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前原誠司氏が共同代表に 新しい価値観を作れない日本の政党政治の限界が露呈

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日本人は新しい政党を作り出すことができない。つまりこれは日本人が新しい価値観を自ら作り出せないことを意味している。

党勢復調を狙う維新は大阪府民人気が高い吉村洋文氏を代表に選び前原誠司氏を共同代表に選出した。吉村氏のミッションは橋下・松井ブランドを維持することだ。

前原氏は早速国民民主党との連携を模索しているが、もともと路線対立により玉木雄一郎氏と決別した経緯がある。結局、国民民主党代表戦当時の議論を繰り返して同じところをぐるぐると回っているようだ。

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日本維新の会が新しい体制を発足させた。大阪府・大阪市で人気がある吉村洋文氏が代表に就任し国会議員のリーダーとしての共同代表に前原誠司氏が起用された。

もともと「維新」はアメリカ型の分権思想を日本流にアレンジした政党だった。錦の御旗を外から輸入し換骨奪胎した政党と言える。基本的に競争により日本の再活性化を目指すべき政党なのだが、成長がなく成長志向もない日本では「義賊的」にエスタブリッシュメントから既得権を奪って有権者にに再分配する政党として認識されている。

なぜ維新が大阪での成功を全国レベルに移植できないのかは意見が分かれるところだが「新しい考え方」を自らで作り出すことができない再分配政党であるために、今の試算を減らさないようにしつつ何かに取り付いて栄養源を分けて貰う必要がある。

初期の維新は自民党の菅義偉氏らとパイプがあったと考えられており「公共工事とイベント」により大阪の繁栄を演出してきた。

新しい価値観を作り出すことができない上に「自民党もオワコン化」しているのだから、吉村洋文氏は当然新しい「何か」を探さなければならない。そこで目をつけたのが国民民主党との連携だ。関東で独自のネットワークを形成しつつある松沢成文氏らを選択せず、前原氏を共同代表に指名にた背景にはそんな狙いがあるのではないか。

主導権争いが激しい立憲民主党は左派と右派・中道の間をふらふらと漂っている。玉木氏と前原氏はともに左派に振り回されない政党を作りたかった。しかし両者ともに「自分がリーダーになりたい」と考えていてそこを譲るつもりもないようだ。

結果的に維新と協力すべきとする前原氏と玉木氏は決裂。国会議員数でまさる玉木氏が代表選挙に勝利し前原氏は国民民主党から離脱した。

今回の共同代表就任に際して前原共同代表は国民民主党との何らかの連携を模索しているそうだ。

前原氏は共同代表選出後の記者会見で、2023年まで所属していた国民民主党との連携について問われ、「離党して除名処分になっている身だ。しかしながら、政治の世界というのは、『昨日の敵は今日の友』ということもある」と述べた。

「昨日の敵は今日の友」維新・前原氏 離党した国民民主党「玉木代表とも意思疎通できる」連携に意欲(FNN)

一度は国会議員の数で負けた前原誠司氏は維新議員という数を得たことで「またトモダチになろよ」と言っている。そもそも立憲民主党という大きな数に飲み込まれたくないリーダー志向の強い二人がトモダチになれるものなのかと思うと同時に、国民の民意を全く無視する形で「勝手に連携」を模索する姿勢には呆れてしまう。どうしても「希望の党騒ぎ」で民主党系の議員たちがなにの説明もせずに勝手に自分たちで身勝手な再編騒ぎを繰り返したことを思い出してしまう。

河井克行氏の証言を元に自民党政治を分析したときに「結局、同じ自民党の派閥内で票を奪ってくるしかない」と結論付けた。実は民主党・維新サイドでも同じことが起きている。新しい価値観が提示できない以上、どうにかして非自民・非共産勢力の票を自分たちのところに引き寄せるしかない。

成長できない以上限られた資源を奪い合うしかない。

前原誠司氏について「比例で得た票を国民民主党から奪って逃げた」という評価があるようだ。しかしそもそも民進党の代表を二ヶ月で放りだし小池百合子氏人気にあやかって希望の党に鞍替えしている。結果的に民進党と再合流し国民民主党を作った。このとき国民民主党は民主党の政党資産を継承したと考えられている。立憲民主党は枝野幸男氏が個人商店として作った政党だった。

つまりそもそも「他人が作った資産に寄宿して」政治生命を維持してきたものの自分たちでは党勢を拡大できなかった人たちの集まりであり比例議席を維新に献上したくらいは「何を今更」と言う気がする。

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