アゼルバイジャンのバクーで開かれていたCOP29が閉幕した。途中決裂危機もあったようだが最終的にこれまでの3倍となる3000億ドル(46兆円)の支出を行うことで合意した。同時に炭素市場の内容について合意している。発展途上国側は年間1.3兆ドルの支出を求めて運動を続ける考えだがトランプ大統領はパリ協定からの離脱を表明しており議場でも話題になっていたという。
アゼルバイジャンのバクーで開かれていたCOP29が閉幕した。年間3000億ドルの支出と炭素市場(炭素クレジット)の導入が決まった。ただし発展途上国側は支出を不十分としており今後1.3兆ドルに拡大するために交渉を続ける。
NHKはまだきれいな書き方をしているがCNNを読むとかなり荒れた会合だったことがうかがえる。CNNは「カオス」と表現している。
発展途上国などの新興国からアメリカ合衆国に向けて資本が逆流しておりそもそも債務危機寸前に陥っている国が多い。先進国は給付ではなく貸付を求めていたが新興国は「借金を背負ってしまうと債務危機が更に拡大する」と危機感をつのらせていた。さらにお金の力でロビー活動ができる産油国は公然と「化石燃料の有用性」について宣伝しお金の力がない新興国はフラストレーションを溜める結果となった。1700人ものロビーイストたちが集結したとあり環境保護どころか環境破壊サミットになりかねない状況だったようだ。
It took place in Azerbaijan, a petrostate, and was awash in fossil fuel interests. More than 1,700 fossil fuel lobbyists or industry players registered to attend the talks, outnumbering almost all country delegations, according to an analysis by a coalition of groups called Kick Big Polluters Out.
World agrees to climate deal on financial aid for developing countries after summit nearly implodes(CNN)
COP29は難航が予想されており11日と12日に開かれた首脳会談には主要国の首脳が参加しなかった。また石破総理も「首班指名選挙」のために参加を見送っていた。
誰もまとまるとは思っていなかったCOP29は合意ができただけで議長国アゼルバイジャンの大金星といえるのかもしれない。だが、アメリカのトランプ次期大統領はパリ協定からの離脱を宣言している。民主党系の代表団は議場でトランプ次期大統領を非難した。自国のいざこざを国際会議の場に持ち込んだことになる。
今回の成果は炭素市場と炭素クレジットの導入だがBBCが炭素市場が不正の温床になるという懸念があると付け加えている。民主主義の遅れたアフリカではエネルギー利権の独占が不正の温床になることがある。これに加えて「炭素利権」が不正の温床になることは否定できないだろう。これを誰が取り締まるのかなど課題も山積しているようだ。
これについては、非常に厄介な問題であること共通認識も確認された。これには、不正行為への懸念や、炭素除去が本当に永続的なものなのかという課題が含まれる。
米気候特使がトランプ次期大統領を批判、COP29の演説で 次期政権の気候対策に懸念(BBC)