的にどうするかは述べない)」というあいまい戦略にでた。

また、大統領任期を5年から4年にするという案も出ているそうだ。尹錫悦大統領の任期は2027年5月まで残っている。とてもそれまで待てないという人たちに「2026年の統一地方選まで待ってください」と説得できると踏んだようだが、そのために憲法を改正するといっている。なぜ尹錫悦氏の不始末のために改憲までして大統領任期を削らなければならないのかはさっぱりわからないが、感情的な頭のままで突っ走る「いかにも韓国らしい」状況と言ってよいのかもしれない。

野党は当然反発していて何度でも弾劾決議を出すと言っている。しかしながら一度の国会では一度しか同じことを審理できないという原則があるようで国会の国会が閉じるのを待って新しい臨時国会を開く方針だそうだ。

となると当然「今の国会はなんのために開催しているのだろう?」と考えてしまう。何か重要なことを話し合うつもりだったのではないだろうか。

「もしもし忘れていませんかね」ということになる。

実は12月は韓国は年度末に当たる。つまり12月までに予算を決めなければ暫定予算(韓国では準予算というそうだ)による政府運営が避けられなくなる。だが現在は与野党とも頭に血が上った状態になっていてとても予算の話し合いなどできそうもない。

憲法第54条3項は予算を前年に準年編成する準予算執行対象を▶国家機関の維持および運営▶法律上支出義務の履行▶すでに予算として承認した事業の継続--などに規定している。政府運営のために最小限の支出だけを許容し、裁量支出を統制するという原則だけがある。来年初め補正予算案編成を避けることができないという展望も出ている。

戒厳事態で後回しになった韓国の来年度予算案議論…高まる準予算の可能性(中央日報)

日本の「テレビが伝えない真実」派の人たちは尹錫悦大統領ばかりが悪者になっていると感じるかもしれない。つまり日本のマスコミは「一方の側に偏っているのではないか」と疑いを持つだろう。

実際に毎日新聞読売新聞もきちんと「尹錫悦氏を支援するデモ」について報じている。また読売新聞はデモが盛り上がっているのは国会の周辺だけという声も伝えている。見出しだけみて「偏向報道だ!」と騒ぐのはよろしくない。

ソウルで日本人客向けの旅行会社に勤める日本人男性(51)によると、混乱が始まって以降、予約件数は1割ほど減った。男性は「デモが行われているのは一部の場所だけだが、日本にいてニュースを見聞きすると心配になるだろう。早く収まってほしい」と話した。

ソウルの国会前で抗議の市民は弾劾不成立に悲鳴…野党猛反発、混乱収束の兆し見えず(読売新聞)

軍隊の協力が抑制的だったため(戒厳司令官でさえ「法的に正しいか確証が持てないと感じていたくらいだそうだ」)大事にならなかったからこそ呑気に書けるわけだが、徐々に「韓国らしい日常」が戻ってきたといってよいのかもしれない。本予算が決まらなければ様々な問題が出るのだろうが与野党で指を指し合いながらワイワイとお互いを非難し続けるのだろう。

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