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石破政権の補正予算案は13兆9433億円 国債は6.69兆円

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自民党の選挙大敗を受けた臨時国会が始まった。12月末まで補正予算を審議する。石破総理の所信表明を聞く限りは芯がない内容で単なるバラマキに終わりそうだ。総額は空前の14兆円超となりそのうち6.69兆円は国債になる。

国債発行を責めるつもりはない。残り3ヶ月にばらまくなら国民が心配するほどの額を直接支給すべきだろう。その覚悟がないならそもそもこんな予算は作るべきではない。

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総選挙の結果を見ると明らかに有権者は自民党・公明党に飽きている。少数与党に転落したのだから壮大なバラマキを通じて国民の気持ちをつなぎとめるしかない。そもそも補正予算は12月末の成立なのでバラマキ期間は3ヶ月しかない。この短期間で何らかの経済効果を得たいなら国民に「暮れの餅代」として直接支給すべきだろう。それも国民が心配するほどの額がよい。

現在の予算の一番の問題点は「プライマリバランス黒字化」と「社会保障制度の維持」をほのめかしつつダラダラと無駄な支出を積み増して行く点にある。日本では減税の乗数効果が低いと言われる。個人も企業も将来不安を抱えているため「減税で浮いた分を貯蓄に回してしまう」のである。これが銀行の貸金庫から十数億円が消えても被害者が出てこないというようないびつな金余りを生んでいる。要するにみんな不安なのだ。

所信表明演説も一応聞くには聞いたが「お品書き」をダラダラと並べる貧弱なものだった。時事通信が補正予算の内訳についてわかりやすい図表を書いていたので読んでみた。

  • 自民党を支持してくれそうなところにばらまいている。
  • 新しい経済成長の芽が見つけられておらず人工知能と半導体産業に投資をすることになった。政府は「これなら安全」と思っているのだろうがすでに欧米と台湾・韓国に負けている分野だ。
  • ガソリン価格対策がやめられなくなっておりさらに1兆円を追加支出する。
  • 建設資材と人材が高騰しているなかで公共工事依存もやめられなくなっている。この分野に1.4兆円を投資する。
  • おそらくウクライナへの追加支出の1.4兆円が含まれる。

日本の経済成長の原動力は「人」である。人のやる気を引き出すためには人材への先行投資が必要だ。しかし今回のメニューから「次世代の稼ぎ手を育て現在の稼ぎ手を疲弊から守る」という哲学は一切感じられない。

ただそもそも自民党は岸田政権の低支持率から追い込まれるように選挙をやった上に総理大臣になる心の準備があったとも思えない人が総理大臣になっている。

前回の国民民主党のエントリーでも触れたように日本の政党はシンクタンク機能を持たず経済予測に使う統計を政府機関に依存している。現況認識もできていないのに政党が経済成長のマスタープランなど作れるはずはないのである。

なにもないところからここまで持ってきたことをむしろ褒めてあげるべきなのかもしれない。

共同通信は「そもそも使い残しが心配」と言っている。確かに14兆円のお金を3ヶ月の間に使うという内容になっている。そもそもマスター予算が多額の予備費を計上している。高負担感に悩んでいる人たちは自民党の選挙対策のために無駄な負担を強いられていることになる。さらに6.69兆円の新規国債が発効される。REUTERSは「プライマリーバランスの黒字化など夢のまた夢」というような評価だ。

国を企業に例えると現在の予算編成に無駄が多いのは当たり前だ。自分たちがどのような「稼ぐ構造」を盛っているのかが把握できていない。

企業はまず収入と資金調達の計画を出す。次にだいたいの成長目標を決めて儲けをどう投資すれば営業利益が得られるかを決めてゆく。部署に数字を割り振る場合もあるし経営企画部のようなところでマスタープランを作ることもあるだろう。

つまり「経営戦略=政策」を決めるためにはマスタープランが必要だ。しかし、日本の政党はこうしたマスタープランを作ることはしない。国民民主党の記事からわかるのは日本の政党は政府の何処かの部局にマスタプランづくりを丸投げし出てきた内容について「これは気に入らない」とケチを付けているのを自分たちの仕事だと考えている。

個人的には国民民主党の「手取りアップ宣言」は単なるプロレスに過ぎないと感じる。玉木雄一郎氏の発言が信頼できない。だが、ヤフーニュースの識者のコメントを見る限り好意的なものが多かった。曰くこれまではすべてインナーと呼ばれる自民党税調が勝手に決めていたものが国会で審議されることになったのが前進だというのだ。政治のプロたちに言わせればこれは画期的なことなのだそうである。個人的には不満があるが「識者の声」として受け入れたい。

なおインナーは退職金課税について今年は議論しないことにしたそうだ。ただ防衛増税の議論をどうするかについての報道は今のところでていない。国民民主党がどのように対応するのかが気になる。

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