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トランプ対中国関税の全容が明らかに メキシコとカナダが巻き添え

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トランプ次期大統領の対中国関税の全容が明らかになった。当初の60%ではなく追加10%となったことでアメリカでは奇妙な安堵感が広がった。しかしカナダとメキシコが25%の関税を喰らい巻き添えになってしまった。アメリカの金融市場への影響は軽微だったが日本の株価は一時動揺した。

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まずはポイントをおさらいしてゆこう。

  • 対中国関税は追加10%だった。
  • カナダとメキシコは25%の関税となり巻き添えになった格好。トランプ氏自らが第一期政権で作ったNAFTA後継のUSMCA違反となるそうだ。
  • アメリカの金融市場は織り込み済みだったが日本の自動車産業などはメキシコを経由することが多いため日本の株価は下がった。
  • 財務長官が穏健な人事だったことで株価続伸・国債価格上昇・金利下落となっており、アメリカ経済は引き続き好調。
  • トランプ氏は「フェンタニル対策」の名目を打ち出し本来の目的であるアメリカの雇用確保を全面に打ち出さなかった。

関税のニュースじたいは単純なものだがその解釈や影響などの記事が多岐に及び情報がまとまっていない印象がある。

日本の状況だけをまとめると次のとおりになる。アメリカの金融市場は「所詮空威張り」だったと受け止めているが、日本企業はメキシコを経由している輸出品が多いようで株式市場が動揺したと伝わる。

このところ「SNSで一喜一憂した4年前を思い出す」という感想を聞くようになった。NHKは次のように書いているがこれが今後4年間続くことになる。

市場関係者は、「トランプ氏の関税政策が企業業績に与える影響などが懸念されたことで、株価は午前の取り引きで大きく下落したものの、その後は値下がりした銘柄を買い戻す動きが出るなど、今後の推移を見極めようと冷静に対処する投資家もいたようだ。今後も市場ではトランプ氏のSNSでの発信を警戒しながら神経質な取り引きが続くだろう」と話しています。

株価 値下がり トランプ次期大統領の関税表明受け(NHK)

石破政権はそもそも総理を支えるスタッフが少ない。APECの集合写真遅刻問題では「日米地位協定を見直すとした石破総理と外務省の間に亀裂があるのではないか」などとも囁かれていた。噂や憶測の真偽はともかくとして人付き合いより読書を好む石破総理には信頼できるスタッフが少ないのは確かなようだ。

かろうじて比例復活した長島昭久氏が共和党との間にパイプを持っているが、長島氏のパイプはあくまでも伝統的な共和党とのものにとどまる。今回の渡米では院内の共和党実力者との間の儀礼的なやり取りしかできなかったようである。トランプ氏の動向はわからないのだから当然官房長官は「状況を見守る」としか言えない。

アメリカ市場があまり動揺しなかったのは財務長官候補のベッセント氏登用が市場に融和的で穏健な人事だと見られているからのようだ。BBCがこの辺りをうまくまとめている。

トランプ氏は国内向けに「今回の関税はフェンタニル対策である」と説明している。つまり貿易戦争ではないという体裁になっている。アメリカではフェンタニルによる薬物中毒被害が深刻になっている。この外国の脅威からアメリカ人の安全を守るために関税を利用したという建付けだ。

またベッセント財務長官候補は「トランプ氏は本質的には自由貿易主義者だ」としたうえで「交渉のために関税を武器化しているだけ」であるとして市場の疑念を払拭しようとしている。

個人的にはメキシコの経済が停滞すれば安い円を借りてメキシコに投資するという円キャリートレードがなくなるのではないかと感じた。つまり今回のトランプ氏の政策は短期的には日本株を押し下げることになるが、中長期的には円の価値を上げるのではないかと感じる。しかしこれを裏付けるような指摘をする記事は見つからなかった。

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