ざっくり解説 時々深掘り

デパートで紳士服が売れなくなったわけ

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今日、デパートに行った。ジャケットについて書いていて、ちょっと現場を見てみたくなったからだ。Paul Smithではピッタリのサイズのものを出してもらった。かなり体ががっしりしてきた(要は太った)でちょっとショックだった。2Lというちょっと特殊な型になっているらしい。Paul Smithは店員さんがサイズを持ってきて着させてくれる仕組みになっている。Brooks Brothersも同じような仕組みだ。こちらはアメリカンサイズをそのまま持ってきているということで、特殊な体型というほどではなさそうである。どちらも今のコートの流行などを教えてくれた。
ところが五大陸は問題だった。明らかに肩が落ちたジャケットを勧められた。腹回りで合わせるからだろう。ところが店員さんは「これでジャストサイズだ」といいはる。「パッドがないから肩が落ちて普通なんですよ」というのだ。そして袖は後で直すのだという。要は太っている人はいない想定になっていて、背が高い人用のものを勧められたのである。
余裕がある店は冷やかしであるということがわかっても、試着はさせてくれる。比較的暇なので余裕があるのだろう。だが、ノルマがあるらしい店は様子が違っている。無理にお客に買わせようとするわけだ。これはサイズ展開に問題があるんじゃないかと思う。
こうしたことがいちいち煩わしく感じるのは古着屋に慣れてしまったからだろう。古着屋にはジャケットやコートなどが整然と並んでいて「好きに探してください」ということになっている。店員にノルマはないので無理矢理に勧められることはない。流行などは分からないのだが、今の流行を押し付けられることはないとも言えるのだ。
幸いなことにリサイクルショップはまだ若者に知られていない。どちらかというと彼らは洋服を売りに来る側で、買って行くのは中高年である。しかし、若い人たちは通販に傾きつつあるのではないかと思われる。通販にはランキングはあるが、無理にサイズが合わないものを押し付けられる心配はない。サイズが合わなければ交換ができるようになっている。リサイクルショップと同様「煩わしい店員とのやりとり」もないし「お前にはそんなの似合わないだろ」という視線を感じることもない。
昔はそういうのが普通だと思っていたのでデパートで洋服を買ったりしていた。だが一旦「好きなだけ洋服が選べる」という環境を体験してしまったあとではデパートで買い物をする気にはなれない。つくづく難しい時代だなあと思った。